トヨタ・ガズー・レーシング・ヨーロッパ
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ニュルブルクリンク24時間レース
2013年から、TMGの開発・販売するGT86 CS-V3がニュルブルクリンク24時間レースのV3クラスに参戦。2013〜2015年までトヨタ・スイス・レーシングがクラス優勝を飾っている。
2018年にはTMGの有志たちにより結成された『TMG United』[53]がSP3クラスに参戦。マシンは市販車の86で、総合81位・クラス3位で完走した[54]。
2019年もSP3クラスに参戦。今度はGT86 CS-V3にマシンをスイッチし、クラス優勝を果たした[55]。
EVレース
2011年、ラディカル・スポーツカー製シャシーにTMGの開発したパワートレインを搭載する「TMG EV P001」が、公道用タイヤでニュルブルクリンク北コース(ノルドシュライフェ)において7分47秒794というラップタイムを記録。それまでのEVの記録であった9分1秒338を1分以上縮めた[56]。
2012年のパイクスピーク・ヒルクライムにはP001を改良したP002[57]を用いて俳優の哀川翔が率いる「Team SHOW」が参戦。奴田原文雄がステアリングを握り、EVクラスで増岡浩の三菱・MiEV Evolutionや田嶋伸博のE-RUNNERを破って優勝(総合6位)を果たし、さらにEVのコースレコード(10分15秒380)も樹立した[58]。またノルドシュライフェにも再登場し、ヨッヘン・クルムバッハのドライブで7分22秒329を叩き出し、P001の記録をさらに25秒近く縮めた[59]。
2013年はTRD USAがP002を運用してパイクスピークに登場。ドライバーは90年代にセリカとタコマで総合優勝を果たしたロッド・ミレンであったが、後輪駆動ゆえに雨天の影響を大きく受けたこともあり、昨年の奴田原を下回るタイム(10分24秒301)でEVクラス4位に終わった[60]。
プライベーター向けマシンの販売
2012年8月、トヨタ・86をベースにしたプライベーター用耐久マシン「GT86 CS-V3」と、入門用ラリーマシンであるグループR1A規定のトヨタ・ヤリスの販売を開始[61][62]。VLN(ニュル耐久シリーズ)では2013年以降、このCS-V3を対象とした「GT86カップ」をTMGが独自に設定し、優勝者に賞金を出している[63]。CS-V3は2016年にモデルチェンジされ、名称も「CSカップ」へと変更された[64]。また、ヤリスR1は、F1参戦以来のラリーへの正式復帰となる一台であった。
2015年にはグループR3規定初となる後輪駆動のラリーカー、「GT86 CS-R3」をプライベーターに向けて発売[65]。2018年からはCS-V3・CSカップ・CS-R3で参戦できるワンメイクレースの「TOYOTA GAZOO Racingトロフィー」を開催している[66]。2017年にはERC王者のルカ・ロセッティとGT86 CS-R3を擁して、ERC3にワークス参戦体制でスポット参戦している。
2019年にはグループGT4仕様のGRスープラの開発を正式に発表、翌2020年から販売することを発表している。
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- ^ ニュル最速EVが、さらに記録更新!!
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- ^ http://autoprove.net/2012/12/27276.html AutoProve 【トヨタ】ニュルブルクリンクVLNレースを舞台にトヨタGT86カップがスタート レース仕様の販売も開始
- ^ CS-Cup: The Better Package
- ^ トヨタ、「86」のラリー仕様車「GT86 CS-R3」の最終スペックを発表!
- ^ トヨタ 86、欧州で新たなレース開催へ!レーサーとラリーが同ステージで参戦
- ^ a b “TMGからERC参戦のロセッティ「ナンバーK-AMのトヨタからWRCへの夢が始まった」”. Rally+.net 2022年11月27日閲覧。
- ^ Toyota’s incredible motorsport secret stash
- ^ DAY1-3 Yaris WRCエンジン開発秘話
- ^ 「TGR ニュルブルクリンク24時間耐久レースでの経験がトヨタ自動車に新たな風を吹き込む」 脇阪寿一の走らなアカン! 2017年6月7日
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