ウィルコム沖縄 概説

ウィルコム沖縄

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/09/28 22:44 UTC 版)

概説

2004年12月3日設立。当初は、DDIポケットアステル沖縄が共同で事業展開する予定だった。しかし、各地域アステルグループの全国ローミングの終了決定に伴い、「外部環境の変化」を理由にアステル沖縄が会社清算を発表。沖縄電力DDIポケット・アステル沖縄の三社の協議により、受け皿として、沖縄電力・旧DDIポケット共同出資のウィルコム沖縄を設立。2005年1月25日にアステル沖縄からウィルコム沖縄に全事業を譲渡し、営業開始した。

アステルブランドのPHS事業を行っていたアステル沖縄の営業譲受を目的として設立された経緯から、アステル沖縄の親会社の沖縄電力も会社設立の時点で20%出資していた。2005年3月31日付けで琉球放送が6%を出資し、沖縄電力は14%に引き下げた。その後、2019年3月までにソフトバンクが全株式を取得し完全子会社化した[2]

主な業務は株式会社ウィルコム(→Y!mobile)の端末やサービスの再販業務である。料金収受や企画、サポートは、ソフトバンク(旧・ソフトバンクモバイル←ワイモバイル←イー・アクセス←ウィルコム←DDIポケット)本体が行う。この点はKDDIにおける「沖縄セルラー電話株式会社」と異なる。

2010年2月のウィルコムによる会社更生法申請について、同社子会社は申請しておらず、ウィルコム沖縄の事業については対象外で影響はないと発表していた。ただし、ウィルコム本社(当時)と兼任の役員は、本社の役員の退任と共に退任している。

アステル沖縄から引き継いだ契約数は約32,600契約。2011年10月末の時点で、加入件数は71,200件。

2011年6月の時点で、県内でのシェアは約5パーセント[3]。なお、ウィルコム本体の全国でのシェアは2011年11月時点で約3パーセントである[4]

2012年3月期決算は過去最高を記録。営業収益は34億円、経常利益は2.4倍の3億8700万円、当期純利益は2.2倍の2億1800万円となり、それぞれ過去最高となった[5]

2014年6月1日付で親会社がウィルコムを吸収合併したイー・アクセス株式会社(同年7月1日付でワイモバイルに社名変更)に変わった。同年8月1日にはイー・アクセスが展開していた「イー・モバイル」とのブランド統合に伴い、ブランド名が「Y!mobile」に変更されると共に、旧イー・アクセスが担っていた沖縄県内の移動体通信の契約もウィルコム沖縄が担当することとなった[6]。ただし、イー・アクセス旧契約は引き続きワイモバイル(現在はソフトバンク)が担当し、イー・アクセスの旧プランとなる端末の契約もソフトバンクとの契約になる(よって、ウィルコム沖縄は、旧ウィルコムブランドの契約とY!mobileブランド移行後の契約を手掛ける形となる)。なお、EMOBILE 4G-Sなど、Y!mobileブランドへ移行後のプランへの変更に際し、機種変更や契約変更なしで行える場合は、プラン変更後の契約会社がソフトバンクからウィルコム沖縄に変更となる。また、利用料金等は、ソフトバンクへ債権譲渡を行うため、ソフトバンクから行われる(旧EMOBILE 4G-Sなどと同様)。

2015年4月1日付で、ワイモバイルがソフトバンクモバイルに吸収合併されたため、以後の親会社がソフトバンクモバイル(同年7月ソフトバンクに商号変更)に変更された。

2018年3月31日、ソフトバンクとウィルコム沖縄が、PHS事業の新規契約受付を終了した[7]

2021年1月31日にPHSの音声通話・データ通信サービスは法人向けテレメトリングサービスを除いて全て終了した[8]

2022年4月1日にソフトバンクに吸収合併される形で解散した。これにより「ウィルコム」の名称が名実共に消滅したほか、前身のアステル沖縄から続いてきた沖縄の地域通信事業会社の1社が消滅することになった。なお、沖縄でのY!mobile事業は合併したソフトバンク本体が継続して提供する[9]


  1. ^ a b c 株式会社ウィルコム沖縄 第17期決算公告
  2. ^ a b ウィルコム沖縄 完全子会社移行/ソフトバンク | 沖縄タイムス紙面掲載記事” (日本語). 沖縄タイムス+プラス (2019年4月4日). 2019年10月3日閲覧。
  3. ^ 人口普及率87%に 携帯・PHS県内契約数
  4. ^ 2011年10月末現在 事業者別契約数
  5. ^ ウィルコム沖縄、過去最高益 12年3月期
  6. ^ 公開情報(ウィルコム沖縄)
  7. ^ a b http://k-tai.watch.impress.co.jp/docs/news/1055943.html
  8. ^ a b 株式会社インプレス (2021年2月1日). “[特集:ケータイ Watch20周年 【今日は何の日?】ウィルコムが誕生した日]” (日本語). ケータイ Watch. 2021年2月1日閲覧。
  9. ^ a b 完全子会社である株式会社ウィルコム沖縄の吸収合併(簡易合併・略式合併)に関するお知らせ,ソフトバンク株式会社,2021年12月22日
  10. ^ “<くとぅば清らさ ちむ清らさ>仲本栄章さん(66)ウィルコム沖縄社長”. 琉球新報. (2014年3月22日). http://ryukyushimpo.jp/movie/prentry-221872.html 2016年8月15日閲覧。 
  11. ^ 全携帯と通話無料 ウィルコム沖縄琉球新報
  12. ^ 契約数4万件台回復 ウィルコム沖縄琉球新報
  13. ^ ウィルコム沖縄、過去最高益 12年3月期沖縄タイムス[リンク切れ]
  14. ^ ウィルコム沖縄、新イメージガールに真玉橋さやが就任!ヒガリノも名誉イメージガールにWalkerplus 2011年4月17日
  15. ^ ウィルコム夏の学生さんキャンペーンのご案内プラスモバイル
  16. ^ 新イメージガールに16歳の慶田リナさん ウィルコム沖縄 4月からCM沖縄タイムス、2017年3月28日)
  17. ^ 新イメージガールに安室さん ワイモバイル沖縄 宮古・石垣からも選出(沖縄タイムス、2019年4月1日)






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