有限加法族
数学において、有限加法族(ゆうげんかほうぞく、英: finitely additive class, finitely additive family)あるいは集合体(しゅうごうたい、英: field of sets)、集合代数(しゅうごうだいすう、英: algebra of sets, algebra over a set)とは、冪集合が集合演算について成すブール代数の部分代数のことである。つまり、集合 S 上の有限加法族 (S, F ⊂ 2S) は、F の任意の二つの集合 A, B の結び A ∪ B, 交わり A ∩ B および任意の集合 M の全体集合 S に対する補集合 M∁ = S − M を取る操作について閉じている。有限加法族は、任意のブール代数を表現することができるという意味において、ブール代数の表現論にとって本質的な対象である。S 上の集合体 (S, F) に対して、S の元を集合体の点、F の元を集合体の複体(英: complex; 叢)と呼ぶ。
定義
空でない集合 S 上の部分集合族 M ⊂ 2S が和 ∪ と補集合をとる集合演算 c について閉じていて、和 ∪ に関する中立元 ∅ を持つとき、M を有限加法族または単に加法族と呼ぶ。
- A1, A2 ∈ M ⇒ A1 ∪ A2 ∈ M,
- A ∈ M ⇒ Ac ∈ M,
- ∅ ∈ M.
また、M ⊂ 2S が積 ∩ と対称差 Δ について閉じていて、積 ∩ に関する中立元 S を含むとき、M を集合体と呼ぶ。
- A1, A2 ∈ M ⇒ A1 ∩ A2 ∈ M,
- A1, A2 ∈ M ⇒ A1 Δ A2 ∈ M,
- S ∈ M.
有限加法族の条件は加法的な一つの演算 ∪ に関する構造に注目していて、集合体のほうは積 ∩ と対称差 Δ の二つの演算がつくる集合環の構造に注目しての命名であるが、この二つの定義の条件は互いに同値であり、これらはまったく同じ概念を定める。また、これら(が含む集合環の)の条件から帰納的に
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