ティートーノス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/04 06:23 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動イーリオス王ラーオメドーンの子で、プリアモス、ラムポス、クリュティオス、ヒケターオーン、ヘーシオネー、キラ、アステュオケーと兄弟[1]。暁の女神エーオースの夫で、エーマティオーンとメムノーンの父[2][3]。一説にアッサラコスと兄弟[4]
神話
女神との結婚
ティートーノスは美男子で、エーオースから熱烈に愛されたことで有名[5]。神話によるとエーオースは彼をさらってエチオピアに連れて行き、夫とした[3]。ホメーロスは、エーオースがティートーノスと眠るベッドから、毎朝、夜明けをもたらすために起き上がると詠っている[6][7][注釈 1]。このことからティートーノスはしばしばエーオースの夫と呼ばれ[5]、エーオースもまたティートーノスの妻と呼ばれた[9]。
シケリアのディオドーロスは、ティートーノスはエチオピアに遠征し、エーオースにメムノーンを生ませたと述べている[10]。
悲劇的結末
『ホメーロス風讃歌』によると、エーオースはゼウスに願い、ティートーノスを不死にしてもらった。ところが不老にしてもらうのを忘れたため、若々しい間は女神からの愛を享受していたが、老いが深まるとともにエーオースの足は遠のいて行った。それでも館の中で神々の飲食物で世話をしていたが、身体を動かすことが出来なくなったとき、ティートーノスを奥深い部屋に移して扉を閉ざし、2度と近づかなかった。しかしティートーノスは今も生きていて、その声は扉の向こうから聞こえてくるという[11]。別の話によると老いさらばえたティートーノスは最後には声だけの存在となり、エーオースによってセミの姿に変えられたとされる[12]。
なお、子供のうちエーマティオーンはヘーラクレースに殺された[13]。またメムノーンはトロイア戦争でエチオピア勢を率いて戦った英雄である[14][15]。
系図
ラーオメドーン | メロプス | ||||||||||||||||||||||||||||||||
ティートーノス | エーオース | プリアモス | アリスベー | ||||||||||||||||||||||||||||||
メムノーン | エーマティオーン | アイサコス | |||||||||||||||||||||||||||||||
その他のティートーノス
注釈
脚注
- ^ アポロドーロス、3巻12・3。
- ^ ヘーシオドス『神統記』984行-985行。
- ^ a b アポロドーロス、3巻12・4。
- ^ オウィディウス『祭暦』4巻943。
- ^ a b ヒュギーヌス、270話。
- ^ 『イーリアス』11巻1行。
- ^ 『オデュッセイア』5巻1行-2行。
- ^ 『祭暦』1巻461行)。
- ^ オウィディウス『祭暦』3巻403行。
- ^ シケリアのディオドロス、4巻75・4。
- ^ 『ホメーロス風讃歌』第5歌「アプロディーテー讃歌」220行-238行。
- ^ 『イーリアス』11巻1行への古註(カール・ケレーニイ『ギリシアの神話 英雄の時代』邦訳、p.248)。
- ^ アポロドーロス、2巻5・11。
- ^ アポロドーロス、摘要(E)5・3。
- ^ シケリアのディオドロス、2巻22・1-22・5。
- ^ アポロドーロス、3巻14・3。
- 1 ティートーノスとは
- 2 ティートーノスの概要
- 3 参考文献
固有名詞の分類
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