ニコロ・パガニーニ 楽器

ニコロ・パガニーニ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/23 07:36 UTC 版)

楽器

ニコロ・パガニーニが愛用した1742年製デル・ジェズ「イル・カンノーネ」。
  • イル・カンノーネ(ヴァイオリン)
    パガニーニが演奏に使用したヴァイオリンとして、1743年グァルネリ・デル・ジェズが製作した「イル・カンノーネ」が有名である。賭博で賭けたヴァイオリンを取られてしまったパガニーニに対し、1802年にリヴロンという商売人が、自身が所有する上記のグァルネリのヴァイオリンを演奏会で使用してほしいことを申し出た。パガニーニはそれを承諾し、演奏会でそのヴァイオリンを使用したところ演奏会は予想以上の成功を収めた。あまりの素晴らしい響きに驚嘆したリヴロンは、貸与したヴァイオリンをパガニーニに譲渡する。パガニーニはリヴロンの好意に対し「今後このヴァイオリンを他人には使用させない」との誓いを立てる。以後パガニーニはこの楽器を音の大きさから「カンノーネ(イタリア語カノン砲の意)」と命名し、終生愛用した。
    なおカンノーネはパガニーニの遺言で「他人に譲渡、貸与、演奏をしない」ことを条件に故郷ジェノヴァ市に寄贈された。この遺言は当初は守られたが、1908年に定期的な修理をかねてヴァイオリニストに貸与することを決定。1937年の全面修理を経て、現在にいたるまでパガニーニの遺言を無視する形で貸与と演奏がされている。
  • ヴィヨーム(ヴァイオリン)
    パリの弦楽器職人ジャン=バティスト・ヴィヨームが1833年に製作したヴァイオリン。カンノーネの修理中に同器を忠実に複製したもので、パガニーニは気に入って購入しようとしたが、ヴィヨームは無償でプレゼントした。パガニーニはこれを愛用したのち、1840年に弟子のカミッロ・シヴォリに500フランで譲渡し、代金は製作者のヴィヨームに感謝と友情の証として贈った。[3]

  1. ^ 中野京子『中野京子と読み解く 名画の謎 対決篇』文藝春秋、2016年、84頁。ISBN 978-4-16-390308-8 
  2. ^ 『音楽と病 病歴に見る大作曲家の姿』、ジョン・オシエー著、法政大学出版局、ISBN 4-588-02178-8
  3. ^ Paloma Valeva (フランス語) https://palomavaleva.com/jean-baptiste-vuillaume-luthier-francais/
  4. ^ ロッキンf(立東社) 1986年3月号 87p
  5. ^ Leopold Auer, Violin Playing as I Teach It (1920)
  6. ^ (2859) Paganini = 1973 AT1 = 1978 RW1 = 1980 DU5”. MPC. 2021年10月2日閲覧。






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