ハンス・カロッサ ハンス・カロッサの概要

ハンス・カロッサ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/06 15:42 UTC 版)

Hans Carossa
誕生 1878年12月15日
バイエルン王国 バート・テルツ
死没 (1956-09-12) 1956年9月12日(77歳没)
西ドイツノイキルヒェン・バイム・ハイリゲン・ブルート
職業 開業医小説家詩人
国籍 ドイツ
活動期間 1910年 - 1955年
代表作 自伝的な数篇の小説
主な受賞歴 ゴットフリート・ケラー賞(1931年
ゲーテ賞1938年
デビュー作 ドクトル・ビュルガーの最後(1913年)
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経歴

バイエルン王国(現在のドイツバイエルン州)バート・テルツ (Bad Tölz) に生まれた。父も祖父も医師であった。父方の祖はイタリア人で、本来の苗字はカロッツァであった。1886年、一家が転居したピルスティング (Pilsting) の小学校に入り、1888年、ランツフートギムナジウムへ進み、15歳の頃からヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテを読んだ。詩作も試みた。

1897年、19歳でミュンヘンに出て、ミュンヘン大学ヴュルツブルク大学ライプツィヒ大学で医学を修め、かたわら、詩人や作家と交友し、詩を新聞雑誌に載せた。1903年、医師となり、パッサウで父の代診を始めた。この頃結婚した。1905年、医学博士の学位を取得した。詩人リヒャルト・デーメル (Richard Dehmel) やフーゴ・フォン・ホーフマンスタールに近づき、1910年に『詩集』を、1913年に『ドクトル・ビュルゲルの最後』を出版した。

1910年、36歳でニュルンベルクへ移るが、1914年の第一次世界大戦勃発直後、ミュンヘンへ移住した。ここでシュテファン・ゲオルゲライナー・マリア・リルケを知った。志願して軍医となり各地に転戦し、陣中で『幼年時代』や『ルーマニア日記』の草稿を綴ったが、負傷して帰還した。

その後、ドナウ川畔のゼーシュテッテン(Seestätten) へ移り、自らの経験にもとづく数篇の小説を書いた。また頻繁にイタリアへ旅行した。1931年チューリッヒゴットフリート・ケラー賞を、1938年フランクフルト・アム・マインゲーテ賞を受賞した。

ヒトラーの時代、派手なナチス批判はせず、要人と会うこともしたが、末期にパッサウの防衛放棄を訴えて睨まれ、侵攻してきたアメリカ軍に危うく救われる、という一幕もあった。

1948年、70歳でケルン大学・ミュンヘン大学から名誉哲学博士号を受けた。パッサウの名誉市民にも推された。

1956年、パッサウ近郊のノイキルヒェン・バイム・ハイリゲン・ブルートNeukirchen beim Heiligen Blut, 別名リットシュタイク/Rittsteig)に没した。

おもな著作

小説

  • 『ドクトル・ビュルガーの最後』(Doktor Bürgers Ende) 1913年 - 1930年の再版時の標題は『ドクトル・ビュルガーの運命』(Die Schicksale Doktor Bürgers)
  • 『幼年時代』(Eine Kindheit) 1922年 - 自伝的作品、誕生から小学生まで。
  • 『ルーマニア日記』(Rumänisches Tagebuch) 1924年 - 第一次世界大戦の従軍日記。1934年『陣中日記』(Tagebuch im Kriege)と改題。
  • 『青春変転』(Verwandlungen einer Jugend) 1928年 - 自伝的作品、ギムナジウム時代。
  • 『医師ギオン』(Der Arzt Gion) 1931年 - 自伝的作品、第一次大戦後のミュンヘンの生活。
  • 『指導と信従』(Führung und Geleit) 1933年 - 自伝的作品、文学的交遊。
  • 『成年の秘密』(Geheimnisse des reifen Lebens) 1936年 - 人生への畏敬。
  • 『美しき惑いの年』(Das Jahr der schönen Täuschungen) 1941年 - 自伝的作品、ミュンヘン大学の医学生時代の初期。
  • 『イタリア紀行』(Aufzeichnungen aus Italien) 1947年
  • 『狂った世界』(Ungleiche Welten) 1951年 - 自伝的作品、ナチスの時代。
  • 『若き医者の日』(Tagebuch eines jungen Arztes) 1955年 - 自伝的作品、開業初期。

  • 『全詩集』(Gesammelte Gedichte) 1910年
  • 『新詩集』(Stern über der Lichtung: Neue Gedichte) 1946年

その他

  • 『現代におけるゲーテの影響』(Wirkungen Goethes in der Gegenwart) 1938年 - ゲーテ賞受賞記念講演。



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