インフィニティ・ガントレット インフィニティ・ガントレットの概要

インフィニティ・ガントレット

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/13 18:37 UTC 版)

インフィニティ・ガントレット The Infinity Gauntlet
出版情報
掲載間隔月刊
形態リミテッド・シリーズ
ジャンルスーパーヒーロー
掲載期間7月 – 12月 1991年
話数6
主要キャラサノス
シルバーサーファー
アダム・ウォーロック英語版
ネビュラ
製作者
ライターJim Starlin
ペンシラーGeorge Pérez
Ron Lim
インカーJosef Rubinstein
Tom Christopher
Bruce N Solotoff
レタラーJack Morelli
着色Max Scheele
Ian Laughlin
編集者Craig Anderson
コレクテッド・エディション
1st Ed TPB (1992)ISBN 0871359448
2nd Ed TPB (2006)ISBN 0785123490
3rd Ed TPB (2011)ISBN 0785156593
HC Edition (2010)ISBN 0785145494
Omnibus (2014)ISBN 078515468X

異星人の虚無主義者サノスが6個の「インフィニティ・ジェム」を集め、自らのガントレット[† 3]にはめ込んだところで本作は幕を開ける。すべてのジェムのパワーを手にしたことで神同然の地位に昇ったサノスは、死が具現化した存在であるミストレス・デスの愛を勝ち取ろうとする。サノスはそのパワーをもって全宇宙の生命体の半数に死をもたらし、アダム・ウォーロック英語版は生き残った地球のヒーローを糾合して戦いを挑む。その後、「インフィニティ・ガントレット」がサノスの孫娘ネビュラの手に落ちると、サノスはヒーロー側について奪還を試みる。最終的にガントレットを手にしたのはウォーロックであった。サノスが引き起こした死と破壊はガントレットのパワーで修復された。

本作のルーツは1970年代にさかのぼる。当時マーベル社で原作と作画を兼務していたスターリンは、作品中でサノスやインフィニティ・ジェムといったアイディアを展開していた。スターリンは1990年に『シルバーサーファー』第3シリーズ第34号から同誌の原作者に就任し、ペンシラーのリムとともに16号にわたって執筆をつづけた。そのストーリーは全2号のサイドシリーズ『サノス・クエスト』に発展し、そして本作『インフィニティ・ガントレット』に結実した。本作の作画は第4号まで人気作家ペレスが担当したが、ペレスがスケジュール的な問題を抱えており、ストーリーにも不満があったことでリムに交代した。

本作はマーベル社のトップセラーとなり、直後に続編『インフィニティ・ウォー (Infinity War)』(1992年)および『インフィニティ・クルセイド (Infinity Crusade)』(1993年)が作られた。本作の出来事はマーベル社の作中世界で大きな事件となっており、初出から三十年近く経ってなお言及されることがある。ファンの間での人気も依然として高く、再版本や関連商品の発売が断続的に続いている。本作の題材やプロットはビデオゲームアニメシリーズで何度も再利用されており、2018年の映画『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』にも本作の内容が取り入れられている。


  1. ^ 定期的に刊行されるが、終了号があらかじめ決められているコミックブック・シリーズ。その中でも短いものはミニシリーズと呼ばれる。またこれに対し、号数を限定せず、廃刊されない限りいつまでも続くものはオンゴーイング・シリーズ英語版またはレギュラーシリーズと呼ばれる。
  2. ^ "tie-in issues"、クロスオーバー関連号。
  3. ^ 籠手、もしくは長手袋。
  4. ^ 制作者が著作権を保有する作品。アメリカのメインストリーム・コミック界では一般的ではないが、大手出版社がクリエーター・オウンド作品専門のインプリントを設立することもある[7]Dreadstar はマーベルのインプリントエピック・コミックス英語版から刊行された。
  5. ^ 月刊コミックブックの特別号で、年刊で発行されるもの。
  6. ^ マーベル社は1989年にロナルド・ペレルマンの会社マクアンドリューズ&フォーブスによって買収された[14]
  7. ^ それまでにもマーベル社のキャラクターは互いに関わり合いを持ってきたが、そのようなストーリーはいずれかのキャラクターの個人タイトルで完結するのが普通であり、他の月刊タイトルのスケジュールやプロットに直接影響を与えることはまれだった。1985年の『シークレット・ウォーズII』はマーベル社で初めて月刊タイトルとのクロスオーバーを行ったリミテッド・シリーズであった。それ以後、月刊タイトル間のクロスオーバーが行われる頻度は増えていったが、『シークレット・ウォーズII』の刊行形態が再び採用されたのは『インフィニティ・ガントレット』が初めてだった[13]
  8. ^ コミックブック制作では、原作者と作画家の間で密な共作が行われる場合もあれば、分業に近い場合もある。「マーベル・メソッド」と呼ばれる制作形態では、作画家にもある程度ストーリーの決定権や創意の余地が与えられる。完全なスクリプトを作製する方式では、作画家にとっての自由度が狭められる。
  9. ^ 当時コミック専門店の多くはバーコードリーダー英語版を導入していなかった。また出版社にとっては、このような相違点があると異なる版を見分けやすいのも利点だった。ニューススタンドは売れ残ったコミックブックを返品して払い戻しを受けることができたが、専門店にはそれが許されていなかった[24]
  10. ^ 本作と同年の1991年に刊行されたDC社の作品。
  11. ^ コミックのプライス・ガイドは複数の発行元から出されており、それらは必ずしも一致しないので、価格が落ち着いた時期やその値は正確に決められない。
  12. ^ このフィギュアセットのサノスは既存製品のリペイントである。先行版でもインフィニティ・ガントレットは付属していた。


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