スウェーデン語の歴史 古ノルド語

スウェーデン語の歴史

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/01 04:24 UTC 版)

古ノルド語

10世紀初頭における、古ノルド語および近縁の言語が話されていた地域の概略図。
   古西ノルド語
   古東ノルド語
   古ゴトランド語 (en
   古英語
   その他のゲルマン諸語のうち、古ノルド語との相互理解性 (enを保っているもの

8世紀スカンディナヴィア地方のゲルマン語(原ノルド語)から古ノルド語が成立した。ゲルマン語はもともとルーン文字で書かれていたが、原ノルド語が24文字からなる古フサルクで書かれているのに対し、古ノルド語は16文字からなる新フサルクで書かれている。文字数が限られたことで、古ノルド語では1つのルーンが複数の音素に対応することになった。たとえば母音uに対する文字がo, ø, yにも用いられ、iに対応する文字がeにも用いられるといった具合である。

次いで東西2つの良く似た方言、古西ノルド語(ノルウェーおよびアイスランド)と古東ノルド語(デンマークおよびスウェーデン)に分かれた。古東ノルド語の特徴は、元々の二重母音æiが古東ノルド語では単母音eに、auとøyがøになるということである。これに対して古西ノルド語では、それぞれei、au、eyと二重母音のままである。

12世紀初めごろから、デンマークとスウェーデンの方言が分かれ始める。大雑把に言えば変化はデンマーク側で先に起きる傾向があり、それがシェラン島からスウェーデン中部にかけていくつかの等語線をつくりながら不均等に伝播していった。こうした変化の中には現代スウェーデン語にはまだ起きていないようなものもあるので、スウェーデン語のほうがより古い形を残しているとも言えるが、それでもだいたいにおいてこの2つの言語の間の差は小さなものである。


  1. ^ ハストロプ編 1996, pp. 177–178.
  2. ^ ハストロプ編 1996, pp. 179–180.





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