肺高血圧症
【概要】 最近HIV感染症での多発が注目されている心臓血管系合併症。本来100万人あたり1-2人ときわめてまれだがHIVでは0.5%。肺の細小動脈壁が厚くなり肺高血圧になる。このため息切れ、疲れやすさ、失神、下肢や顔面の浮腫がみられる。確定診断からの生存期間は数年以内ときわめて予後不良である。
【詳しく】 肺血管への直接的なHIV感染は証明されていない。ウイルスの増殖に刺激された細胞からサイトカイン、成長因子、肺血管収縮因子であるエンドセリン-1が産生されるためという説がある。 抗HIV療法のみでは予後は改善しない。長期治療を考えると経口血管拡張薬がよいと思われる。ベラプロスト(商品名:プロサイリン)、ボセンタン(商品名:トラクリア)、シルデナフィル(保険未適応)の他、プロスタサイクリン持続点滴が試みられる。 http://www.ncvc.go.jp/cvdinfo/hai/hai_mokuji.html
《参照》 サイトカイン、 クエン酸シルデナフィル

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