ランカスビトゥン線とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > ランカスビトゥン線の意味・解説 

ランカスビトゥン線

(KRLコミューターラインランカスビトゥン線 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/17 03:42 UTC 版)

ランカスビトゥン線
ケバヨラン駅に停車中のSeri 205
基本情報
インドネシア
所在地 ジャカルタ西ジャワ州バンテン州
起点 タナアバン駅
終点 スルポン駅、パルンパンジャン駅、ランカスビトゥン駅
駅数 22駅
路線記号 R
開業 1992年
運営者 KAIコミューター
路線諸元
路線距離 72.769 km
線路数 複線
電化方式 直流1,500 V 架空電車線方式
最高速度 70 km/h
路線図
路線地図
テンプレートを表示

ランカスビトゥン線 (インドネシア語: Commuter Line Rangkasbitung)は、KAIコミューターが運営するインドネシア通勤鉄道路線である。 中央ジャカルタ市英語版タナアバン駅バンテン州レバックのランカスビトゥン駅英語版を結ぶ。 路線図では緑色で表示されている。 ランカスビトゥン線は、ジャカルタ首都圏のKAIコミューターの中で最も長く、4番目に利用者の多い路線である。[1]

概要

1896年からオランダ領東インド政府によって建設され、1899年10月1日に開通したアニェール・キドゥル・カンポン・バンダン線インドネシア語版を経由して運行される。

タナアバン駅とスルポン駅間の線路は1991年に電化され、1992年にフランスの援助で完成した。[2] 2009年、セルポン駅からパルンパンジャン駅間の線路が完全電化された。[3] 電化後、2011年にパルンパンジャン駅まで延長され正式に運行を開始した。 その後、2013年に再びマジャ駅まで延長された。 [4] 2017年4月1日にはランカスビトゥン駅まで延伸された[5]

"Green Line "という名称は 正式名称は "ランカスビトゥン線 "に変更された。

歴史

当路線の建設前は、バンテン地方はまだバタヴィア(後のジャカルタ)からの交通機関は乏しかった。バタヴィアからバンテン地方への移動を流動化させるために、1890年代にオランダ領東インド国鉄(Staatsspoorwegen・SS)はタンゲランとチカンデを経由してドゥリからセランを結ぶ鉄道線を建設する計画を立案した[6]

建設

1896年7月15日、植民地政府は1896年7月15日付州法令第180号を公布し、SSがバタヴィアBOS駅からアニェール駅までの路線と、ドゥリ駅からタンゲラン駅、タナアバン駅からウェルテヴレデン駅までの支線を建設認可を出した[7]。建設中に、当初はチカンデ経由でセランに向かう予定だった路線は、最終的にパルンパンジャン駅経由でランカスビトゥン駅へ結ぶルートへ変更され、1899年10月1日に完成した。開業当初はバタヴィアBOS駅からその後折り返してアンケに向かっていた[6]

支線としてタンゲラン・ドゥリ線が1899年1月2日に完成した。1900年7月1日にSSによってランカスビトゥン駅からセラン駅まで延伸され、1900年12月1日には、アニェルキドゥル港付近まで延伸された[6]。1914年12月1日、ランプンへの渡航に便利なメラク港に対応するため、クレンチェン駅からメラク駅への支線が建設された[8]。 1923年9月12日、バタヴィア駅の再開発に関連し、バタビアBOS駅(バタヴィア南駅)方面に向かう列車は、アンケ駅をアムステルダム門を右折し、旧カンポンバンダン駅に向かって再び右方向へ転線するように変更され、さらにカンポンバンダン駅からタナアバン駅が複線化された[7]

電化

1987年にスディマラ駅からケバヨラン駅間でビンタロの悲劇英語版と呼ばれる衝突事故が発生し、今後のインドネシアの鉄道へ大きな影響を与え、ジャカルタ都市圏の電化と複線化が推進されていくこととなった。1990年から1994年にかけて変電所が建設され、増加する輸送量に対応するために複線化も行われた。それ同時にセルポンエクスプレス(Serpong Ekspres)の運行も開始された。1994年7月3日、8月3日、12月3日にそれぞれカレット、リモ、ジュランマングの変電所が稼働し、タナアバン駅からセルポン駅間で電車による運行が開始された。運行頻度は変電所の完成とともに増加した[9]

ランカスビトゥン線の多くの駅でインドネシア鉄道会社と運輸省によっても設備の改善が推進された。スルポン駅の現駅舎は、タナアバン駅からスルポン駅間の複線化に合わせて、試験的な近代建築駅として2007年7月4日にスシロ・バンバン・ユドヨノ大統領によって開業され、スルポン駅の開業後も設備の改良が行われた[10]

セルポンエクスプレスの延伸計画の一環として、再び複線化が行われた。2009年にはパルンパンジャン駅への運行が開始され[3]、2012年5月に複線化とマジャ駅までの電車による試運転が開始された。マジャ駅への延伸は、2013年4月17日より行われた [4]

ランカスビトゥン駅への延伸

2013年からマジャ駅からランカスビトゥン駅間は複線化された。複線化の費用には7,650億ルピアと見積もられ、2016年に完成し、ランカスビトゥンまでの電車の運行に使用される予定である[11]。2014年12月には、マヤ駅とシテラス駅間の新線において、路盤(形成層)の掘削・締固め工事と、ランカスビトゥン駅周辺で架空電車線の設置による電柱の設置が実施された。タナアバン駅からランカスビトゥン駅までの複線化と電化が完了したことにより、2017年4月1日より電車による運行のみとなった[12][5]

将来計画

メラク線の沿線開発が活発化していることに伴い、運輸省は線路設備をR42からR54に交換し、ランカスビトゥン線をセラン駅まで延伸する予定である[13]。第一期工事としてランカスビトゥン駅からセラン駅間の枕木を鉄製からコンクリート製に交換することが含まれており、セラン駅からメラク駅間の改良工事は、第二期工事で実施される予定である。

駅一覧

駅番号 駅コード[14] 駅名 接続路線 所在地
R
01
THB タナアバン
Tanah Abang
中央ジャカルタ英語版 ジャカルタ
R
02
PLM パルメラ
Palmerah
R
03
KBY ケバヨラン英語版
Kebayoran
南ジャカルタ市
R
04
PDJ ポンドック・ランジ
Pondok Ranji
南タンゲラン市 バンテン州
R
05
JMU ジュランマング
Jurangmangu
R
06
SDM スディマラ
Sudimara
R
07
RU ラワブントゥ
Rawa Buntu
R
08
SRP スルポン
Serpong
R
09
CSK チサウク英語版
Cisauk
  • BSDリンク・シャトルバス
  • BSD バスターミナル
タンゲラン
R
10
CC チカユル
Cicayur
R
11
ジャタケ
Jatake
(計画中[15]
R
12
PRP パルンパンジャン
Parung Panjang
ボゴール 西ジャワ州
R
13
パラヤサ
Parayasa
(計画中)
R
14
CJT チリジット
Cilejit
R
15
DAR ダル
Daru
タンゲラン バンテン州
R
16
TEJ テンジョ
Tenjo
ボゴール 西ジャワ州
R
17
ティガラクサ・ポドモロ
Tigaraksa Podomoro
(計画中)
R
18
TGS ティガラクサ
Tigaraksa
タンゲラン バンテン州
R
19
CKY チコヤ
Cikoya
R
20
MJ マジャ
Maja
レバック県英語版
R
21
CTR シテラス
Citeras
R
22
RK ランカスビトゥン英語版
Rangkasbitung

使用車両

現在の車両:

現在の車両(季節運行)

かつて使用されていた車両

鉄道事故一覧

2013年12月9日、南ジャカルタ市ビンタロ区の踏切で、元営団7000系電車(7121編成)がタンクローリーと衝突。 この事故で7人(乗務員3人を含む)が死亡した。 事故後、同電車は引退した。[16]

2003年11月18日、インドネシア鉄道公社BN-Holec電車がケバヨラン駅に到着する前に火災に見舞われた。 電車火災の原因は、架線に落雷があり、電圧が急上昇したため。 この事故で乗客1人が死亡した。[17][18][19]

脚注

  1. ^ Komuter Bogor–Jakarta mendominasi KRL”. kontan.co.id. 2016年4月29日閲覧。
  2. ^ Sekilas Elektrifikasi LAA Di Jabotabek – Documents”. Dokumen.tips. 2016年4月30日閲覧。
  3. ^ a b Liputan6.com. “Jalur Ganda KRL Serpong-Parungpanjang Beroperasi”. liputan6.com. 2016年4月29日閲覧。
  4. ^ a b VIVA.co.id (2013年4月17日). “Jalur Kereta Ganda Serpong–Parung Panjang Diresmikan”. metro.news.viva.co.id. 2016年4月29日閲覧。
  5. ^ a b KRL "Commuter Line" Tanah Abang-Rangkasbitung Beroperasi Mulai 1 April”. Kompas.com (2017年3月30日). Template:Cite webの呼び出しエラー:引数 accessdate は必須です。
  6. ^ a b c 『Anne Reitsma, Steven (1916). Indische Spoorweg-Politiek.』Batavia: Landsdrukkerij.、1916年。 
  7. ^ a b Korte geschiedenis der Nederlandsch-Indische spoor- en tramwegen,”. 2025年4月16日閲覧。
  8. ^ ZWP - Haltestempels Ned.Indië”. 2025年4月16日閲覧。
  9. ^ BI_Final_RevMei.pdf”. 2025年4月14日閲覧。
  10. ^ SBY Resmikan Stasiun Serpong, Lalu Lintas KA Tetap Normal” (インドネシア語). detiknews. 2025年4月16日閲覧。
  11. ^ KRL Commuter Line sampai Rangkas Mulai 2016 | Industri - Bisnis.com”. web.archive.org (2014年12月27日). 2025年4月16日閲覧。
  12. ^ KRL Rangkasbitung-Tanah Abang Siap Beroperasi 1 April 2017” (インドネシア語). Tribunnews.com (2025年4月15日). 2025年4月16日閲覧。
  13. ^ 2020, Rute KRL Diperpanjang sampai Serang”. 2025年4月16日閲覧。
  14. ^ Buku Informasi Direktorat Jenderal Perkeretaapian 2014 (PDF).”. 2025年4月22日閲覧。
  15. ^ BTP JAKBAN on Instagram: “Sabtu 6 Maret 2021, Kunjungan Bapak Budi Karya Sumadi selaku Menteri perhubungan yg meninjau lokasi rencana konsesi pembangunan stasiun…”” (英語). Instagram. 2021年12月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年3月27日閲覧。
  16. ^ ジャカルタで列車とトラック衝突 ガソリン運搬中、5人死亡 - 京都新聞 2013年12月9日(インターネットアーカイブ)
  17. ^ KNKT (2004). Railway Accident Report on the Burning of the KA 396 KRL at KM12+5/6 Track Segment between Tanah Abang Station - Palmerah Station, Jakarta, Jabotabek Division 18 November 2003. Jakarta: en:Ministry of Transport (Indonesia). http://knkt.dephub.go.id/knkt/ntsc_railway/Report/baru/2004_01.pdf 
  18. ^ KRL Tanah Abang-Serpong Terbakar di Simprug” (英語). Tempo (2003年11月18日). 2021年5月26日閲覧。
  19. ^ “In Memoriam : KRL Holec Terbakar Di Simprug” (インドネシア語). CAKRUK. CAKRUK (CAKRUK). (2017年11月17日). http://cakruk.com/in-memoriam-krl-holec-terbakar-di-simprug/ 

外部リンク




英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  
  •  ランカスビトゥン線のページへのリンク

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ランカスビトゥン線」の関連用語

ランカスビトゥン線のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ランカスビトゥン線のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのランカスビトゥン線 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS