カナリア
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/24 17:11 UTC 版)
カナリア | |||||||||||||||||||||||||||
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保全状況評価 | |||||||||||||||||||||||||||
LEAST CONCERN (IUCN Red List Ver.3.1 (2001)) | |||||||||||||||||||||||||||
分類 | |||||||||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||||||||
Serinus canaria (Linnaeus, 1758) | |||||||||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||||||||
カナリア | |||||||||||||||||||||||||||
英名 | |||||||||||||||||||||||||||
Domestic canary Wild canary |
英名では、特に野生種と飼養種を区別するとき、前者を Island Canary, Wild Canary, Tame Canary, Atlantic Canary などと呼び、後者を Domestic Canary と呼ぶ。
分布
野生種はアゾレス諸島、カナリア諸島、およびマデイラ諸島に産し[2] [3] [4] [5]、名のカナリアは原産地のカナリア諸島による。飼養種はほぼ世界中で飼われている。 これら以外に、かご抜けした飼養種がバミューダ諸島、ハワイのミッドウェイ環礁、プエルトリコで再野生化している[3]。
形態
野生種の大きさは翼長20-23cm、体長約12.5cm、体重15-20g 程度。飼養種の大きさもほぼ同程度だが、さらに大きな品種や小さな品種もある。
飼養種は品種により様々な変化に富んだ羽色を呈し、もっともよく見かけるのが、全身がいわゆるカナリア色(カナリアイエロー)で知られた鮮やかな黄色で染まった個体で、この色名は飼養種の呈するこの色にちなんでいる。
これに対して野生種は腹面が煤けた黄緑色、背面に茶色っぽい縞が入った地味な小鳥である。しかし飼養種にも野生種の羽色に近いリザードのような品種もある。詳細は別項参照。
野生種はヨーロッパから北アフリカにかけて分布するセリンと外見が非常に似ているため、分類学の始祖カール・フォン・リンネは本種をセリンの1亜種に分類した。セリンと比較した場合、本種の方が同種より約10%ほど大きい。また羽色は灰もしくは茶色がかり、翼が短くなる。
野生種、飼養種のどちらもセリンやズアオアトリ同様、澄んだ美しい声でさえずる[3][5]。
生態
野生種は海抜1,700mまでの高度にある果樹園や雑木林といった二次林に生息し、木ややぶに巣をかける。[3][5][4][6] IUCN レッドリストの評価は Least Concern であるが、これは背景として世界中で飼われている膨大な数の飼養種があり、それらを含めると個体数は増加しつづけているがゆえである[2]。野生種のみに限定すれば、離島特産種なので個体数は決して多くなく、以下のように推定されている。
- アゾレス諸島: 30,000-60,000 つがい
- カナリア諸島: 80,000-90,000 つがい
- マデイラ諸島: 4,000-5,000 つがい
飼育に際してはつがい、もしくは一羽飼いが基本だが、これは本種に脂肪分に富んだエサを好む傾向があり、同じエサを与えて他のフィンチと一緒に飼うと、他の鳥が脂肪過多を起こすからだとされている。しかし特に脂肪分を多くせず、他のフィンチと同じエサを与えてもそれほど変化はない、とする人もいる。実際によく食べる傾向が見られるのは青菜類で、これらを欠かしてはいけない。飼育下では春から夏にかけて繁殖し、夏の終わりから秋にかけて換羽するが、本種に限らず飼い鳥は換羽期に落鳥しやすいので注意する。また他のフィンチと比較してワクモ(羽ダニ)が付きやすいので、これらにも注意する。
- ^ 遠藤幸子『語源で楽しむ英単語 : その意外な関係を探る』日本放送出版協会、2007年。ISBN 978-4140882153。 NCID BA81284702。
- ^ a b BirdLife International (2004). "Serinus canaria". IUCN Red List of Threatened Species. Version 2006. International Union for Conservation of Nature. 2006年5月12日閲覧。 Database entry includes justification for why this species is of least concern.
- ^ a b c d Clement, P., Harris, A., & and Davis, J. (1993). Finches and Sparrows. Helm ISBN 0-7136-8017-2.
- ^ a b Hagemeijer, W., & Blair, M. J. (1997). The EBCC Atlas of European Breeding Birds. T & A D Poyser. ISBN 0-85661-091-7.
- ^ a b c Snow, D. W. & Perrins, C. M. (1998). The Birds of the Western Palearctic concise ed. Oxford University Press. ISBN 0-19-854099-X.
- ^ Madeira birds: Canary
- ^ 14世紀頃、スペイン人により飼育され始める。『短歌表現辞典 鳥獣虫魚編』(飯塚書店、2冊2001年)p.71.
- ^ 『短歌表現辞典 鳥獣虫魚編』(飯塚書店)p.72.
- ^ 宇田川竜男「飼い鳥の楽しみ方」 西東社 1968
- ^ http://news.bbc.co.uk/onthisday/hi/dates/stories/december/30/newsid_2547000/2547587.stm
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