Rループ、イントロンとDNA損傷
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/29 17:30 UTC 版)
「Rループ」の記事における「Rループ、イントロンとDNA損傷」の解説
イントロンは遺伝子のコーディング領域とともに転写される遺伝子内のノンコーディング領域であり、その後スプライシングによって一次転写産物から除去される。活発に転写されている領域のDNAは、しばしばDNAの損傷を受けやすいRループを形成する。酵母の高度に発現している遺伝子では、イントロンはRループの形成とDNA損傷を減少させる。ゲノムワイド解析からは、酵母とヒトの双方においてイントロンを含む遺伝子は同様に発現するイントロンを持たない遺伝子と比較してRループのレベルの低下とDNA損傷の減少がみられる。Rループを形成しやすい遺伝子内にイントロンを挿入することで、Rループの形成と組換えを抑制することも可能である。こうしたイントロンの遺伝的安定性の維持機能は、特定の部位、特に高度に発現している遺伝子でイントロンが進化的に維持されていることの説明となると考えられている。
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