ダイポールアンテナ ダイポールアンテナの概要

ダイポールアンテナ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/10/01 04:46 UTC 版)

半波長ダイポールアンテナの概略図
共振回路のコンデンサからダイポールアンテナを展開するアニメーション 青線が電場を、赤線が磁場を表す

長さ

原理上の各エレメントの長さは1/4波長(全体で1/2波長)。ただし、厳密に1/4波長ではインピーダンスが誘導性となる(正の虚数成分を持つ)ため給電線とのインピーダンス整合が難しくなるので、1/4波長よりも数%短縮させてインピーダンスを純抵抗に合わせる事が多い。

エレメントを短縮する比率を短縮率と呼び、1以下の数字で表される。短縮率はエレメントが太いほど小さくなる。「短縮率」が必要な原因は、アンテナ線中の伝播速度が真空中≒空中よりも遅く、概ね短縮率を乗じた速度だから、1/2波長が空中より短いためであり、必然的に1以下となる。エレメント廻りの分布インダクタンス、分布キャパシタンスで伝播速度が変わることで分布定数共振の共振長さが変わる。両端に金属板を取り付けると、そのコンデンサー効果で更に短縮される。

ダイポール・アンテナの場合、両端が「開放端反射」となり、進行波と反射波の干渉で丁度定在波が発生した状況がアンテナの共振周波数であり、アンテナ長が1/2波長の場合が共振の基本波で中央給電部が大電流点、1波長が2倍周波数で中央給電部が高インピーダンス点、1.5波長が3倍周波で中央が大電流点……と基本波のn倍が共振点となる。

すなわち周囲の影響によって共振長さが変わるため、机上計算で正確な長さを求めることは困難である。そこで実際は、少し長めに製作しておいて、SWRが所望の周波数で最低になるようにエレメントを切り詰めて微調整することで最終的な長さを決定する。周波数 ν [MHz] に対する波長 λ [m] は、次の計算式により求めることができる。

インピーダンス

2本の導線の内角を180°にすると入力インピーダンスが約73Ωとなる。内角を120°にすると入力インピーダンスがほぼ50Ωとなり、50Ω系の同軸ケーブルで直接給電が可能となる。このとき、アンテナの形がアルファベットVの字に見えることから、V型ダイポールアンテナと呼ばれる。アマチュア無線家の間で俗称バンザイアンテナと呼ばれることもある。これの天地を逆にしたものをインバーテッドVアンテナ(略してIVアンテナ)または逆Vアンテナと言う。




「ダイポールアンテナ」の続きの解説一覧




ダイポールアンテナと同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ダイポールアンテナ」の関連用語

ダイポールアンテナのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ダイポールアンテナのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのダイポールアンテナ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS