1938年のグランプリ・シーズンとは? わかりやすく解説

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1938年のグランプリ・シーズン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/17 05:50 UTC 版)

1938年のAIACRヨーロッパ選手権
ドライバーズチャンピオン
ルドルフ・カラツィオラ
前年: 1937 翌年: 1939
1938年のグランプリシーズン
前年: 1937 翌年: 1939
メルセデス・ベンツは1938年シーズンにメルセデス・ベンツ・W154で参戦した。

1938年のグランプリ・シーズン は、AIACRヨーロッパ選手権の第6回大会が開催されたグランプリ・シーズンである。メルセデスルドルフ・カラツィオラがヨーロッパ選手権を制した。カラツィオラは選手権の対象となる4つのグランプリのうち1つに勝利した。

シーズン概要

シーズン開幕前の1938年1月、アウトバーンでの速度記録挑戦中にベルント・ローゼマイヤーが事故死した。1938年シーズンには750kgフォーミュラに替わる新レギュレーションが施行され、従来の大排気量かつ軽量なマシンはグランプリに出場できなくなった[1]。新しいフォーミュラに対応するため、メルセデス・ベンツはスーパーチャージャー付3.0 V12エンジン搭載のメルセデス・ベンツ・W154を新開発した。ローゼマイヤーを失ったアウトウニオンは、メルセデスW154と同様にスーパーチャージャー付3.0 V12エンジンを搭載する新型車、アウトウニオン・タイプDで参戦した。アルファロメオは、スクーデリア・フェラーリアルファコルセ英語版に吸収合併し、公式にワークス体制でグランプリに参戦した。アルファロメオは新フォーミュラに合わせ、ティーポ308英語版ティーポ312英語版ティーポ316英語版の3種類のマシンを開発したが、ドイツ勢のマシンに匹敵する競争力は無く、エースのタツィオ・ヌヴォラーリはシーズン序盤のポー・グランプリがリタイアに終わると、アウトウニオンへと移籍していった[1]。1938年シーズンはまたしてもメルセデスが支配する物となり、雨のスイスグランプリで勝利したルドルフ・カラツィオラが2年連続でヨーロッパ選手権を制した。アウトウニオンはローゼマイヤーを欠く中で、ヌヴォラーリがイタリアグランプリとドニントングランプリで2勝を挙げたのみに終わった。メルセデスの若い英国人リチャード・シーマンは、カラツィオラフォン・ブラウヒッチュといったドイツ人のチームメイトを相手に速さを見せ、ニュルブルクリンクでのドイツグランプリで初優勝を遂げた。

ヨーロッパ選手権グランプリ

Rd 開催日 レース サーキット PP(プラクティス最速) ファステストラップ 優勝者 コンストラクター レポート
1 7月3日 フランスグランプリ ランス・グー ヘルマン・ラング ヘルマン・ラング マンフレート・フォン・ブラウヒッチュ メルセデス・ベンツ 詳細
2 7月24日 ドイツグランプリ ニュルブルクリンク マンフレート・フォン・ブラウヒッチュ リチャード・シーマン リチャード・シーマン メルセデス・ベンツ 詳細
3 8月21日 スイスグランプリ ブレムガルテン・サーキット リチャード・シーマン リチャード・シーマン ルドルフ・カラツィオラ メルセデス・ベンツ 詳細
4 9月11日 イタリアグランプリ モンツァ・サーキット ヘルマン・ラング ヘルマン・ラング タツィオ・ヌヴォラーリ アウトウニオン 詳細

非選手権グランプリ

開催日 レース サーキット 優勝者 コンストラクター レポート
4月10日 ポー・グランプリ ポー市街地コース ルネ・ドレフュス ドライエ 詳細
4月18日 キャンベル・トロフィー英語版 ブルックランズ プリンス・ビラ ERA 詳細
4月23日 コークグランプリ キャリグローヘイン市街地コース ルネ・ドレフュス ドライエ 詳細
5月15日 トリポリグランプリ メラハ・サーキット ヘルマン・ラング メルセデス・ベンツ 詳細
5月29日 シルクイート・ド・ガヴェア・ナシオナル ガヴェア市街地コース アルトゥール・ナシメント Jr アルファロメオ 詳細
6月5日 グランプリ・ド・フロンティエ シメイ市街地コース モーリス・トランティニアン ブガッティ 詳細
6月12日 リオデジャネイロ グランプリ ガヴェア市街地コース カルロ・マリア・ピンタクーダ アルファロメオ 詳細
7月7日 コッパ・チアーノ英語版 モンテネーロ・サーキット英語版 ヘルマン・ラング メルセデス・ベンツ 詳細
8月15日 コッパ・アチェルボ英語版 ペスカーラ・サーキット ルドルフ・カラツィオラ メルセデス・ベンツ 詳細
8月27日 JCC 200マイルレース ブルックランズ ジョニー・ウェイクフィールド ERA 詳細
10月15日 マウンテン・チャンピオンシップ ブルックランズ レイモンド・メイズ ERA 詳細
10月22日 ドニントングランプリ ドニントンパーク タツィオ・ヌヴォラーリ アウトウニオン 詳細

1938年のドライバーズランキング

順位 ドライバー FRA
GER
SUI
ITA
Pts
1 ルドルフ・カラツィオラ 2 2 1 3 8
2 マンフレート・フォン・ブラウヒッチュ 1 Ret 3 Ret 15
3 ヘルマン・ラング 3 Ret 10 Ret 17
4 リチャード・シーマン 1 2 Ret 18
5 タツィオ・ヌヴォラーリ Ret 9 1 20
= ハンス・シュトゥック 3 4 Ret 20
= ヘルマン・パウル・ミューラー 4 Ret Ret 20
8 ジュゼッペ・ファリーナ Ret 5 2 21
9 ルネ・ドレフュス 5 8 24
= ピエトロ・ゲルシ 8 5 24
11 ジャン=ピエール・ウィミーユ Ret 7 Ret 25
12 ピエロ・タルッフィ Ret 6 Ret 26
13 クレメンテ・ビョンデッティ Ret 4 27
14 ルネ・キャリエール 4 28
= クリスチャン・カウツ Ret Ret Ret 28
= ルドルフ・ハッセ Ret Ret 28
= パウル・ピーチュ 6 28
= レナート・バレストレーロ 7 28
= フランコ・コルテーゼ 9 28
= “ラフ” 11 28
= エミリオ・ロマーノ 12 28
= マックス・クリステン 13 28
= エドアルド・テアーノ 14 28
24 フィリップ・エトンスラン Ret 29
= アーサー・ハイド Ret 29
26 アドルフォ・マンディローラ Ret 30
= ジョヴァンニ・ミノッツィ Ret 30
= ルイジ・ヴィッロレージ Ret 30
= ゴッフレード・ゼンデル Ret 30
= ヴィットリオ・ベルモンド Ret 30
31 ユージン・シャブー Ret 31
= エマヌエル・ド・グラッフェンリード Ret 31
= フランコ・コモッティ Ret 31
= ヘルベルト・ベルグ Ret 31
= イシュバン・デ・スティバ Ret 31
36 カルロ・フェリーチェ・トロッシ DSQ 32
順位 ドライバー FRA
GER
SUI
ITA
Pts
結果 ポイント
金色 勝者 1
銀色 2位 2
銅色 3位 3
レースの75%以上を消化 4
レースの50%以上 75%未満を消化 5
レースの25%以上 50%未満を消化 6
レースの25%未満を消化 7
失格 8
参加せず 8

脚注

  1. ^ a b Etzrodt, Hans. “1938 GRAND PRIX SEASON”. The Golden Era of Grand Prix Racing. 2016年11月23日閲覧。

参考文献

Etzrodt, Hans. “Grand Prix Winners 1895–1949 : Part 3 (1934–1949)”. The Golden Era of Grand Prix Racing. 2007年8月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2007年8月5日閲覧。

Leif Snellman and Hans Etzrodt. “1938”. The Golden Era of Grand Prix Racing. 2007年8月5日閲覧。

Galpin, Darren. “1938 Grands Prix”. The GEL Motorsport Information Page. 2007年8月5日閲覧。




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