SmC*相および副次相
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/11 16:51 UTC 版)
多くの化合物ではSmC相に不斉構造を導入した場合に、層のねじれが生じることなく、分子の傾き方向が層ごとに回転していく状態となる。この状態はSmC*相と呼ばれている。SmC*相の螺旋周期は物質により数百nmから数μm程度である。N*相と同様に、螺旋周期が可視光領域にある場合には選択反射が起こり発色する。 SmC*相はその対称性から強誘電性を示しうることが知られている。典型的なSmC*強誘電性液晶では、分極は層内で分子の傾きと垂直な方向に発生する。螺旋構造があるため、巨視的には分極方向は打ち消しているが、螺旋構造と分極は直接はリンクしておらず、適当な化合物では螺旋が発散した状態で極性を保った状態を実現できる。いくつかのSmC*相副次相の存在が知られている。SmCα*相はSmC*相の高温側に出現することのある相で、数分子程度の短い螺旋構造をとっている。SmCA*相は傾き方向が1層ごとに反転し、数百nm程度の螺旋周期も有する相で、分極は隣接層で相殺するが、強い外部電場により傾き方向がそろった状態に転移するので、反強誘電性相として知られている。そのほか、3層周期、4層周期、さらに多層周期の構造が見いだされている。層構造により反強誘電性かフェリ誘電性を示す。
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