あそ型巡視船
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/10 02:05 UTC 版)
装備
主兵装としては、当初は30mm口径のブッシュマスターII[9]を、従来のエリコン 90口径35mm単装機関砲と同様の単装砲塔に組み込んで搭載する予定であった。これは、赤外線捜索監視装置と連動することで射撃管制機能(FCS)を備え、精確な射撃を可能とすることとなっていた[4]。
しかし九州南西海域工作船事件では、巡視船に対してRPG-7対戦車擲弾発射器が発射され、更に自沈した工作船を引き上げたところ、82mm無反動砲や携帯式防空ミサイルシステムのように、従来考えられていたよりも長射程で強力な兵器を搭載していたことが判明した[9]。これらの兵器をアウトレンジして、遠距離(概ね5,000m以上)から威嚇射撃を行えるように、長射程の武装を搭載することが求められたことから、より大口径で長射程のボフォースMk.3 70口径40mm単装機関砲に変更された[3]。
センサとしては、FCSの一部となる赤外線捜索監視装置[1]のほか、レーダーや遠隔監視採証装置を備えている。また船橋後部の舷側には夜間でも使用可能な停船命令等表示装置(電光掲示板)を装備した。
運用
計画年度 | # | 船名 | 船名の由来 | 造船所 | 起工 | 進水 | 竣工 | 所属 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
平成14年 | PL-41 | あそ | 阿蘇山 | 三菱重工業下関造船所 | 2003年 12月18日 |
2004年 10月28日 |
2005年 3月15日 |
福岡(第七管区) | |
平成15年 | PL-42 | でわ | 出羽山地 | ユニバーサル造船京浜事業所 | 2004年 4月5日 |
2005年 5月9日 |
2006年 4月12日 |
秋田(第二管区) | |
PL-43 | はくさん | 白山 | ユニバーサル造船京浜事業所 | 2005年 10月5日 |
2006年 4月12日 |
金沢(第九管区) |
※巡視船は配属変更に伴って名称を変更することがあるため、上記の名称・所属先は現時点でのものである。
登場作品
- ^ a b c d e 2005年海上保安レポート 高速高機能大型巡視船「あそ」就役
- ^ a b c d e 「警備救難業務用船 (海上保安庁船艇の全容)」『世界の艦船』第800号、海人社、2014年7月、53頁、NAID 40020105550。
- ^ a b 不審船への対応について 平成14年10月 海上保安庁
- ^ a b 「警備救難業務用船 (写真特集・海上保安庁現有船艇の全容)」『世界の艦船』第595号、海人社、2002年5月、69頁、NAID 40002156309。
- ^ 海上保安庁装備技術部/水路部/灯台部「海上保安庁の新型船艇と航空機 (特集・海上保安庁)」『世界の艦船』第595号、海人社、2002年5月、150-155頁、NAID 40002156317。
- ^ a b 坂本茂宏「創設50年から60年 そして70年に向けて (創設60周年を迎えた海上保安庁)」『世界の艦船』第692号、海人社、2008年7月、132-137頁、NAID 40016073810。
- ^ 真山良文「技術面から見た海上保安庁船艇の変遷 (創設60周年を迎えた海上保安庁)」『世界の艦船』第692号、海人社、2008年7月、138-143頁、NAID 40016073811。
- ^ 「高速巡視船「でわ」「はくさん」揃って竣工!」『世界の艦船』第660号、海人社、2006年7月、12頁。
- ^ a b 中名生正己「巡視船 武装の歩み(下)」『世界の艦船』第825号、海人社、2015年11月、168-173頁、NAID 40020597434。
- ^ Eric Wertheim (2013). The Naval Institute Guide to Combat Fleets of the World, 16th Edition. Naval Institute Press. p. 386. ISBN 978-1591149545
あそ型巡視船と同じ種類の言葉
固有名詞の分類
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