テッポウユリ 特徴

テッポウユリ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/17 04:30 UTC 版)

特徴

丈が 50cm-1m 程度に生長し、楕円形で長い葉をつけ、葉脈は水平方向に入る。原産地での花期は 4-6 月で、茎の頂上に純白で細長い花を横向きにつける。花長は 10–15 cm、直径 5 cm ほど、花弁が6枚あるように見えるが根元がつながっており筒状になっている。雌雄同花である。

本種は外見・生態上の特徴が後述の近縁種タカサゴユリに酷似するが、一般にタカサゴユリよりも小型であり、葉が太めで、花が白く筋などが入らない点で区別する。ただし、本種はタカサゴユリとの園芸交雑種が多く、変異も起きやすいとされ、違いが判別しにくい場合も多い。一般的に球根植物は乾燥に強いが、本種は、乾燥に弱い。

分布

日本南西諸島および九州南部が原産で、本州以東では園芸用に移入されたものが分布する。沖縄県では自生種が群生する様子が見られる。

園芸品種

ひのもと
沖之永良部を代表する園芸品種。主に切り花として利用される。
長太郎
江戸時代植木屋の内川長太郎によって選抜育種された品種。矮性種で花は小振り、葉は白覆輪となっている。鉢植えに向いている。

シンテッポウユリ

シンテッポウユリ(新鉄砲百合、Lilium x formolongo)は、園芸用にテッポウユリとタカサゴユリがかけ合わされた交雑種とされ、外見上も両者の中間的な特徴を持つとされる。

一般に、発芽から開花までの期間が短く(概ね1年程度以内)、花が白いが葉が細めであるなど、両者の特徴を併せ持ち判別が困難である場合に「シンテッポウユリ」と呼ばれることもある。中には園芸用に花が上向きに傾いて咲くものが選別されている場合もあり、様々な種が存在していると考えられている。

これらの多くは園芸用に栽培されているが、それらの中には種子を稔らせるものもあるため、それが野生化することも考えられる。それだけ両種の間では交雑や変異等による変化が考えられ、外形上の判別が難しいことを示唆している。

テッポウユリ亜属

テッポウユリ亜属(学名:Leucolirion)には次の種が属する。

テッポウユリ
タカサゴユリ Lilium formosana
高砂百合は台湾百合とも呼ばれ、もともと台湾原産で、日本には1924年に移入されて、帰化植物として西日本に広く自生する[1]
ハカタユリ(博多百合)Lilium brownii var. colchesteri
中国原産で、日本には鎌倉時代に九州北部に移入された帰化植物とされる。しかし現在の分布は限られており、当地ではハカタユリの復活計画などが実施されている。
ビンコウユリ(岷江百合)Lilium regale E. H. Wilson
英名 Regal lily。中国四川省に自生し、白に中央がやや黄色の花を咲かせる。日本では英名から「リーガルユリ」と、または「トランペットリリー」などと呼ばれる。






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