佐藤大輔
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佐藤 大輔(さとう だいすけ、英語: Daisuke Satō、1964年4月3日[1] - 2017年3月22日[2])は、日本の小説家・ゲームデザイナー・漫画原作者。石川県出身。
注釈
- ^ 「“幻の八八艦隊”は海戦の美学だ 美学を知らぬものに生きる資格はない!!」(『TACTICS』所収)では「私も習得単位数が少ないのにタイムカードを押し続けているのだ。つまり、来年が危ないってこと。」などと述べ、無事卒業した同業者を羨んでいる記述がある。しかもこれはアドテクノス時代の記述で翔企画時代のエピソードではないのだ。「タイムパトロール秘密報告」(『レッドサン ブラッククロス密書』)では「大学に通うと称して東京に出現」と書かれている。
- ^ 例えばゲーム版『レッドサン ブラッククロス』の発売を報じる記事には次のような紹介がなされている。「このゲーム全編を貫いているのは、大勢のメンバーでイメージを膨らませながらするゲーム・デザインの楽しさである。このゲームには実に多くのメンバーが参加しており、このゲームがいかにして作られたかが各人各様に綴られている。」[5]
- ^ ただし、Twitterでの小林による2017年3月27日のツイートでは、地下鉄サリン事件当日の1995年3月20日を最後に会っていないという。
- ^ a b もっとも、ゲームデザイナー時代になされた批判の遠因としてはアド・テクノス時代の同僚、加藤伸郎が『TACTICS』に連載していた「デベロッパー日記」というエッセイの与える印象もある。佐藤自身、このエッセイだけを読んでいると同社の開発体制があまりに怠惰であるように印象づけられるが事実とは違うことを指摘し、本来の仕事のフローについて解説している。
「私はこうしてリターン・トゥ・ヨーロッパを創りました」『TACTICS』No.32
記事名は松本喜太郎の記事と禁煙パイポのCMがネタ。 - ^ 具体的には日米に大量の戦艦の駒を持たせて戦争させたら戦艦が主役の艦隊決戦が多発すると予想したが、結局史実の1940年代と同じ戦争の形態、つまり航空主兵に制約され戦艦が手もなくやられていったため、制空権の無い海域に空母無しで艦隊を進めるプレイヤーがいなかった
- ^ ただし『鏖殺の凶鳥』『黙示の島』など仮想戦記以外の著作ではその限りでもない。『鏖殺の凶鳥』のように「アメリカ」、「米軍」表記と「合衆国」表記が混在する場合もある。
- ^ ただし『黙示の島』では「核」と表記される。『鏖殺の凶鳥』では、「原子核反応の兵器」、「核分裂反応爆発装置」等の名で呼称されるが、戦後を描いた後日談では「反応兵器」の表記になる。
出典
- ^ 『シミュレイター』19号
- ^ a b “訃報 佐藤大輔さん52歳=作家”. 毎日新聞 (2017年3月26日). 2017年3月26日閲覧。
- ^ a b 「二隻の護衛艦」『セキュリタリアン』1998年1月
- ^ 「仮想戦記人気ランキングNo.1 作家に聞く 佐藤大輔歴史群像』1997年8月、P149
- ^ 『TACTICS』No.25、1985年12月号
- ^ 「湾岸危機シミュレーション」「湾岸危機シミュレーションII 1月開戦確率54%」『シミュレイター』30号、31号
30号掲載分のみ『主砲射撃準備良し!』に所収
なお、第1回での1月開戦確率は53%、10月開戦確率45% - ^ 「ソビエト帝国の崩壊」『主砲射撃準備良し!』
ただし内戦の規模を過大に見積りすぎた - ^ 「仮想戦記人気ランキングNo.1作家に聞く 佐藤大輔」『歴史群像』1997年8月
このインタビュー冒頭、同誌が実施した人気アンケートで佐藤が一位になったことが記されている。 - ^ a b “【悼む】佐藤大輔さん/急逝した「無冠の帝王」”. 毎日新聞 東京朝刊. (2017年5月1日)
- ^ 「鏡の国の戦争」『シミュレイター』20号に掲載したものを『主砲射撃準備よし!』に収録。
- ^ 『軍事研究』1996年8月号では、分量は1ページもないが書評欄で『侵攻作戦パシフィックストーム』を紹介している。その中で、「以上のこと(設定)を頭に入れ、事実あった過去の歴史を頭から追い出さないと、読み進むうちに、虚構と現実がゴチャゴチャとなり、訳が分からなくなってしまう」「ナニモカモ、過去の太平洋戦争の逆を行っている」「これからがタノシミ」と解説している。
- ^ 井上孝司|Kojii.net「Opinion : 小国が大国と戦争して勝てるもの ? (2005/8/8) 」
- ^ 「それらしいフィクションを楽しんでいただく努力はしても、そこに登場する兵器を面白おかしく書くこと自体は目的ではありません。登場する兵器はあくまでも道具に過ぎません。兵器や、さらには国際政治、経済といったものを道具立てとして、ある仮想の世界を創りあげていく。」などと述べている。
「兵器や戦闘の位置づけは仮想の世界を創りあげるひとつの道具に過ぎない」(「仮想戦記人気ランキングNo.1作家に聞く 佐藤大輔」内)『歴史群像』1997年8月、P147 - ^ 『パナマ侵攻』2巻巻末など
- ^ RSBCでの日本は同盟国と欧州の市場を失った点で第二次世界大戦には敗北している。密書でも指摘がある。
- ^ 『シミュレイター』22号「あの頃にかえりたい」「あなたに神のおめぐみを」などでデザイナーの立場からウォーゲームの分類などについて自己の考えを詳しく述べている。
- ^ 佐藤は『レッドサン ブラッククロス密書』にて「時間犯罪者」に扮し、「もし、あのときこうして(なって)いたら?」といった、一点だけの改変では作り手が望む世界を構築するには根拠が不足している旨を述べている。
- ^ 「天皇によるクーデター鎮圧」「旧幕臣、攘夷派等の活躍によるハワイ王国の存続」「日露戦争での欧州式政治詐術」などが各ゲームの設定、および『主砲射撃準備良し』にて設定・解説されている。
- ^ 「タイムパトロール秘密報告 レッドサンブラッククロス計画」『レッドサンブラッククロス密書』pp47-49他
- ^ 「あなたに神のおめぐみを」『主砲射撃準備良し!』P76
- ^ 「本土決戦1995」『主砲射撃準備良し!』P152-153
- ^ 「仮想戦記人気ランキングNo.1作家に聞く 佐藤大輔」『歴史群像』1997年8月P146
- ^ 大西科学(ライトノベル作家)による 用語解説
- ^ これは意図的なもので「古典的なヒーローというのはどうも、好きになれません。これは悪役についても同じです」と述べている。
「仮想戦記人気ランキングNo.1作家に聞く 佐藤大輔」『歴史群像』1997年8月P148 - ^ 新『シミュレイター』3号
- ^ 図書館はあまり利用せず手元に置くタイプである。また、資料整理は下手で同じ本を何冊も買ってしまうこともあるという。
「仮想戦記人気ランキングNo.1作家に聞く 佐藤大輔」『歴史群像』1997年8月P146 - ^ こうした工夫は意識的に行なったものであり一例として「何をやっても必ずうまくいくスーパーヒーローを出してしまうと、世界が見えなくなってしまう。かといってあまり大きな世界の構造ばかりを書いていると、今度は"演説小説"になって、まぁ、大変ですから、そのあたりのかねあいについては、あれこれと考えることがあります。」と述べている。
「仮想戦記人気ランキングNo.1作家に聞く 佐藤大輔」『歴史群像』1997年8月P148 - ^ 北村賢志、如月東は各々の著書にてゲームの方が小説の形式より公正な扱いが出来る旨の主張を行なっている。一方、彼らが本を出す10年以上前のゲーム版『レッドサン ブラッククロス』では「どうぞ、この架空世界をお楽しみください。文句をつけるのはご自由です。“レッドサン ブラッククロス”はウォーゲームの自由の園なのですから」と書かれており、この口上は『TACTICS』No.25(1985年12月号)にても紹介されている。
- ^ 「あなたに神のおめぐみを」『主砲射撃準備よし』所収
- ^ 「鏡の国の戦争」『主砲射撃準備よし!』P121
- ^ 「II現代戦ゲーム編 解説」『主砲射撃準備良し!』P145-146
- ^ 「押井守+佐藤大輔」(文藝別冊 KAWADE 夢ムック『押井守』)にて、ただ右翼的なだけの考え方の持ち主に対しても違和感を持つ発言をしており、諸作品内での右翼の描かれ方とも一致している。
- ^ 「III歴史編 解説」『主砲射撃準備良し!』P209
- ^ 「II解説 現代戦ゲーム編」『主砲射撃準備良し!』P144
- ^ 一例としては『戦艦大和夜襲命令』の各章冒頭の歴史解説、『真珠湾の暁』など。小説でも『征途』『遥かなる星』のようにほぼ史実通りの経過を辿らせたシリーズでは日本軍は大局的な流れとしては批判的に描かれる。
- ^ 『日米決戦2025―そのとき、日本は決断した!』内のコラム
- ^ 「III歴史編 解説」『主砲射撃準備良し!』、P209-210
- ^ 「仮想戦記人気ランキングNo.1作家に聞く 佐藤大輔」『歴史群像』1997年8月
- ^ 「920名の反対署名が集まりました」、太田出版ニュース、2010年3月16日
- ^ 2017年3月26日のツイート
- ^ 小説家の佐藤大輔さん死去 代表作に「皇国の守護者」、朝日新聞デジタル、2017年3月26日
- ^ 早川書房による2017年3月28日のツイート
- ^ 帝国宇宙軍 1──-領宙侵犯-、Hayakawa Online
- ^ エルフと戦車と僕の毎日のシリーズ情報、カドカワBOOKS
- ^ 作家・佐藤大輔さんが死去 「征途」など架空戦記で活躍、「皇国の守護者」は続刊予定なし、ねとらぼ、2017年3月27日
- ^ 毎日新聞. “「作家・佐藤大輔さん:偲ぶ会 仮想戦記の名手惜しみ 」2017.12.22”. 2022年8月13日閲覧。
- ^ 朝日新聞. “「佐藤大輔「帝国宇宙軍」妄想呼ぶ、未完の置き土産」2017年5月28日”. 2022年8月13日閲覧。
- ^ “信長伝 - 佐藤大輔 著”. 中央公論新社. 2023年11月29日閲覧。
- ^ 題名は掲載当時人気を博していたアニメ『きまぐれオレンジロード』の劇場版と同名。エッセイの内容も楽しかった過去を回顧することがテーマのひとつである。
- ^ “学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEAD : 作品情報 : 作品情報”. アニメハック. 2020年9月19日閲覧。
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