アルゼンチン人 言語

アルゼンチン人

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/06/27 05:43 UTC 版)

言語

アルゼンチンでは公用語となっているスペイン語を話す人が多数を占めるが、少なくとも40の言語がある。少なくとも10万人が話す言語の中に南ケチュア語グアラニー語マプチェ語や、移民の出身地の母国語であるドイツ語、イタリア語、アラビア語のレバント方言も含まれる[22]

AbiponとChaneという2つの母国語は消滅してしまった。Vilela、Puelche、Tehuelche、Selknamという高齢者が話すが、その子供たちは話さないので消滅の危機に瀕している言語もある。

他の母国語を話す集団は、ブエノスアイレスに住んでいる人が多い6万人を超える中国人移民の、少なくとも半分の人が話している中国語を話す集団や、ブエノスアイレス地区のピグエにあるオクシタン語の集団がいる。

ウェールズ語もチュブト地区で35000人を超える人が話している。このウェールズ語は1865年にウェールズ人がアルゼンチンに移動し始めてから広まったパタゴニア方言のウェールズ語も含まれている。

宗教

キリスト教徒がアルゼンチン人の大半を占める。CONICETによる宗教に関する調査によると、約76.5%のアルゼンチン人はカトリック教徒で、11.3%は宗教に無関心で、9%がプロテスタント(7.9%のペンコテステ派も含む)、1.2%のエホバの証人、0.9%のモルモン教徒という結果が出ている[23]

ユダヤ人はアルゼンチン人の1%以下しかいないが、ブエノスアイレスはニューヨークに次ぐアメリカ大陸の中で2番目にユダヤ教徒が多い都市である。

また、アルゼンチンはラテンアメリカの中でイスラム教徒が最も少ない国である。

他国への移住

アルゼンチン国外へ移住するアルゼンチン人の多くは中産階級もしくは上流階級の人である。公式の情報によると外国には60万人のアルゼンチン人がいて、International Organization for Migrationによる情報では2001年以来、計約806369人の人たちがアルゼンチン国外に渡った。彼らの子孫は約190万人と言われている。まず、1976年~1983年に渡る軍事政権中に大きな移民の波があり、主にスペイン、アメリカ合衆国、メキシコ、ベネズエラへと渡った。

最後の大きな移民の波は2001年のアルゼンチン通貨危機の時に起こり、ヨーロッパ、とくにスペインへ移住した。同時にブラジル、チリ、パラグアイなど近隣諸国への移住も増えた。

ヨーロッパ

アルゼンチンからヨーロッパ諸国への出国(特にスペインやイタリア)する人たちの割合は1970年代後半~1989年代前半にかけてピークを迎えたが、これはとても顕著であった[24][25]

ヨーロッパではスペインとイタリアで最も大きなアルゼンチン人のコミュニティーが誕生し、フランス、イギリス、ドイツでも同様の大きなコミュニティーが誕生した。

アメリカ大陸諸国

移住先として人気の国はアメリカ合衆国、メキシコ、カナダである。それには及ばないものの、ウルグアイやブラジル、チリ、パラグアイ、ボリビアやベネズエラ、ペルー、コロンビア、エクアドル、コスタリカ等同じラテンアメリカの国々へ移住した人たちもいる。

アジア

イスラエルはアジアの中でアルゼンチン系ユダヤ人の移住が最も多い国である。

オセアニア

オーストラリアはオセアニアの中で最大のアルゼンチン人コミュニティーがある。次いでニュージーランドのコミュニティーが大きい。


  1. ^ "United Nations population prospects"(PDF) 2015 revision
  2. ^ a b c d e f g h i j k Perfil migratorio de Argentina 2012. Buenos Aires: International Organization for Migration. (2012). p. 184. ISBN 978-92-9068-657-6. http://www.iom.int/files/live/sites/iom/files/pbn/docs/Perfil-Migratorio-de-argentina-2012.pdf 2013年3月2日閲覧。 
  3. ^ http://www.ine.es/jaxi/Datos.htm?path=/t20/e245/p04/provi/l0/&file=00000010.px
  4. ^ EXCLUSIVO: OS NÚMEROS EXATOS E ATUALIZADOS DE ESTRANGEIROS NO BRASIL.”. 2015年3月29日閲覧。
  5. ^ (PDF) Religion in Latin America: Widespread Change in a Historically Catholic Region. Pew Research Center. (13 November 2014). pp. 14, 162, 164. http://www.pewforum.org/files/2014/11/Religion-in-Latin-America-11-12-PM-full-PDF.pdf 2015年7月28日閲覧。 
  6. ^ Archive.org
  7. ^ Archive.org
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  9. ^ PRB
  10. ^ UN Demographic Yearbook, 2007
  11. ^ Life expectancy at birth, total (years) | Data | Table”. data.worldbank.org. 2016年1月30日閲覧。
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  13. ^ http://www.iigg.fsoc.uba.ar/docs/dt/dt14.pdf[リンク切れ]
  14. ^ Argentina”. 2015年3月29日閲覧。
  15. ^ Travelocity Travel: Vacations, Cheap Flights, Airline Tickets & Airfares”. 2015年3月29日閲覧。
  16. ^ a b INDEC
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  20. ^ Argentina. The World Factbook. 2008”. 2015年3月29日閲覧。
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  22. ^ Gordon, Raymond G., Jr. (ed.), 2005. Ethnologue: Languages of the World, Fifteenth edition. Dallas, Tex.: SIL International. Online version: Languages of Argentina, Retrieved on 2007-01-02.
  23. ^ Encuesta CONICET sobre creencias” (PDF). 2010年4月25日閲覧。
  24. ^ ISRAELY/Feltre, JEFF (2003年1月12日). “Argentine's reclaim Italian roots - TIME”. TIME.com. http://www.time.com/time/magazine/article/0,9171,901030120-407301,00.html 2015年3月29日閲覧。 
  25. ^ Version 1”. 2015年3月29日閲覧。


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