5億2000万年前の世界最古のヒスイ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/10 01:58 UTC 版)
「糸魚川のヒスイ」の記事における「5億2000万年前の世界最古のヒスイ」の解説
上述のように糸魚川市とその周辺に産出されるヒスイは、もともとは蛇紋岩メランジュ内にあったものである。かつて糸魚川周辺で産出されるヒスイは、ヒスイとともに蛇紋岩メランジュ内に含まれる結晶片岩の分析により得られた生成年代などから、約4億年前から3億年前頃に生成されたものと考えられていた。 しかし後述のように蛇紋岩メランジュは、地中深くで生成された蛇紋岩の岩体が周囲の様々な種類の岩石を取り込んでいくことで形成される。つまり蛇紋岩メランジュの中に取り込まれたヒスイと結晶片岩が同時期に生成されたものとは限らない。そこでヒスイそのものの生成年代を直接測ることが求められた。年代を直接測定する際、ヒスイ内に含まれるジルコンに着目した。糸魚川産のヒスイに含まれるジルコンはその性状から判断してヒスイと同時に生成されたと考えられる。ジルコンの試料をウラン-鉛法 (U-Pb) を用いて年代測定を行ったところ、約5億2000万年前のオルドビス紀に生成されたとの結果が出た。 糸魚川のヒスイが生成された約5億2000万年前という年代は、岡山県新見市大佐山に産するヒスイとともに、確認されている中では最も古い年代に生成されたものである。つまり糸魚川のヒスイは世界最古のヒスイである。
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