ウェルテル効果
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ウェルテル効果(ウェルテルこうか、英: Werther effect, 独: Werther-Effekt)とは、マスメディアの報道に影響されて自殺が増える事象を指す。これを実証した社会学者ディヴィッド・フィリップス(David P. Phillips)により命名された[1]。特に若年層が影響を受けやすいとされる[1]。「ウェルテル」は、ゲーテ著の『若きウェルテルの悩み』(1774年)に由来する。本作の主人公、ウェルテルは最終的に自殺をするが、これに影響された若者達が、彼と同じ方法で自殺した事象を起源とする[2]。なお、これが原因となり、いくつかの国家でこの本は発禁処分となった[2]。ただし、実在の人物のみならず、小説などによるフィクションの自殺も「ウェルテル効果」を起こすか否かについては諸説分かれている[1]。
注釈
出典
- ^ a b c d e f g h i j “平成15年度厚生科学研究費補助金(こころの健康科学研究事業)自殺と防止対策の実態に関する研究 研究協力報告書”. 2023年7月15日閲覧。
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- ^ 朝倉喬司『自殺の思想、太田出版(2005年)p.83
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- ^ a b c d e 高橋祥友. “情報・通信の活用・マスメディアに望むこと”. 2023年7月15日閲覧。(自殺予防総合対策センター)
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- ^ 自殺報道による「ウェルテル効果」と「パパゲーノ効果」とは? 辛い気持ちを悪化させないための対処法 - リアルライブ 2020年10月3日
- ^ 三浦春馬さんの死と、昨年の女性の自殺増加とはどう関わっているのだろうか - 月刊『創』編集長篠田博之コラム 2021年1月30日
- ^ “「有名人の自死がショックで何も手につかない」…中野信子が教える「あなたに必要な“4段階”」”. 週刊文春WOMAN (2021年1月3日). 2012年12月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年7月15日閲覧。
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- ^ 自殺報道ガイドラインを踏まえた報道の呼びかけ(著名人の自殺の可能性に触れる報道について 5/5) - 一般社団法人 いのち支える自殺対策推進センター 2022年5月5日 (PDF)
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- ^ 自殺に関する報道にあたってのお願い(令和5年5月18日) - 厚生労働省 2023年5月18日 (PDF)
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- ^ JSCP 啓発・提言等
- ^ 5月11日に逝去された著名人の報道に関して 『自殺報道ガイドライン』に反する報道・放送が散見されることを踏まえ、 再度、自殺報道に関する注意喚起をさせていただきます。 - 厚生労働省 2022年5月11日 (PDF)
- ^ 上島竜兵さん死去後に「自宅前中継」 フジ・テレ朝の報道に「何の意味があるんだ?」 - J-CAST ニュース 2022年5月11日
- ^ 極端な選択に関する報道に、私たちはどう対処すべきか? - The HEADLINE 2022年5月11日
- ^ “韓国自殺予防協会、有名人自殺による‘ウェルテル効果’憂慮”. 中央日報 (2008年9月9日). 2016年3月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年7月15日閲覧。
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- ^ 韓国、憎悪コメント対策強化求める声が高まる 有名人の自殺相次ぎ - BBCニュース 2022年2月9日
- ^ a b c d e “俳優ロビン・ウィリアムズさんの死後、後追い自殺が増加=米研究 - ロイター芸能ニュース - カルチャー:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル. 2022年8月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年8月16日閲覧。
- ^ a b c d “米国の自殺者、ロビン・ウィリアムズさん死後10%の急増”. CNN.co.jp. 2022年8月16日閲覧。
- 1 ウェルテル効果とは
- 2 ウェルテル効果の概要
- 3 関連項目
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