むずむず脚症候群 推定患者数

むずむず脚症候群

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/11 14:31 UTC 版)

推定患者数

  • 日本国内の患者数は、推定で人口の3~4%
  • 40歳以上の中高年、特に女性に多い(男女比2:3)
  • 症状が進むと、不安や抑うつなどの精神障害を合併することがある。
  • RLSという疾病に対する認知度の低さからもっと多くの患者が潜在しているとも考えられ、この顕在・潜在患者を含めると約500万人近く存在するとも推測される。
  • 不眠症患者の10人に1人の割合で、RLSの人がいるといわれている。

社会的認知度

日本の医師の間では非常に有名な疾患であった。海外では米国のエクボン症候群の名前が用いられるが、そもそもこの疾患は日本睡眠学会を中心に周期性四肢運動障害及び前駆症状として、日本の大阪大学の杉田義郎教授らが中心となって研究を続けてきた症候群だからである。日本睡眠学会の会員が多いことも医師の間でこの疾患が有名な一因であろう。ただし、「むずむず脚病」はややマスコミ用語で、もともとは周期性四肢運動障害前駆症状群もしくはレストレス・レッグス症候群と呼ばれていた疾患である。

しかし、マスコミが報道しないと一般の人の間ではRLSがあまり知られない。ひどい不眠に長年苦しんでいる患者がいても適切な治療を受けていないケースがほとんどであるといわれている。20年前の時点で睡眠時無呼吸症候群を知っている人はほとんどいなかった。現在RLSが置かれている状況はまさに20年前の睡眠時無呼吸症候群と同じ状況である。

RLSは入眠障害や中途覚醒といった睡眠障害の要因となっており、これがきっかけで患者が受診し診断と治療を受けるのが一般的である。RLSは入眠障害の要因となっているだけでなく患者は昼夜にわたり生活の質(QOL)に悪影響を及ぼす様々な症状を起こす可能性がある。

睡眠障害を主訴とする患者がまず受診するのは内科精神科心療内科などである。

名称から症状自体は脚だけに発生すると思われがちだが、病気の本体は下肢ではなく中枢神経系にあると考えられている。従って、人によっては下肢だけではなく腰から背中や腕や手など全身にまでむずむずした不快な症状を感じる人も少なくない。全身に症状がある患者の場合、脚だけの症状ではないのでRLSではないと判断するのはむずかしい。

この病気は人工透析患者、妊婦、若い女性にも多い。RLSのために夜眠れないと 交感神経が刺激されるリスクがある。交感神経が刺激されると基礎代謝が上昇しやせる。


  1. ^ 症状が長引いている患者の場合、主治医がRLSを全く認識していない可能性が高い。
  1. ^ レストレスレッグス症候群 大塚製薬
  2. ^ Picchietti D, Winkelman JW.. “Restless legs syndrome, periodic limb movements in sleep”. Sleep 28 (7): 891-8. PMID 16124671. 
  3. ^ 不眠 (PDF) 日本メディカルセンター
  4. ^ 渋井佳代「女性の睡眠とホルモン」『バイオメカニズム学会誌』第29巻第4号、2005年11月1日、205-209頁、doi:10.3951/sobim.29.205NAID 110004820305 
  5. ^ 原因は脚ではなく、実は神経に関連した病気と考えられている
  6. ^ Causes-Restless legs syndrome
  7. ^ a b アメリカ睡眠医学会『睡眠障害国際分類第2版診断とコードの手引』医学書院、2010年7月、189-190、195 -196頁。ISBN 978-4-260-00917-1 、ICSD-2, American Academy of Sleep Medicine, 2005.
  8. ^ Allen RP, et al. Sleep Med. 2014;15(8):860-873.
  9. ^ 標準的神経治療: Restless legs症候群, 神経治療学 2012;29(1):73-109.
  10. ^ a b c d 今日の治療指針2018年版「レストレスレッグス症候群(下肢静止不能症候群,むずむず脚症候群)」
  11. ^ Lynn M Trotti, Lorne A Becker (04 January 2019). “Iron for the treatment of restless legs syndrome”. Cochrane Systematic Review - Intervention 1: CD007834. doi:10.1002/14651858.CD007834.pub3. 
  12. ^ どんな 治療をするの? 大塚製薬
  13. ^ プラミペキソール塩酸塩OD錠0.5mg 東和薬品
  14. ^ パミン・アゴニスト「ロチゴチン貼付剤」 国内承認申請 大塚製薬
  15. ^ 朝日新聞2010年4月29日生活欄の記事。
  16. ^ レグナイト錠 アステラス製薬


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