インドの教育 インドの教育の概要

インドの教育

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/06 03:25 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動
インドの教育
教育監督機関
詳細
主要言語: ヒンディー語英語、または各州ごとの公用語
識字率 (2011[1]年)
総計: 74%
男性: 82%
女性: 65%

は古くからの伝統を持つが、現在行われている教育は伝統的なものからかなり離れている。インドには、世界でも一定の評価を得ている大学がある一方で、識字率100%を目指した初等教育の試みは長い間の試練を経験している。貧しい子供たちを学校に継続して通わせる努力、そして非都市部における教育の水準を保つ努力が継続されてきた。しかし、初等教育における国民皆教育は、これをほぼ達成しているケーララ州を除き、全インド的に見れば達成は未だ困難な状況にある。このため、初等教育から高等教育まで、すべての水準の教育に政府が強力な財政的支援を行っている。

教育制度

インドの学校制度は、就学前教育(preprimary)、初等教育(primary)、前期中等教育(middle)、後期中等教育(secondary / high school)、高等教育(higher levels)に分けられている。就学前教育にを受け持つ高等学校(secondary school / high school)は、14歳から18歳までの生徒が通っており、第9学年から第12学年により構成されている。インドの高等教育は、インド技術学校などの専門学校、単科大学、総合大学により、分野を特化した教育を受ける機会が与えられている。

インドの学校は、以下の機関の管轄下にある。

  • 後期中等教育中央審議会(The Central Board of Secondary Education / CBSE)
  • インド学校認定試験協議会(The Council for the Indian School Certificate Examinations / CISCE)
  • 各州政府

上記の管轄下にない学校として、インターナショナル・スクールが挙げられる。これは欧米の教育課程に沿った教育を施す学校であり、主に移民の子女やインドの裕福な家庭の子女が通っている。ただし、試験はCISCEの定めたものに合ったものが行われる。

初等教育・前期中等教育

学校の子供たち(コーチ
後期中等教育の女学生(デリー)

第八次五カ年計画において、初等教育の普及という目標は、「機会の普及」「継続の普及」「修学の普及」という三つの重点事項に分けて計画された。機会の普及とはどの子供にも教育を受ける機会が与えられるようにすること、継続の普及とは子供たちが継続して教育を受けるようにすること、修学の普及とは教育を継続して受けて課程の修了まで通学するようにすることである。この計画の結果、インドの非都市部において小学校および上級小学校の設置が行われ、2000年末には小学校が児童の自宅から1km以内にある比率が94%になり、また上級小学校が3km以内にある比率が84%になった。また、指定カースト指定部族、そして女子の小学校および上級小学校への就学が、第一次五カ年計画当時に比べると劇的に改善した。1950年度に小学校へ就学する児童は310万人に過ぎなかったのに対し、1997年度には3950万人になった。また、小学校および上級小学校の数は、1950年度には22万3000校であったのに対し、1996年度には77万5000校となった。2002年度の6歳から14歳までの児童の就学率は82%であり、インド政府は2010年度までに100%を達成する計画である国民皆教育戦略(सर्व शिक्षा अभियान : Sarva Shiksha Abhiyan)を展開中である。 新学期は4月。但し実質的は4月〜5月は夏休みが入る為6月からの新学期となる。

この他にインド政府が採っている初等教育政策には、以下のようなものがある。

  • 父と母の意識改革
  • 地域の協力意識の醸成
  • 経済的な支援策
  • 必修学習水準の維持(Minimum Levels of Learning / MLL)
  • 県自治体初等教育計画の作成(District Primary Education Programme / DPEP)
  • 初等教育における栄養摂取支援国家計画の実行(給食政策)
  • 初等教育の権利および義務を明記する憲法改正案
  • 初等教育の国の責任化
  • インド政府人材開発相を座長とする各州教育相の全国会議の開催
  • 情報媒体の普及支援策

後期中等教育

インドの主要都市には、国民の大多数である労働者の家庭を対象とした公立の高等学校が数多く設置されている。教育はその学校が設置されている地方の言葉により行われるが、特に大都市においては英語により授業が行われる学校もある。公立の高等学校は政府から充分な助成金を得ており、また教科書やノート、その他の文房具まで支給される場合もある。州が定める教育課程に従って教育が行われる。

一方、後期中等教育を行う私立の学校も、数多く存在する。この場合、州の教育課程に従う場合もあるが、何らかの国際的な資格基準に合った独自の教育課程を有するものもある。水準の高い高等学校は、修了すると多くの場合、国際バカロレア資格Aレベルなどの国際的な修了資格も取得できる。

高等教育

インド工科大学カラグプル校
インドの大学一覧は大学一覧のインドの項目を参照

インドにおいては、人材開発省の指導により、高等教育の整備が強力に促進され、組織された。「中央大学」(Central universities)と呼ばれる18の国立大学があり、その他の大学はほとんどが州立大学である。国立大学はインド政府の直接の管轄であり資金が比較的豊富に供給されるため、他の大学よりも重視され優位を占めている。私立学校も近年、果敢に高等教育に参入している。

国立のインド工科大学はインド内でも最高の評価を受ける高等教育機関であり、インド国内ではマサチューセッツ工科大学カリフォルニア工科大学に匹敵すると自負される。また、インド国立法科大学ローズ奨学生を輩出する名門であり、全インド医科大学はインド国内で最高の医科大学と言われる。インド商科大学院インド経営大学院なども評価が高い。

統計

学位非保持者
種別 該当者数
総計 502,994,684
学位に相当しない非技術系課程修了者 386,146
学位に相当しない技術系課程修了者 3,666,680
上級中等学校、中級学校、大学準備課程、後期中等学校修了者 37,816,215
大学入学資格者、中等学校修了者 79,229,721
中学校修了者 90,226,846
小学校修了者 146,740,047
小学校以下 144,831,273
その他 97,756
学位保持者
学位 保持者数
総計 37,670,147
非技術系博士 6,949,707
非技術系学士 25,666,044
理学・工学 2,588,405
教育学 1,547,671
医学 768,964
農学・酪農学 100,126
獣医学 26,642
その他 22,588

  1. ^ Census 2011: population pegged at 1,210.2 million”. The Hindu (2011年3月31日). 2013年4月2日閲覧。


「インドの教育」の続きの解説一覧



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「インドの教育」の関連用語

インドの教育のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



インドの教育のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのインドの教育 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS