水平性課題とは? わかりやすく解説

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水平性課題

(water-level task から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/12/23 13:44 UTC 版)

水平性課題の例。図1では、水が入った瓶がテーブルの上で垂直に立っており、水面が青で記されている。図2では、瓶が横に(この場合は45度)傾いている。解答者は新しい水面を図2に記さなければならない。
2つの解答例。解答例Aは、テーブルと平行に水面が引かれており、正答である。解答例Bは、瓶の底と平行に水面が引かれており、誤答である。

水平性課題(すいへいせいかだい、: water-level task)は、発達心理学および認知心理学実験[1][2][3][4][5]、被験者の空間認識能力を評価することを目的として、ジャン・ピアジェベーベル・インヘルダー (英語: Bärbel Inhelderによって開発された[6][1]

被験者は、水面が記された垂直に立っているまたはグラスの絵を見せられ、次に、水面が記されていない異なる角度で傾いた容器を見せられ、水面の位置を記すように要求される。

ピアジェとインヘルダーは、子どもの発達についての研究の一環としてこの実験を開発し、1948年に著書『子供の空間概念』で初めて紹介し[1][7]、水平性課題を9歳頃に正解できるようになるまでの子どもの理解の一連の段階を、課題への異なる解答類型との対応で説明した[1]

1964年に、フリーダ・レベルスキー (英語: Freda Rebelskyは驚くべき結果を報告した。彼女の指導下にある学部生および大学院生のかなり多くが課題に誤答し、特に女子学生の誤答率が高かったのである。以来、多くの研究でこの結果は再現され、水平性課題についてのその後の関心のほとんどは、子どもの発達にではなく、むしろこの課題に誤答する大人青年、そして男女間の正答率の顕著な違いに向けられてきた[1]

成績の性差

水平性課題に誤答する者の男女比を正確に示すことは、課題の提示方法や採点方法といった方法論的な詳細に左右されるため困難だが、男性の方が良い成績を出すという結果は確証が得られている[8][1]1989年の代表的な研究では、15%の男子大学生が誤答したのに対して、32%の女子大学生が誤答している[8]1995年の実験では、男子学部生の50%と女子学部生の25%が「非常に上手く」課題をこなし、男子の20%と女子の35%が「不得意」であった[1]。同様の性差は国際的にも確認されている[8]。男女間の成績の違いは、Cohenのdを指標とすると、0.44以上0.66未満(すなわち標準偏差単位で0.44以上0.66未満)だと推定されている[8]

脚注

  1. ^ a b c d e f g Ross Vasta; Lynn S. Liben (December 1996). “The Water-Level Task: An Intriguing Puzzle”. Current Directions in Psychological Science 5 (6): 171–177. doi:10.1111/1467-8721.ep11512379. JSTOR 20182424. https://www.jstor.org/stable/20182424. 
  2. ^ Wesley Jamison; Margaret L. Signorella (June 1980). “Sex-typing and spatial ability: The association between masculinity and success on piaget's water-level task”. Sex Roles 6 (3): 345–353. doi:10.1007/BF00287356. 
  3. ^ Eva Geiringer; Janet Hyde (June 1976). “Sex differences on Piaget's water-level task: Spatial ability incognito”. Perceptual and Motor Skills 42 (3, Pt 2): 1323–132. doi:10.2466/pms.1976.42.3c.1323. 
  4. ^ Seth C. Kalichmna (September 1988). “Individual differences in water-level task performance: A component-skills analysis”. Developmental Review 8 (3): 273-295. doi:10.1016/0273-2297(88)90007-X. 
  5. ^ Lynn S Liben. “The Piagetian water-level task: Looking beneath the surface”. Annals of Child Development 8: 81–143. 
  6. ^ Barbel Inhelder; Jean Piaget (1964). The Early Growth of Logic in the Child. The International Library of Psychology. Routledge. ISBN 978-0415210010 
  7. ^ Lawrence, Evelyn (1957). “Review of The Child's Conception of Space”. British Journal of Educational Studies (Taylor & Francis) 5 (2): 187–189. doi:10.2307/3118882. JSTOR 3118882. 
  8. ^ a b c d Halpern, Diane F. (2012). Sex differences in cognitive abilities (4th ed.). New York: Psychology Press. pp. 130–132. ISBN 978-1848729414 

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