2つ以上に分岐する場合
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/23 01:23 UTC 版)
「指数関数的減衰」の記事における「2つ以上に分岐する場合」の解説
ある量が2個あるいはそれ以上に分岐して崩壊する場合がある。一般的に、この過程(しばしば崩壊モード、崩壊チャネル、分岐比などとよばれる)は異なる確率で分岐し、したがって異なる比率、異なる半減期で平行して起こりうる。量N が(崩壊の如何にかかわらず)崩壊する比率は、分岐比の総和で与えられ、2つに分岐する場合では − d N ( t ) d t = N λ 1 + N λ 2 = ( λ 1 + λ 2 ) N {\displaystyle -{\frac {dN(t)}{dt}}=N\lambda _{1}+N\lambda _{2}=(\lambda _{1}+\lambda _{2})N} で与えられる。この方程式の解は前の節で見たように和λ1 + λ2 をあらたな崩壊定数λc として扱い、 N ( t ) = e − ( λ 1 + λ 2 ) = e − λ c {\displaystyle N(t)=e^{-(\lambda _{1}+\lambda _{2})}=e^{-\lambda _{c}}} のようにすれば良い。ところで、τ = 1/λ であるから、総平均寿命τc は複数のλi によって 1 τ c = λ c = λ 1 + λ 2 = 1 τ 1 + 1 τ 2 {\displaystyle {\frac {1}{\tau _{c}}}=\lambda _{c}=\lambda _{1}+\lambda _{2}={\frac {1}{\tau _{1}}}+{\frac {1}{\tau _{2}}}} と表される。通分して逆数をとり、 τ c = τ 1 τ 2 τ 1 + τ 2 {\displaystyle \tau _{c}={\frac {\tau _{1}\tau _{2}}{\tau _{1}+\tau _{2}}}} となる。つまり複数の崩壊に分岐する場合の平均寿命とは、各々の平均寿命の調和平均の逆数でありまた各々の平均寿命の和を全ての平均寿命の積で割ったものである。 ところで半減期と平均寿命は定数項が異なるだけであるから、上記式は半減期の場合も全く同様に T 1 / 2 = t 1 t 2 t 1 + t 2 {\displaystyle T_{1/2}={\frac {t_{1}t_{2}}{t_{1}+t_{2}}}} と書くことができる。ここでT1/2 は全半減期であり、t1 は1番目の半減期、t2 は2番目の半減期である。 全半減期を崩壊定数を用いてあらわせば T 1 / 2 = ln 2 λ c = ln 2 λ 1 + λ 2 {\displaystyle T_{1/2}={\frac {\ln 2}{\lambda _{c}}}={\frac {\ln 2}{\lambda _{1}+\lambda _{2}}}} のようになる。3つに分岐する場合であっても調和平均の逆数であるから T 1 / 2 = ln 2 λ c = ln 2 λ 1 + λ 2 + λ 3 = t 1 t 2 t 3 ( t 1 t 2 ) + ( t 1 t 3 ) + ( t 2 t 3 ) {\displaystyle T_{1/2}={\frac {\ln 2}{\lambda _{c}}}={\frac {\ln 2}{\lambda _{1}+\lambda _{2}+\lambda _{3}}}={\frac {t_{1}t_{2}t_{3}}{(t_{1}t_{2})+(t_{1}t_{3})+(t_{2}t_{3})}}} となる。
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