Charlie_Parkerとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > デジタル大辞泉 > Charlie_Parkerの意味・解説 

パーカー【Charlie Parker】

読み方:ぱーかー

[1920〜1955]米国アルトサックス奏者。ビーバップスタイルを創始しモダンジャズ発展大きな影響与えた


チャーリー・パーカー

(Charlie_Parker から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/16 21:49 UTC 版)

チャーリー・パーカー
基本情報
出生名 チャールズ・パーカー・ジュニア
別名 ヤードバード
バード
生誕 1920年8月29日
アメリカ合衆国カンザス州カンザスシティ
出身地 アメリカ合衆国ミズーリ州カンザスシティ
死没 (1955-03-12) 1955年3月12日(34歳没)
アメリカ合衆国ニューヨーク州ニューヨーク
ジャンル ジャズ
ビバップ
職業 サクソフォーン奏者
作曲家
担当楽器 サクソフォーン
活動期間 1937年 - 1955年
レーベル Savoy Records
Dial Records
ヴァーヴ・レコード
公式サイト オフィシャルサイト

チャーリー・パーカーCharles Parker Jr. [1]1920年8月29日 - 1955年3月12日)は、アメリカ合衆国のジャズミュージシャン。アルトサックス奏者、作曲家、編曲家。「モダン・ジャズ(ビバップ)」を創造した「ジャズ・ジャイアンツ」の一人として知られる。

人物概要

1940年代初頭から、モダン・ジャズの原型となるいわゆるビバップスタイルの創成に、ディジー・ガレスピーと共に携わった。

これにより「モダン・ジャズ(ビバップ)の父」とも言われる。初期の頃よりヤードバード(Yardbird)(起源は諸説あり[2][3])と呼ばれており、後に単にヤード、或いは、バードとも呼ばれ、特に後者が親しまれた。パーカー自身も"Yardbird Suite"[4] や"Bird Feathers"といったタイトルを発表している。(イギリスのロックバンド、ヤードバーズの名は、これに由来。)

ニューヨークにあるバードランドはこの名称に由来し、ジョージ・シアリングの"Lullaby of Birdland"(バードランドの子守唄)やウェザー・リポートの"Birdland"といった曲もある。

十代の頃から数度の結婚を経て何人かの子供がいる(入籍していない事実婚があったり、相手の連れ子を我が子としたり、夭折した子がいたり、と数ははっきりとしない)。

生涯

アメリカ合衆国カンザス州カンザスシティに生まれ、ミズーリ州カンザスシティで育つ。父親は、もともとT.O.B.A.アフリカ系アメリカ人によるヴォードヴィルの興行組織)のピアニスト兼ダンサー兼シンガーであったが、後にプルマン社(鉄道会社)のウェイターやコックなど職を転々とし、パーカーが20歳になる前に亡くなっている。母親は、地方のウエスタンユニオンに夜勤めていた。

子供の頃より並外れた音楽の才能があった形跡はなく、彼に大きな影響を与えたのは、インプロヴィゼーションの基本を教えた若きトロンボーン奏者であった。

全盛期のパーカーのクインテット。左からトミー・ポッター (b)、チャーリー・パーカー (as)、マイルス・デイヴィス (tp)、デューク・ジョーダン (p)(後ろ姿)、マックス・ローチ (ds) は、パーカーの背後にほとんど隠れている。1947年8月ころにウィリアム・P・ゴットリーブが撮影。

1945年から1948年が音楽活動の最盛期であり、天才的なひらめきを伴ったそのアドリブは伝説化している。

1945年、若き日のマイルス・デイヴィスを自分のバンドに起用した。1947年にはマイルスの初リーダー・セッションもサポートする。ディジー・ガレスピーとともに『バード・アンド・ディズ (Bird and Diz)』[5] のアルバムを発表し、ビバップの誕生を告げた。アルバムにはセロニアス・モンクカーリー・ラッセルバディ・リッチも協力した。

若い頃から麻薬アルコールに耽溺して心身の健康を損ない、幾度も精神病院に入院するなど破滅的な生涯を送った。1940年代末期以降は演奏に衰えが見られるようになり、1955年に肺炎で早世した(心不全や肝硬変などと書かれることもあるが、ドラッグと酒に起因する多臓器不全であったことは間違いない)。遺体は、検視した医師が50代~60代だと誤認してしまうほど年老いて見えたという。

亡くなった折、ニューヨークの至る所の壁には彼の早過ぎる死を惜しんだファンたちが「バードは生きている」と落書きをした。

死後

作曲でも『オーニソロジー』『コンファメーション』『ナウズ・ザ・タイム』など、現在まで演奏されるユニークな作品を多く残した。ちなみにジャコ・パストリアスはパーカー作『ドナ・リー』(実際はマイルス・デイヴィスの作品)をデビュー作でカヴァーした。

死の数ヶ月前にニューヨークのチャールズ・コーリン社と生涯唯一の教則本 『YARDBIRD ORIGINALS』 の契約を行う(1955年出版)。出版の理由は、麻薬中毒治療のための入院費用を捻出するためだった。この本については色々な憶測が流れていたが、契約書に加えて、死の2ヶ月前にパーカーにより書かれた出版社へのクリスマスカードで本人が行った契約だと再確認されている。2005年、『YARDBIRD ORIGINALS』 は改訂されて再出版された。

その教則本とは別に、2012年には、アメリカのハル・レオナード社から「The Bird Book:The Charlie Parker Real Book」という未発表曲を含めたジャズ演奏家のための公式シートミュージック集(テーマ部の楽譜集)が発表された。

彼の生涯は1988年製作の映画『バード』(クリント・イーストウッド監督)で描かれている。

ディスコグラフィ(選定)

パーカーはサヴォイ・レコード(1944-1949)、ダイアル・レコード(1945-1947)、ヴァーヴ・レコード(1946-1954)の3レーベルに多く録音している。サヴォイやダイアルには彼の初期の作品があり、ダイアル期においては『チャーリー・パーカー・オン・ダイアル』が代表作に挙げられる。ヴァーヴには晩年の名作が収められている。それらの中から英語版よりの選定を抜粋する。

  • Live at Townhall w. Dizzy(1945, first released in 2005)
  • Bird and Diz at Carnegie Hall (1947)
  • Bird on 52nd Street (1948)
  • Jazz at the Philharmonic (1949)
  • Charlie Parker All Stars Live at the Royal Roost (1949)
  • One Night in Birdland (1950)
  • Bird at the High Hat (1953)
  • Charlie Parker at Storyville (1953)
  • Jazz At Massey Hall (1953)

関連書籍

  • 『チャーリー・パーカーの芸術』 平岡 正明 (著)、毎日新聞社、2000年。ISBN 4620314889
  • 『チャーリー・パーカーの伝説』 ロバート・ジョージ・ライズナー(著)、晶文社 、1972年。ISBN 4794951779。(晶文社クラシックス)1998年。ISBN 4794912587
  • 『チャーリー・パーカー -モダン・ジャズを創った男』 カール・ウォイデック(著)、水声社、2000年。ISBN 4891764333
  • 『バードは生きている―チャーリー・パーカーの栄光と苦難』ロス・ラッセル (著) 、草思社、1985年。ISBN 4794202032
  • The Bird Book: Charlie Parker Real Book by Masaya Yamaguchi(山口雅也 編) 、 Hal Leonard Corporation) 、 2012年。 ISBN 978-1423495659

関連項目

脚注

  1. ^ Christopherというミドルネームが書かれた記事や文献があるが、母親は否定している
  2. ^ Arban (2020年6月26日). “【ビバップを創生した巨人】モダン・ジャズの父 チャーリー・パーカー”. ARBAN. 2024年9月17日閲覧。
  3. ^ Charlie Parker - myth and mayhem - National Jazz Archive” (英語). nationaljazzarchive.org.uk (2020年8月31日). 2024年9月17日閲覧。
  4. ^ https://www.allmusic.com/album/yardbird-suite-mw0000232502
  5. ^ Charlie Parker And Dizzy Gillespie - Bird And Diz - Discogs (発売一覧)

外部リンク



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「Charlie_Parker」の関連用語

Charlie_Parkerのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



Charlie_Parkerのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのチャーリー・パーカー (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS