Xiphoid processとは? わかりやすく解説

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剣状突起

読み方けんじょうとっき
【英】:Processus xiphoideus,Xiphoid process

 剣状突起は胸骨体下端に続く薄い扁平な突起で、成人でもその大部分軟骨でできており、これが完全に骨化するのは老人になってからである。したがって晒した骨で剣状突起が観察できるのは老人の骨に限られる

剣状突起

(Xiphoid process から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/25 00:04 UTC 版)

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骨: 剣状突起だにょーん
剣状突起の位置(赤で示す)
胸骨の後面たにょーー
名称
日本語 剣状突起だにょーん
ラテン語 processus xiphoideus
関連情報
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剣状突起(けんじょうとっき、xiphoid process, xiphisternum, or metasternum)は、胸骨の下部にある小さな軟骨突起であり、成人では通常骨化している[1]

構造

剣状突起は、第9胸椎とT7デルマトームの位置にあると考えられている。

発達

新生児や小さい(特に細身の)幼児では、剣状突起の先端が胸骨の切れ目のすぐ下のしこりのように見えたり感じたりされることがある。15~29歳になると、胸骨本体と線維性関節英語版で結合する。大関節の滑膜関節英語版とは異なり、動かすことができない。骨化は40歳ごろに起こる[2]

差異

剣状突起は自然に分岐し、ときには穴が開いていることがある。このような形態の違いは遺伝するため、埋葬された遺骨を扱うときに家族をまとめるのに役に立つことがある。これらの形態的な差異は健康上のリスクをもたらすものではなく、単に形の違いに過ぎない。

他の動物

鳥類の場合、剣状突起は長い構造をしており、多くの場合竜骨突起の方向に沿う。

機能

最初の7本の肋骨が胸骨と結合するのと同じように、腹腔神経叢の軟骨は剣状突起に結合して補強し、間接的に肋軟骨英語版を胸骨に結合させる。剣状突起は、正常な呼吸に必要な筋肉である腹部横隔膜をはじめ多くの筋肉の付着に関わっている。腹直筋も固定している。

臨床的意義

心肺蘇生法で胸骨圧迫を行う際に剣状突起を圧迫すると、剣状突起が折れて横隔膜に穴が開いたり裂けたりすることがあるため、避けるべきである。さらに、肝臓に突き刺さり致命的な出血を引き起こす可能性がある。

剣状突起痛英語版 (Xiphodynia) は、胸骨への痛みと圧迫感により区別される症候群である。この疾患は珍しいというソースがある一方、比較的よく見られるが医者に見落とされているとするソースもある。この疾患は、多くの一般的な腹部及び胸部の疾患を模倣する一連の症状を引き起こす筋骨格系の疾患である[3]

症状には腹痛、胸痛、吐き気、背中・首・肩への放散痛などがある。重いものを持ち上げたり、胸部の外傷がこの疾患の原因となることがあり、曲げたりねじったりすることで痛みが増強されることがある。治療には麻酔やステロイド注射が一般的に用いられる[4]。最も古い症例は1712年に報告されている[5]

40歳以降では、部分的に骨化した剣状突起を自覚し、異常と勘違いすることがある[2]

心膜から液体を吸引する手順である心膜穿刺英語版では、解剖学的な目印として剣状突起を使用することが多い[6]

イメージ

出典

  1. ^ Muscolino, Joseph E. (2008). The Muscle and Bone Palpation Manual with Trigger Points, Referral Patterns and Stretching. Elsevier Health Sciences. p. 104. ISBN 978-0323051712. https://books.google.com/books?id=k-C07_fNiYsC&q=Xiphoid+process 
  2. ^ a b Moore, Keith L. (13 February 2013). Moore Clinically Oriented Anatomy (7 ed.). LWW. p. 84. ISBN 9781451119459 
  3. ^ Xiphoid process pain (Xiphoidalgia): the ultimate guide”. 2021年10月閲覧。
  4. ^ major causes of musculoskeletal chest pain Archived December 13, 2010, at the Wayback Machine.
  5. ^ Simpson, JK; Hawken, E (2007). “Xiphodynia: a diagnostic conundrum”. Chiropr Osteopat 15: 13. doi:10.1186/1746-1340-15-13. PMC 2045657. PMID 17868466. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2045657/. 
  6. ^ Sam, Amir H.; James T.H. Teo (September 2010). Rapid Medicine. Wiley-Blackwell. ISBN 978-1-4051-8323-9 

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