スピン・軌道相互作用
電子のスピンsと軌道角運動量lが平行のときと反平行のときで、相互作用の大きさが違うので二つの状態は異なるエネルギー状態をとる。2p電子ではエネルギーの低いほうから順にL2 (全角運動量j = l - s =1/2)とL3 (全角運動量j = l + s =3/2)とができる。EELSにおいて2p状態から3d非占有バンドへの遷移(Lエッジ)ではエネルギーロスの小さいほうからL3、L2の順にスペクトルが現れる。これらのスペクトルは占有状態のエネルギー分裂(数eV〜20eV)を与えるものなので、EELS解析での目的である非占有状態についての情報を与えるものではない。ただL3/ L2の強度比は2:1になるはずだが非占有状態の状態密度(化学結合状態)の影響を受けて変化する。この強度比プロファイルを計算と比較すると3d電子の価数についての情報が得られる。計算にはコアホール相互作用、3d電子の電子相関、価数などを入れなければならない。L3とL2の強度比L3/L2はハイスピンのとき大きく、ロウスピンのとき小さい傾向がある。
「spin orbit coupling」の例文・使い方・用例・文例
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