カッピング療法
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主張される用途
発熱、疼痛、食欲不振、消化不良、高血圧、ニキビ、アトピー性皮膚炎、乾癬、貧血、脳卒中リハビリ、鼻づまり、不妊症、月経困難症など、さまざまな症状に対してカッピング療法が行われている[6]。
作用機序は、ツボに使用することで、何らかの「毒素」「滞った血液」「生命エネルギー」を除去すると主張している[6][7]。
伝統中国医学
中国語でカッピングは拔罐(báguàn)と呼ばれる[24]。伝統中国医学(TCM)では、風邪や肺炎、気管支炎などの呼吸器系疾患を治療するために、滞った血液やリンパの停滞(よどみ)を取り除き、気の流れを良くするために行う[24]。また、背中、首、肩、その他の筋骨格の症状にも使用される[24]。TCMでは、皮膚潰瘍や妊婦の腹部や仙骨部へのカッピングは推奨されない[25]。
手法
詳細は施術者、社会、文化によって異なるが、カップ内の空気を加熱してその後冷却するか、機械的なポンプによって部分的に真空状態にすることで、対象部位に置いたカップに組織を吸引する[26]。伝統的なカップの代わりに、最新の吸引装置が使用されることもある[7]。
カッピング療法の種類には、4つの異なる分類方法がある[27]。1つ目は、「技術的なタイプ」に関するもので、ドライ、ウェット、マッサージ、フラッシュカッピング療法などがある[27]。2つ目は、「吸引力に関するタイプ」に関するもので、軽・中・強程度がある[27]。3つ目は、「吸引方法」に関するもので、火力、手動吸引、電気吸引カッピング療法などがある[27]。4つ目は「カップ内の材料」に関するもので、ハーブ製品、水、オゾン、もぐさ、鍼、磁気カッピング療法などがある[27]。
社会と文化
現在におけるカッピングは、日常生活で治療に使用する有名人やスポーツ選手によって、広められてきた[11]。グウィネス・パルトロウやジェニファー・アニストンなどのハリウッドセレブも、レッドカーペットでローカットのドレスを着て、ファッションの一部としてカッピングのあざを披露している[11]。ハリウッドでは、現代のデトックスブームの流行に乗り、吸引することで体内から何らかの「毒素」を取り除くことが出来ると主張している[11]。
ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)のデマーカス・ウェア選手やオリンピック選手のアレクサンダー・ナドゥール、ナタリー・コーグリン、マイケル・フェルプスなど、アメリカのスポーツ界の有名人もカッピングを使用している[28]。医学博士のブラッド・マッケイは、カッピングを「古代の役に立たない伝統療法」と呼び、オリンピックのアメリカ合衆国選手団は「彼らに続く」かもしれないファンに対して大きな害を与えていると書いている[29]。スティーブン・ノヴェラは、「オリンピックを含むエリート陸上競技が、疑似科学の温床になっているのは残念だ」と指摘している[30]。
水泳選手のマイケル・フェルプスは、2016年のリオデジャネイロオリンピックで、背中にできたカッピングによる紫色のあざが注目された[31][32]。彼は「回復を早める」ために、毎大会前にカッピングを行うことで知られている[32]。
日本でも2023年1月の大相撲で、貴景勝のカッピング痕が話題になった[33][34]。
ジョージ・オーウェルのエッセイ「貧しい者の死に様」にもカッピングの記述があり、彼はパリの病院で時代遅れの施術が自分に行われていることに驚いたという[35]。
フランスにはスライドカッピングと呼ばれる施術があり、セルライトの緩和などに利用されている[36]。
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- 1 カッピング療法とは
- 2 カッピング療法の概要
- 3 主張される用途
- 4 歴史
- 5 関連項目
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