c の値の導出
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/27 09:11 UTC 版)
「ディオファントス近似」の記事における「c の値の導出」の解説
リウヴィルの結果では、右辺に現れる正定数 c は、α が与えられれば、具体的に計算することが可能であるが、ロス(およびトゥエ以降の全ての結果に対しても)の結果では、c の値を計算することはできない(有効な結果ではない)。 もし、与えられた α に対して、c の値を求めることが可能になれば、不定方程式の整数解に対して、解が有限個しか存在しないだけでなく、整数解の存在範囲を示すことが可能となる。 ベイカーによる対数の1次形式の評価定理を用いて、以下のことが証明されている。 α を次数 d ≥ 2) の実代数的数としたとき、α に依存する計算可能な定数 c と κ (< d) が存在して、 | α − p q | > c q κ {\displaystyle \left|\alpha -{\frac {p}{q}}\right|>{\frac {c}{q^{\kappa }}}} が、全ての有理数 p/q (q > 0) に対して成立する。 現状では、κ の結果は、ロスの結果には及ばず、例えば、 α = 2 3 {\displaystyle \alpha ={\sqrt[{3}]{2}}} の場合、 c = 10 − 6 , κ = 2.955 {\displaystyle c=10^{-6},\ \kappa =2.955} α = 17 3 {\displaystyle \alpha ={\sqrt[{3}]{17}}} の場合、 c = 10 − 9 , κ = 2.4 {\displaystyle c=10^{-9},\ \kappa =2.4} である。
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