ジャラールッディーン (ジョチ家)とは? わかりやすく解説

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ジャラールッディーン (ジョチ家)

(Jalal al-Din Khan ibn Tokhtamysh から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/15 07:30 UTC 版)

ジャラールッディーン(جلال الدین خان ابن تقتمش)は、1411年から1412年にかけてのジョチ・ウルスハン14世紀末にジョチ・ウルスの再統一に成功したトクタミシュ・ハンの子。

概要

ジャラールッディーンの父のトクタミシュ・ハンはかつてジョチ・ウルスの再統一に成功しながら、中央アジアのティムールと対立して没落した人物であった。トクタミシュは没落後もリトアニアの支援を受けてジョチ・ウルス君主の座を再度狙っており、傀儡ハンを擁立してジョチ・ウルスの実権を握ったマングト部エディゲとの間で20年近くに渡って抗争が繰り広げていた[1]

しかし、1399年ヴォルスクラ川の戦いで敗れたトクタミシュは劣勢となり、ハン位を取り戻せないままに1405年〜1407年頃死去した[2]。トクタミシュの後を継いだのがジャラールッディーンで、ジャラールッディーンはエディゲとの抗争を続ける一方で、1410年にはリトアニア大公の指揮下でタンネンベルクの戦いにも参加するなど、各所で活躍していた[3]

ニコン年代記の挿絵よりエディゲを追ってハン位に就いたジャラールッディーン

一方、この頃エディゲの傀儡ハンであったテムルは現状に不満を募らせ、ヒジュラ暦814年初め(1411年)にエディゲを攻撃し、エディゲはホラズム地方に逃れざるをえなくなった[3]。これを好機と見たジャラールッディーンはリトアニアの支援を受けたジョチ・ウルスに帰還し、テムル・ハンを打倒してトクタミシュ家にハン位を取り戻した[3]

しかし、ロシアの『ニコン年代記』によると、ジャラールッディーンは在位1年にして弟のカリーム・ベルディに殺害されてしまったという[4]

トカ・テムル王家

  • ジョチ(Jöči >朮赤/zhúchì,جوچى خان/jūchī khān)
    • トカ・テムル(Toqa temür >توقا تیمور/tūqā tīmūr)
      • ウルン・テムル(Urung temür >اورنك تيمور/ūrunk tīmūr)
        • サルチャ(Sarča >اجيقی/sārīja)
          • コンチェク(Gönčeg >کونجه/kūnjīk)
            • トゥグルク・ホージャ(Tuγluq khwaja >تيمور خواجه/tughluq khwāja)
              • トイ・ホージャ(Toy khwaja >بادق/tūy khwāja)
                • トクタミシュ・ハン(Toqtamiš qan >توقتاميش خان/tūqtāmīsh khān)
                  • ジャラールッディーン(Jalal al-Din qan >جلال الدین خان/jalāl al-dīn khān)
            • トゥリク・テムル(Tuliq temür >تيمور خواجه/tūlik tīmūr)
              • ジナ(J̌ina >جينه/jina)
                • ハサン(Ḥasan >حسن/ḥasan)

脚注

  1. ^ 長峰2009,5頁
  2. ^ 坂井2007,39-40頁
  3. ^ a b c 赤坂2005,300頁
  4. ^ 川口2002,86頁

参考文献

先代
テムル・ハン
ジョチ・ウルスのハン
1411年 - 1412年
次代
カリーム・ベルディ



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