トリフェニルテトラゾリウムクロライドとは? わかりやすく解説

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トリフェニルテトラゾリウムクロライド

(2,3,5-トリフェニルテトラゾリウムクロライド から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/06 01:14 UTC 版)

トリフェニルテトラゾリウムクロライド
識別情報
CAS登録番号 298-96-4 
ChemSpider 8926 
特性
化学式 C19H15ClN4
モル質量 334.8 g/mol
外観 white crystalline powder
log POW -2.4
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

2,3,5-トリフェニルテトラゾリウムクロライド (2,3,5-Triphenyl tetrazolium chloride, TTC) は、酸化還元指示薬の一つ。主に生化学の分野などで、細胞呼吸や代謝活性を測定するために用いられる。TTCは白色結晶で、水やエタノールアセトンには溶けるが、エーテルには不溶。また熱や光によって分解するため、冷温・暗所で保管を行う必要がある。

TTC試験

TTCは、生体組織の代謝活性の有無を調べる試薬として用いられる。TTCはもともと白色であるが、生理活性のある組織内では脱水素酵素によって還元され、不溶性で赤色の TPF (1,3,5-triphenylformazan, トリフェニルホルマザン) [1]になる。しかし活性がない組織では呈色は起こらない。

この性質を利用して、根の生理活性の測定[1]や、種子発芽能力の鑑定[2]細菌増殖の有無の鑑定[3]などに用いられる。TTCをTPFに還元する酵素は様々であるが、電子伝達系コハク酸脱水素酵素[4]フラビン酵素[1]などがTTCの還元に関与している。

脚注

  1. ^ a b c 高橋英一他(1980)『新版 作物栄養学』(朝倉書店)p.41
  2. ^ 緒方潤, 花尻(木倉) 瑠理, 吉松嘉代, 木内文之, 合田幸広 (2008) “大麻種子の2,3,5-Triphenyl-2H-tetrazolium Chloride (TTC) による発芽能力鑑定法”, 薬学雑誌, Vol. 128, 1707-1711.
  3. ^ 森地敏樹 , 入江良三郎 , 矢野礼信 (1971) 2.TTCテストにおける凍結乾燥菌の利用(第1セッション「凍結乾燥」,シンポジウム「凍結・乾燥と保護物質) 凍結及び乾燥研究会会誌 17, 54-56
  4. ^ 川口公男・山本英記(1987)「レンコンの呼吸特性と土壌の酸化還元」徳島農試研報 24 30-33

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