インターロイキン-29とは? わかりやすく解説

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インターロイキン-29

(IFNL1 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/02/07 03:05 UTC 版)

IFNL1
PDBに登録されている構造
PDB オルソログ検索: RCSB PDBe PDBj
PDBのIDコード一覧

3OG6, 3OG4

識別子
記号 IFNL1, IL-29, IL29, interferon, lambda 1, interferon lambda 1
外部ID OMIM: 607403 MGI: 2450574 HomoloGene: 131189 GeneCards: IFNL1
遺伝子の位置 (ヒト)
染色体 19番染色体 (ヒト)[1]
バンド データ無し 開始点 39,296,407 bp[1]
終点 39,298,673 bp[1]
遺伝子の位置 (マウス)
染色体 7番染色体 (マウス)[2]
バンド データ無し 開始点 28,222,261 bp[2]
終点 28,223,747 bp[2]
遺伝子オントロジー
分子機能 cytokine activity
interleukin-28 receptor binding
受容体結合
細胞の構成要素 interleukin-28 receptor complex
細胞内
細胞外領域
細胞外空間
生物学的プロセス receptor signaling pathway via JAK-STAT
negative regulation of interleukin-5 production
positive regulation of tyrosine phosphorylation of STAT protein
positive regulation of interferon-gamma production
negative regulation of interleukin-13 production
positive regulation of transcription, DNA-templated
positive regulation of immune response
defense response to virus
negative regulation of type 2 immune response
自然免疫
negative regulation of transcription, DNA-templated
positive regulation of MHC class I biosynthetic process
negative regulation of memory T cell differentiation
negative regulation of T cell differentiation
positive regulation of receptor signaling pathway via JAK-STAT
negative regulation of cell population proliferation
regulation of signaling receptor activity
サイトカイン媒介シグナル伝達経路
出典:Amigo / QuickGO
オルソログ
ヒト マウス
Entrez
Ensembl
UniProt
RefSeq
(mRNA)

NM_172140

NM_177396

RefSeq
(タンパク質)

NP_742152

NP_796370

場所
(UCSC)
Chr 19: 39.3 – 39.3 Mb Chr 19: 28.22 – 28.22 Mb
PubMed検索 [3] [4]
ウィキデータ
閲覧/編集 ヒト 閲覧/編集 マウス

インターロイキン-29: interleukin 29、略称: IL-29)もしくはインターフェロンλ1: interferon lambda 1、略称: IFN-λ1)は、III型インターフェロン英語版(IFN-λ)に分類されるサイトカインである。IL-29は病原体、特にウイルスに対する免疫応答に重要な役割を果たしている。その機構はI型インターフェロンと類似しているが、主に上皮由来の細胞や肝細胞を標的とする[5][6]

ヒトでは、IL-29は19番染色体英語版に位置するIFNL1遺伝子にコードされている[5][7]。マウスでは偽遺伝子となっており、IL-29タンパク質は産生されていない[5]

構造

IL-29はIFN-λに分類される他のサイトカインと同様、構造的にはIL-10ファミリー英語版と関連しているが、そのアミノ酸配列(や機能)はI型インターフェロンにより類似している[5]。IL-29を結合する受容体は、IFN-λ特異的サブユニットであるIFNLR1英語版、そしてIL-10ファミリーのサイトカインの中で共有されているサブユニットであるIL10RB英語版から構成されるヘテロ二量体である[5]

機能

病原体に対する免疫応答への影響

IL-29はI型インターフェロンと同様のシグナル伝達経路を誘導することで、抗ウイルス作用を示す[5]。IL-29受容体はJAK-STAT経路を介してシグナルを伝達し、インターフェロン誘導遺伝子英語版(ISG)の発現、そして抗ウイルスタンパク質産生の活性化をもたらす[8]。さらにその後、MHCクラスI分子の発現のアップレギュレーションや[5]IFN-αの主要な産生源である形質細胞様樹状細胞英語版(pDC)上への共刺激分子やケモカイン受容体の発現の亢進が引き起こされる[8]

IL-29の発現は、ウイルスに感染した呼吸器、消化器、泌尿生殖器の上皮細胞において優勢であるが、他の粘膜組織や皮膚においても発現している。B型肝炎ウイルスC型肝炎ウイルスに感染した肝細胞は、I型インターフェロンよりもむしろIL-29(もしくはIFN-λ全般)を産生することで免疫応答を刺激する[5][6]。成熟中のマクロファージ樹状細胞マスト細胞においてもIL-29は産生される[6]

IL-29はウイルス以外の病原体に対する防御にも関与している[5]。IL-29は自然免疫獲得免疫の双方に影響を及ぼす。IL-29は抗ウイルス作用以外にも他の細胞のサイトカイン産生を調節しており、単球やマクロファージによるIL-6IL-8IL-10の分泌を高めること、マクロファージにおいてIFNGR1英語版の発現を高めることでIFN-γに対する応答性を高めること、T細胞Th1表現型への極性化やB細胞のIL-29への応答を刺激することが報告されている[8]

抗腫瘍免疫

IL-29ががん細胞に及ぼす影響は複雑であり、がん細胞の種類に依存している。皮膚がん肺がん大腸がん肝細胞がんなど多くのケースでは腫瘍を阻害する作用を示すが、多発性骨髄腫細胞に対しては腫瘍促進作用を示す[6]。IFN-λはI型インターフェロンと比較して影響する細胞種が限定されており、また副作用も少ないため、がん治療への利用の可能性がある[5][6]

自己免疫疾患

IL-29の発現の異常は、炎症性サイトカインケモカイン、その他関連する因子の産生を高めることで、自己免疫疾患の発症に関与している可能性がある。関節リウマチ変形性関節症全身性エリテマトーデスシェーグレン症候群乾癬アトピー性皮膚炎橋本病全身性強皮症英語版ぶどう膜炎の患者では、IL-29の血清濃度もしくは疾患関連組織中濃度の上昇が観察される[8]

出典

関連文献




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