IL-2受容体に対する抗体
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/30 10:14 UTC 版)
「免疫抑制剤」の記事における「IL-2受容体に対する抗体」の解説
IL-2は免疫系を調節する重要な因子であり、活性化したTリンパ球のクローン性増殖や維持に必要である。その効果はα、β、γ鎖からなる三量体細胞表面受容体IL-2aによって仲介される。IL-2a(CD25、T細胞活性化抗原、Tac)はすでに活性化されたTリンパ球のみが発現する。それゆえ、選択的な免疫抑制処置にとって特別な重要性があり、効果的で安全な抗IL-2抗体の開発に焦点を当てて研究が行われてきた。遺伝子組み換え技術を利用してマウスの抗Tac抗体が改変され、1998年にbasiliximab (Simulect (R)) とdaclizumab (Zenapax (R)) という2種のマウス-ヒト・キメラ抗Tac抗体ができた。これらはIL-2a受容体のα鎖に結合し、IL-2に誘導される活性化リンパ球のクローン性増殖を抑え、その生存期間を短縮する。両側腎臓移植後の急性臓器拒絶の予防に用いられ、どちらも同様に効果があり、副作用はわずかである。
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