The Backrooms
(Back Room から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/09/22 00:53 UTC 版)
The Backrooms(バックルーム[1])は、英語圏の匿名掲示板「4chan」に投稿されたクリーピーパスタに由来するインターネット都市伝説である[2]。
概要
The Backroomsは、普通は群衆で混雑している空間が不自然に閑散している様子を描写するリミナルスペースと呼ばれるインターネット美学の最も有名な例である。The Backroomsの起源は「現実でnoclipモードになる」ことで迷い込んでしまう空っぽなオフィスルームの迷宮というアイデアである。
The Backroomsの人気が徐々に高まるにつれて、インターネットユーザーはThe Backroomsに新しいフロアを追加したり、The Backroomsに生息する怪物を作成したりすることで、元のアイデアを拡張していった。一部の創作者は、共同創作ウィキやファンメイドのゲームや短編ビデオなどを作成した。
特にケイン・パーソンズがYouTube上に2022年1月から投稿を始めた一連の短編ホラービデオは、The Backroomsとリミナルスペースをインターネット文化のメインストリームに引き上げた[3]。その後、パーソンズは映画版『バックルームズ』を監督している。本作は2026年にA24配給で劇場公開され、全世界で4億ドル(約630億円)以上の興行収入を記録し[4][5]、世界48か国で初登場1位を獲得[6]。パーソンズは史上最年少(20歳)で北米興行収入初登場1位を獲得した監督となった[7]。
起源
2019年5月12日、4chanの/x/(超常現象板)において、匿名のユーザーがスレッドを作成して不穏な画像を投稿するように求めた[8][9][10][11]。そのユーザーが添付した画像は、黄色い壁紙と蛍光灯とカーペット敷きの部屋をダッチアングルで写したものであった[9][10]。この画像は、匿名の人物が2018年4月12日に投稿している[10][12]。この画像の起源は長らく不明だったが、2024年5月、オシュコシュにあるHobbyTown USAの店舗が家具店の居抜き物件を購入して改装している様子を撮影して2003年に自身のブログへアップロードした画像が起源だということが判明した[13]。
2019年5月13日、匿名のユーザーが、この画像の黄色い部屋は"The Backrooms"であるとする後述の文章を4chanに投稿した[10][12][14]。この投稿は、The Backroomsの原型となったものであり、The Backroomsに関わる殆ど全てのインスピレーションを引き起こしたものである[14]。
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If you're not careful and you noclip out of reality in the wrong areas, you'll end up in the Backrooms, where it's nothing but the stink of old moist carpet, the madness of mono-yellow, the endless background noise of fluorescent lights at maximum hum-buzz, and approximately six hundred million square miles of randomly segmented empty rooms to be trapped in
God save you if you hear something wandering around nearby, because it sure as hell has heard you — Anonymous. 4chan 2019/5/13.[15]
あなたが注意を怠って、おかしな所で現実から外れ落ちると、古くて湿ったカーペットの匂いと、単調な黄色の狂気と、最大限にハム音を発する蛍光灯による永遠に続く背景雑音と、約十五兆 m2 を超えて広がるランダムに区分けされた空っぽな
部屋部屋 に閉じ込められるだけの、 "The Backrooms" へ行き着くことになるのです。もし、近くで何かがうろうろしているのが聞こえたら、それはきっとあなたが出す音に気付いていることでしょう。あなたに神の救いがあらんことを。
— Anonymous. 4chan 2019/5/13.[15] (Translated by Backrooms Wiki. 2023/8/29.[16])
発展・ファンダム
オリジナルのクリーピーパスタが誕生した数日後、多くのRedditユーザーが、最初はr/creepypastaで、その後にr/backroomsなどでThe Backroomsに関するショートストーリーを投稿し始めた[11][12]。複数の創作者が、追加のフロアを作成し、それらに棲む怪物を作成することで、The Backroomsを拡張していった[17][14]。Happy Magによると、The Backroomsはビデオゲームのようなレベルを持ち、Level 0は黄色い部屋であり、Level 1はコンクリートの部屋であり、Level 2は高温になった狭いコンクリート廊下であり…というようになっているとする一派が存在している[17]。
TwitterやTikTokなどへThe Backroomsの動画がアップロードされることにより、The Backroomsのファンダムは他のプラットフォームへも拡大していった[12]。The Backroomsの創作に特化したウィキとして、 2019年6月に英語Fandom版のウィキが、2020年3月に英語Wikidot版のウィキが設立され、それぞれで新たな創作が続いている[10][18]。
また、The Backroomsはファンダムの枠を超えて他の映像作品にも影響を与えており、たとえば不穏なオフィス空間を描いたテレビシリーズ『セヴェランス』の原案者であるダン・エリクソンは、同作に影響を与えたもののひとつとしてThe Backroomsを挙げている[19][20][12]。
純粋主義と拡張主義
既存の作品の周囲に形成された既存の正典とファンフィクションの間に明確な違いがあるようなファンダムとは異なり、The Backroomsを所有する個人あるいは団体は存在しない(後述)[14]。本物の正典と、そうでないものとの間に線を引くことは困難である[14]。各作品の設定は「無限に続く黄色い部屋に迷い込む」という基本的な要素を保ちながらも、お互いに異なり、いわゆる「公式」にあたる作品は存在しない[10]。Kotakuは、特定の誰かに「属さない」がゆえにThe Backroomsは様々な可能性を持っていると評している[12]。
しかし、The Backroomsのコミュニティでは、多くのインターネットコミュニティと同様に、複数の分断が発生している[14]。たとえば一部のファンは、活発な物語が存在することを好まず、原点の写真に存在する孤独感と恐ろしさを好んでいる[14]。r/backroomsで新しいフロアと怪物の創作が始まったのを敬遠し、u/Litbeepはオリジナルの黄色い部屋だけに焦点を当てるr/TrueBackroomsというコミュニティを立ち上げた[11]。
サマンサ・カルプは「The Backroomsのコミュニティではオリジナル主義者と純粋主義者と拡張主義者による或る種の戦いがある」とコメントしているほか[14]、ケイン・パーソンズは「純粋主義者の考えに全同意するわけではないが理解できる」とし、オリジナルが醸し出す雰囲気を保ちながら物語を拡張していく戦略を採用していると語っている[14]。日本語Fandom版のウィキは「それぞれのレベルは可能な限り、そのレベル内で完結するように執筆しなければならない」というルールを設けることで、それぞれの作者が一定の独立性を維持できるようになっている[20]。
2022年3月時点でr/backroomsのメンバーは約16万人[11]、2022年3月時点でr/TrueBackroomsのメンバーは約1万5千人となっており[11]、2023年1月時点で英語Fandom版のウィキに記載されているレベルの数は1100を超えている[20]。
受容・ムーブメント
The Backroomsは、2010年代以降に広まったインターネット美学(Internet Aesthetics)と密接に関わっている。具体的には、過去の消費文化や初期デジタル文化へのノスタルジーを特徴とするヴェイパーウェイヴ、夢のような懐かしさと非現実感を特徴とするドリームコア、低解像度の画像や不気味な表現によって不安や違和感を喚起するウィアードコアなど、隣接するインターネット美学と相互に影響し合いながら[22][23]、より包括的な概念であるリミナルスペースの一類型(サブジャンル)として形づくられていった[24]。
The Backrooms自体の流行も、リミナルスペースの認知と人気を高める要因となった[21][25]。一部では、The Backrooms自体をリミナルスペース文化の起源とみなす言説も存在する[12][26]。Kotakuは、こうした空間に内在する微妙なズレや違和感が、The Backroomsの恐怖を生み出していると論じた[12]。
The Backroomsの流行は、SNSを通じてリミナルスペース文化そのものを広く拡散させた。TikTokでは「#liminalspaces」のハッシュタグが1億回近く再生され[21]、Google Earthを拡大してThe Backroomsへの「入口」を発見するという内容の動画も人気を集めた[24][27]。日本でもリミナルスペースは、2021年頃からSNSを通じて知られるようになっている[1]。
批評や報道では、The Backroomsは既存のホラー表現やインターネット上の共同創作文化との関連から位置づけられている。PC Gamerは、その多様な「レベル」をハワード・フィリップス・ラヴクラフトのルルイエや弐瓶勉の漫画『BLAME!』の都市になぞらえ「場所版の不気味の谷」と表現した[24]。また、ABCニュースやル・モンドなどは、The BackroomsをSCP財団などと同様の、インターネット上で発展した集団創作ホラーのひとつとして位置づけている[10][14][18][20]。
The Backroomsの恐怖や魅力について、カーティン大学教授のタマ・リーバーは、その源泉を「あえて多くを説明せず、描かれていないものを想像させること」に求めている。断片的な情報しか示されないことで、見る者の解釈や考察、新たな素材の探索や発見が促されることが、このミームの大きな強みだという。また、不気味でありながらどこか見覚えのある感覚が人々を引きつけ、その感覚をファン同士で共有することによって、The Backroomsをめぐる共同体的なつながりも生まれていると指摘している[11]。
さらにKotakuは、The Backroomsの魅力として、特定の誰かに「属さない」点を挙げ、その内容や神話の行方を決定する明確な所有者は存在せず、その広がり方を、遊び場で歌い継がれる童謡になぞらえ、核となる要素を保ちながらも新たな要素が付け加えられ、発展し続けていると評した[12]。
拡散
YouTube
2022年1月6日、ケイン・パーソンズが『The Backrooms (Found Footage)』というタイトルの短編ホラー映画をYouTubeにアップロードした[28][29]。ケイン・パーソンズはKane PixelsというYouTubeチャンネルを運営しており、そこでThe Backroomsに関するシリーズを公開している[30][29]。パーソンズは、BlenderとAdobe After Effectsを使用して"The Backrooms (Found Footage)"を約1ヶ月間かけて作成した[11][31]。 パーソンズは、The Backroomsについて、1990年代後半から2000年代にかけての殆ど覚えていない過去の現れであると説明した[11]。"The Backrooms (Found Footage)"は2022年5月時点で約2600万再生されている[32]。
"The Backrooms (Found Footage)"はr/backroomsにおいて、The Backroomsファンから称賛を受けている[32]。この動画をWPSTは「インターネットで最も恐ろしい動画」と呼び[33]、Otaku USAはアナログホラーに分類した[34]。Dread CentralとNerdistは、SCP財団から着想を得たビデオゲーム「Control」(2019年)と比較し[35][36]、Kotakuは「情報を抑制していることにより恐怖と謎を生み出している」と称賛した[12]。ねとらぼは「真・女神転生の世界観のようだ」とする意見を紹介している[1]。一方でBoing Boingのロブ・ベシッツァは、The Backroomsは、クリーピーパスタのスレンダーマンと同様に、最終的には「小綺麗だが見るに堪えない2時間の退屈なハリウッド映画」になるだろうと映画化の出来を予測した[37]。
2023年2月時点で、ケイン・パーソンズはThe Backroomsシリーズを18本の作品へと拡大している[38]。パーソンズは、The Backroomsシリーズを拡大していくなかで、物語の要素として、1980年代にThe Backroomsへのポータルを開いて調査を行った組織であるASYNCを導入した[12][14]。このシリーズは合計で1億回以上の再生回数を獲得し[39]、The Backroomsをサブカルチャーからインターネットのメインストリームへと引き上げ、The Backroomsのコンテンツの急増を引き起こした[12][24]。さらにこのシリーズはファウンド・フッテージというジャンルを再活性化させた[40]。パーソンズは、これらの短編作品により、2022年のストリーミー賞でThe Game Theoristsから審査員特別賞を受賞した[41]。
映画化
2023年2月6日、独立系映画スタジオのA24は、ケイン・パーソンズの短編を元にし、本人が監督を務めるThe Backroomsの映画化に取り組んでいることを発表した[30][38]。脚本はロベルト・パティーノが執筆し、プロデュースはジェームズ・ワンとショーン・レヴィに加え、Atomic Monsterのマイケル・クリア、 21 Laps のダン・コーエンとダン・レヴィンが務めた[30][38]。
本作は2026年5月29日にアメリカ合衆国で公開され[44]、製作費1000万ドル(約16億円)に対し、全米初週3日間で8100万ドル(約129億円)の興行収入を記録した[45]。これは前週に公開された『スター・ウォーズ/マンダロリアン・アンド・グローグー』の興行収入を上回り、初週の全米週末興行収入ランキングで1位となった[46]。ヒットは北米以外にも広がり、世界48か国で初登場興行収入1位を記録[6]。監督のパーソンズは、この記録を達成した史上最年少の映画監督となった[6]。その後も興行収入を伸ばし、2026年9月時点で世界累計4億ドル(約630億円)に達している[4][5]。
日本では2026年9月4日に全国公開され[47]、公開初週末3日間で16万3000人を動員し、興行収入2億4700万円を記録、全国週末興行ランキングで初登場4位となった[48]。日本公開に合わせてパーソンズも初来日し、9月4日にTOHOシネマズ六本木ヒルズで行われた舞台挨拶に登壇し、ゲームクリエイターの小島秀夫と対談した[49]。また、9月6日にはTOHOシネマズ新宿および109シネマズ二子玉川でティーチインを行った[50]。
ゲーム
The Backroomsは、SteamやRoblox やMinecraftなどのプラットフォームで公開されたものも含む数多くのビデオゲームに影響を与えている[32][51]。
2019年7月25日、Pie on a Plate Productionsが"The Backrooms Game FREE Edition"をリリースし[52]、PCMagとRock Paper ShotgunとBloody Disgustingはその雰囲気を称賛している[9][53][54]。Sigma Klimは「『ゆめにっき』と同じような斬新さがある」と好意的に述べた一方[55]、Bloody Disgustingは「最初の5分間は子供時代の恐怖の体験として優れているが、その後は徐々に飽きてしまい、1回のプレイだけで充分である」と批評している[9]。
2022年5月26日、Steelkrill Studioがサイコロジカルサバイバルホラーゲーム"The Backrooms 1998"をリリース[51]。Bloody DisgustingとPCGamesNは、このゲームのファウンドフッテージスタイルを評価している[56][57]。同年8月12日、Fancy Gamesが協力型マルチプレイヤーゲーム"Escape the Backrooms"をリリース[38][58]。このゲームをBloody Disgustingは「ウィキが拡張した設定を忠実に描写している」と賞賛している[58]。
これ以外にも類似のゲーム作品が制作されており、2019年にはJamathanによる"Lost in the Backrooms"[10]、2021年にはCosmic Crow Creationsによる"Enter the Backrooms"[10][51]、2022年にはPatrik Nagyによる"The Backrooms Project"[51]、MateusDevによる"Nocliped"がリリースされている[51]。また、2023年にリリースされた『8番出口』開発者のKOTAKE CREATEは『I'm on Observation Duty』『P.T.』『Twelve Minutes』などとともに、The Backroomsやリミナルスペースから影響を受けたと述べている[59]。
アトラクション
2022年には、お化け屋敷プロデューサーであるマイケル・ティー・ヤマグチによりアトラクション化された[60]。
原作者の正体
The Backroomsの起源となった短文については「Black August」と名乗るユーザーが、4chanへ投稿されたクリーピーパスタの原文を書いたのは自身であると2019年9月22日にSomething Awfulで告白している[61]。この人物によると、創作意欲を失っていた時期に4chanの/x/で不気味な室内写真を見つけ、短いホラー設定を書き込んだものの、投稿当時は大した反応もコメントもなく、掲示板を見返すこともなかったが、ほどなくして自身の文章がThe Backroomsの起源として引用されていることをYouTubeなどで知り驚愕したという[62]。
Augustによれば、The Backroomsの核にあるのは、怪物が徘徊する迷宮というイメージではなく「現実世界にもゲームのマップ外に相当する領域が存在したらどうなるか」という発想そのものであった。ゲームでは、通常のプレイ領域から外れることで、本来は到達できない未使用のマップや不完全な空間などが現れることがある。Augustはこの感覚を現実世界に置き換え、その境界を越えた先に、日常の法則から外れた別の領域が存在するという構想をThe Backroomsへ発展させた[62]。したがって、怪物との遭遇はそこで起こり得る数ある出来事のひとつに過ぎない。Augustが重視したのはむしろ、現実の境界を越えた先では「何が起きても、何に遭遇してもおかしくない」という不確実性そのものだった[62]。
一方でThe Backroomsが多数のゲーム、映像作品、ファンアート、ウィキなどへ派生したことについては肯定的な見解を示しており、ひとつのアイデアが他者の創作を刺激し、さらに別の作品へ発展していくことに価値を見いだしていると語った[62]。2026年の映画公開後も、若いクリエイターによる映像表現や演出について好意的な評価を下している[63]。The Backroomsの広がりは自身が再び創作活動を行う契機にもなり、2020年末以降、Something Awful上で選択式アドベンチャーとテーブルトークRPGを組み合わせた形式の作品を制作し、その中でもThe Backroomsと同様の着想を流用している[62]。
一方、元となった4chanへの投稿は匿名で行われており、Augustと当該投稿者が同一人物であることを証明することは困難である。そのため、Augustについては、あくまで原投稿の作者であると自称している人物のひとりとして扱われる。
著作権とライセンス
4chanの権利放棄
The Backroomsは、4chanに匿名で投稿された画像と文章を起源とするインターネット怪談(クリーピーパスタ/ネットロア)である。その後、多数のユーザーによる二次創作を通じて世界観が拡張され、映像作品やゲームなどへ展開された。ただし、匿名掲示板発のコンテンツが大規模な文化現象へ発展したとしても、掲示板の運営者や原投稿者が、その後のメディア展開や利益の分配に直接関与するとは限らない。
特に4chanは投稿コンテンツについて「4chanが所有・作成したものではなく、ユーザーによるものである」との立場を免責事項で示しており、5ちゃんねる(旧2ちゃんねる)と違って、ユーザーが投稿したコンテンツをプラットフォームの所有物と位置づけていない。2ちゃんねる創設者で4chan管理人の「ひろゆき」こと西村博之も、匿名掲示板発のコンテンツが映画化など商業利用された場合にプラットフォーマーへ利益が還元されるかとの質問に対し「それはない」とYouTube上の配信で回答している。また、The Backroomsの映画化に関連して「特に連絡はなかった」「勝手に(どうぞ)って感じですね」と述べている[64]。
オリジナル画像の著作権放棄
The Backroomsのオリジナル画像「Dsc00161.jpg」を含む写真群については、店舗オーナーであるBob Mazzaの許可を得た第三者によって、2024年7月31日にInternet Archive上で公開され、CC0 1.0 Universal(パブリックドメイン相当)として配布されている[65][66]。
このライセンス指定については、著作権の放棄として有効かどうかをめぐり、英語版ウィキメディア・コモンズ上で議論が行われたものの、Mazza自身が「インターネットへの贈り物として、誰でも写真を好きなように使えるようにすべき」とする意思を示し、特定のライセンスを自ら指定せず、第三者にアップロードとライセンス設定を委ねていたことから、CC0による公開・利用は有効と判断されている[66][67]。
派生作品におけるCC BY-SAライセンスの適用範囲
アメリカ合衆国著作権局は、著作権が保護するのはアイデアそのものではなく、それを具体的に表現した文章や画像などであると説明している[68]。したがって「無限に続く黄色い部屋に迷い込む」というThe Backroomsの基本的なアイデアやコンセプトそれ自体は、著作権によって独占されるものではない。
これに対し、ウィキを中心とする共同創作コミュニティで公開されている個々のコンテンツを利用・翻案する場合、特記のない限りCC BY-SA 3.0に従う必要があり、派生作品にも同一ライセンスを継承することが求められる[69]。CC BY-SA 3.0とは、使用した著作物の出典・作者を表示すること(BY)と、改変・翻案した作品を同じライセンスで公開すること(SA)を条件に、著作物の自由な複製・再配布・改変・商用利用を認めるクリエイティブ・コモンズ・ライセンスである。
一方、ケイン・パーソンズによる一連の作品は、ウィキ上で発展してきた設定をそのまま映像化したものではなく、パーソンズ自身が別個の「翻案」として位置づけている[70]。そのため、パーソンズのウェブシリーズや、それを原作とする映画作品が、The Backroomsを題材にしているだけで、ただちにCC BY-SA 3.0の対象になるわけではない。CC BY-SAの条件が及ぶかどうかは、ウィキ上で公開された具体的な著作物を利用・翻案しているかどうかによって判断される。
2026年9月、SCP財団の各言語版ウィキが参加するSCP Internationalも、映画版『バックルームズ』とA24によるSCP財団の映画化を比較した声明の中で、元来のThe Backroomsは、特定の作者を持たないインターネット・ミームとして広まったものであり、その概念自体にはライセンス上の制約がなかったため、パーソンズはそこから制作した自身の作品について知的財産権を管理できたとの見解を示している[71]。これに対し、The Backroomsと同じく4chanの超常現象板(/x/)を母体としつつも[2]、成立当初からCC BY-SAライセンスの下で発展してきたSCP財団は、The Backroomsとは「事情がまったく違う」とし、CC BY-SA 3.0が適用されたSCP財団のコンテンツをもとに翻案作品を制作する場合、その作品にも同じライセンスを継承する必要があるとしている[71][72]。
関連項目
出典
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関連文献
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外部リンク
- The Backrooms - Know Your Meme
- Backrooms Wiki - 日本語Fandom版のWiki
- The Backrooms Wiki - 英語Wikidot版のWiki
- Kane Pixels - YouTubeチャンネル
「back room」の例文・使い方・用例・文例
- Back Roomのページへのリンク
