イギリス王室 公務

イギリス王室

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/26 22:57 UTC 版)

公務

イギリス王室が抱えている公務は、毎年3000件以上にのぼる[1]

2016年現在、イギリス王室で公務を分担する王族は20人を数える。王室で生まれた王子や王女はもとより、男性王族に嫁いできた女性たちもすぐに公務に携わるようになる。この20人の王族のうち、実にその半数の10人が女性王族で、彼女たちだけで900に近い団体の長を務めている[1]

イギリス王族の人物一覧

バッキンガム宮殿のバルコニーに姿を現したウィンザー家の人々(2023年6月)

イギリスと他の英連邦王国14ヶ国の国家元首の地位にあるのは、国王チャールズ3世である。チャールズは王室の当主である。彼はエリザベス2世の長男であり、ジョージ6世の初孫息子である。2023年現在、彼には2人の子供(2男)と5人の孫(3男2女)がいる。

狭義の王族のリスト

英国で現在、陛下または殿下の敬称を名乗っている、もしくは名乗る権利がある人々は、次の通りである。国王、王妃のみが His/Her Majesty を冠して呼ばれ、その他はエディンバラ公爵(エリザベス2世第3王子)ならびにサセックス公爵(チャールズ3世第2王子)の子供を除き His/Her Royal Highness の敬称を冠して呼ばれている。

エディンバラ公爵夫妻の長女ルイーズ及び長男ジェームズは、1917年の勅許状によると、王子・王女の身分と殿下の敬称を名乗る権利を持っているが、ウェセックス伯爵(当時)夫妻の結婚時に、夫妻の希望を汲む形で、エリザベス2世が「ウェセックス伯爵夫妻の子供は、王子・王女の身分と殿下の敬称を名乗らない」と宣言したため、この身分と敬称を用いない。ルイーズは、The Lady Louise Windsor(ルイーズ・ウィンザー令嬢)という一般的な伯爵の娘としての名称を呼ばれている。ジェームズは、父がエディンバラ公爵位を授爵したことから継嗣として「ウェセックス伯爵」の儀礼称号を称しており、敬称はLord()を用いる。

サセックス公爵夫妻の長男アーチー及び長女リリベットは、生誕時に曾祖母の女王エリザベス2世が存命であったため、1917年の勅許状によると、王子・王女の身分と殿下の敬称を名乗る権利を持っていない状態にあった。2022年9月8日現在、「国王の孫」となったため王子・王女の身分と殿下の敬称を名乗る権利を有することとなり、2023年3月9日に正式に王子・王女の身分を名乗ることとなった(ただし、殿下の敬称は使用していない)。

国王

歴代 肖像 誕生 即位 在位期間 続柄
ウィンザー朝
第5代
チャールズ3世 Charles III 1948年11月14日(75歳) 2022年9月8日 1年293日 女王エリザベス2世第1王子

王妃、国王の子女とその家族

現年齢 現国王から
見た続柄
王位継承
順位
カミラ 76歳 王妃
ウィリアム(プリンス・オブ・ウェールズ) 42歳 第1王子
/ 生母はダイアナ妃
1位
キャサリン(プリンセス・オブ・ウェールズ) 42歳
ジョージ・オブ・ウェールズ 10歳 孫/ ウィリアム王子の長男 2位
シャーロット・オブ・ウェールズ 9歳 孫/ ウィリアム王子の長女 3位
ルイ・オブ・ウェールズ 6歳 孫/ ウィリアム王子の次男 4位
ヘンリー (サセックス公) 39歳 第2王子
/ 生母はダイアナ妃
5位
メーガン (サセックス公爵夫人) 42歳
アーチー 5歳 孫/ ヘンリー王子の長男
/ 生誕時は「王の嫡男系以外の曾孫」のため殿下の称号無し
6位
リリベット 3歳 孫/ ヘンリー王子の長女
/ 生誕時は「王の嫡男系以外の曾孫」のため殿下の称号無し
7位

国王の兄弟とその家族

現年齢 現国王から
見た続柄
王位継承
順位
アンドルー王子 (ヨーク公) 64歳 国王の長弟
/エリザベス2世の第2王子
8位
ベアトリス王女 35歳 姪/ アンドルー王子の長女
/ 生母はセーラ元妃
9位
ユージェニー王女 34歳 姪/ アンドルー王子の次女
/ 生母はセーラ元妃
11位
エドワード王子 (エディンバラ公爵) 60歳 国王の末弟
/エリザベス2世の第3王子
14位
ソフィー (エディンバラ公爵夫人) 59歳
ジェームズ (ウェセックス伯爵) 16歳 甥/ エドワード王子の長男 15位
ルイーズ・ウィンザー 20歳 姪/ エドワード王子の長女 16位
アンプリンセス・ロイヤル 73歳 国王の妹
/エリザベス2世の第1王女
17位

エリザベス2世の従兄弟とその妻

現年齢 現国王から
見た続柄
リチャード (グロスター公) 79歳 従叔父 / ジョージ5世の三男の次男(孫)
バージット (グロスター公爵夫人) 78歳
エドワード (ケント公) 88歳 従叔父 / ジョージ5世の四男の長男(孫)
キャサリン (ケント公爵夫人) 91歳
マイケル・オブ・ケント王子 81歳 従叔父 / ジョージ5世の四男の次男(孫)、ケント公爵の弟
マリー=クリスティーヌ (マイケル王子夫人) 79歳
アレクサンドラ王女 87歳 従叔母 / ジョージ5世の四男の長女(孫)、ケント公爵の妹

元王族

王子と結婚し、プリンセス (princess) の身分とHer Royal Highnessの敬称を得たが、その後離婚した人物は、以下の通り(存命のみ)。

なお、チャールズ(ウェールズ大公)の最初の妻で1996年に離婚したダイアナ・スペンサーは、離婚後もイギリス王室の一員であると見なされ、王族としての責務を果たした。王室は、彼女が「ウェールズ大公妃」(プリンセス・オヴ・ウェールズ)を名乗り続けること、そしてケンジントン宮殿に住み続けること (Grace and Favour)に同意した。[要出典]これは一般に女性が離婚後も前夫の名字を名乗り続ける慣行による。

広義の王族のリスト

次の人物は、1917年の勅許状によると王子・王女の身分が与えられず、殿下の敬称を名乗る権利がなく、実際に名乗っていないが、王族として扱われることがある。

  • ベアトリス王女の家族
    • エドアルド・マペッリ・モッツィ - ベアトリス王女の夫
      • シエナ・マペッリ・モッツィ-ベアトリス王女夫妻の長女・王位継承順位10位
  • ユージェニー王女の家族
    • ジャック・ブルックスバンク - ユージェニー王女の夫
      • オーガスト・ブルックスバンク - ユージェニー王女夫妻の長男・王位継承順位12位
      • アーネスト・ブルックスバンク-ユージェニー王女夫妻の次男・王位継承順位13位
  • アン第一王女の家族
  • マーガレット王女の子供とその家族
  • グロスター公爵リチャード王子の子供とその家族
  • ケント公爵エドワード王子の子供とその家族
    • ジョージ・ウィンザー (セント・アンドルーズ伯爵) - ケント公爵夫妻の長男
    • シルヴァナ・ウィンザー(セント・アンドルーズ伯爵夫人) - セント・アンドルーズ伯爵ジョージの妻
    • ヘレン・テイラー - ケント公爵夫妻の長女
    • ティモシー・テイラー - ヘレン・テイラーの夫
      • コロンバス・テイラー - テイラー夫妻の長男
      • キャシウス・テイラー - テイラー夫妻の次男
      • エロイズ・テイラー - テイラー夫妻の長女
      • エステラ・テイラー - テイラー夫妻の次女
    • ニコラス・ウィンザー - ケント公爵夫妻の次男
    • パオラ・ウィンザー - ニコラス・ウィンザーの妻
      • アルバート・ウィンザー - ニコラス・ウィンザー卿夫妻の長男
      • レオポルド・ウィンザー - ニコラス・ウィンザー卿夫妻の次男
      • ルイス・ウィンザー - ニコラス・ウィンザー卿夫妻の三男
  • マイケル王子(マイケル・オブ・ケント)の子供
    • フレデリック・ウィンザー - マイケル王子夫妻の長男
    • ソフィー・ウィンザー - フレデリック・ウィンザーの妻
      • モード・ウィンザー - フレデリック・ウィンザー卿夫妻の長女
      • イザベラ・ウィンザー - フレデリック・ウィンザー卿夫妻の次女
    • ガブリエラ・ウィンザー - マイケル王子夫妻の長女
  • アレクサンドラ王女(レディ・オギルヴィ)の子供とその家族
    • ジェームズ・オギルヴィ - アンガス・オギルヴィ夫妻の長男
    • ジュリア・オギルヴィ - ジェームズ・オギルヴィの妻
      • フローラ・オギルヴィ - ジェームズ・オギルヴィ夫妻の長女
      • アレクサンダー・オギルヴィ - ジェームズ・オギルヴィ夫妻の長男
    • マリナ・オギルヴィ - アンガス・オギルヴィ夫妻の長女
      • ゼノースカ・モワット - マリーナ・オギルヴィと元夫ポール・モワットとの長女
      • クリスチャン・モワット - マリーナ・オギルヴィと元夫ポール・モワットとの長男

王女と結婚したが、その後離婚した人々は、以下の通り(存命のみ)。

家系図

  • 赤枠の人物は、存命中。
  • 黒枠の人物は、故人。
  • 太枠の人物は、イギリス君主の子女。
注釈
  1. ^ 国王エドワード8世1936年の退位後、ウィンザー公爵となった。

注釈

  1. ^ 「天皇+皇族=皇室」と同様に「国王+王族=王室」である
  2. ^ 字下げ(インデント)は子の世代を表す。

出典

  1. ^ a b c 君塚直隆「ヨーロッパ王室における「譲位」の現状」『中央公論』2016年9月号 p.46
  2. ^ Succession”. royal.uk. 2021年8月4日閲覧。
  3. ^ a b “Who's who in the House of Windsor: Queen Elizabeth II's line of succession”. CNN. (2021年6月7日). https://edition.cnn.com/2020/02/14/world/royal-family-line-of-succession-whos-who/index.html 2020年8月4日閲覧。 
  4. ^ The Line Of Succession”. www.debretts.com. 2021年8月4日閲覧。
  5. ^ The Royal Family”. royal.uk. 2021年8月3日閲覧。
  6. ^ Lord Chamberlain's Diamond Jubilee Guidelines”. 2013年1月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年10月11日閲覧。
  7. ^ “Just How Rich Are Queen Elizabeth And Her Family?”, Forbes , (2011年4月22日), http://www.forbes.com/sites/luisakroll/2011/04/22/just-how-rich-is-queen-elizabeth-and-her-family/ 2011年9月3日閲覧。 
  8. ^ Annual Reports of Duchy of Lancaster, Duchy of Lancaster, http://www.duchyoflancaster.com/management-and-finance-2/accounts-annual-reports-and-investments/ 2011年8月14日閲覧。 
  9. ^ Annual Reports of Duchy of Cornwall, Duchy of Cornwall, http://www.duchyofcornwall.org/managementandfinances_finances_analysis.htm 2011年8月14日閲覧。 
  10. ^ Cassell Bryan-Low, Alistair MacDonald, Jeanne Whalen (2011年4月29日). “結婚式で節目迎える英国「王室株式会社」”. WSJ日本版. オリジナルの2011年5月1日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20110501234225/http://jp.wsj.com/Life-Style/node_230012 2020年3月11日閲覧。 





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