黒騎士バットとは? わかりやすく解説

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BLACK KNIGHT バット

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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/24 17:19 UTC 版)

BLACK KNIGHT バット』(ブラックナイト バット、BLACK KNIGHT BAT)は、寺沢武一による日本漫画。『コブラ』連載終了翌年の『週刊少年ジャンプ』(集英社1985年7月15日号(31号)から、同誌の創刊17周年記念の新連載第1弾として連載開始され、全10回が掲載された。

第1回巻頭カラー部分をコンピュータグラフィックで描くという、当時としては画期的な試みがなされた。手法としては原画をイメージスキャナで読み込み、マウスを使って8色でドットごとに着色するというもので、PC-9801をベースに独自構築したシステムによるものであった[1][2][3][注釈 1]

1996年7月からソフトバンク「INTERNET LABO」にて、フルカラーCG化しての日本語版と英語版のインターネット連載が始まり[5][注釈 2]、翌年10月にはWindows95Macintosh対応のCD-ROM版が発売された[6]

タイトル表記

書誌情報にあるように、発表時期などによってタイトル表記が異なっている。最初に刊行されたジャンプ・コミックスデラックス版では、「BLACK KNIGHT バット」のタイトル表記が用いられているが、本作の第1話が掲載された『週刊少年ジャンプ』1985年7月15日号(31号)表紙のタイトル表記は「黒騎士バット」である。この「黒騎士バット」表記は寺沢武一公式サイトでも使われている[7]。また、『ジャンプ』1985年31号に掲載された第1話の扉ページの紹介文でも使われているが、「黒騎士」の部分には「ブラックナイト」とルビが振られている。カタカナ表記の「ブラックナイト・バット」は、第2話が掲載された『ジャンプ』1985年32号表紙では「ブラックナイト」を小書きにして2行組み表記で用いている。後年刊行されたメディアファクトリー版では英語表記で「Black Knight BAT」、ソフトバンクおよび集英社で刊行されたフルカラー版ではすべて大文字による英語表記の「BLACK KNIGHT BAT」が用いられている。

ストーリー

17歳となったバット・デュランは異世界レインボーリアに帰還する。自分の母が宇宙を旅する星「星船(スターシップ)」の女王であったことを知ったバットは、女王の後を継いで、お供の四銃士(ローン・ウルフ、アイアン・ブル、ジェット・モンキー、フー・チェン)と共に、星の平和を守るため、サンダーソードを携えて日々奔走する。

収録作品数の違いについて

作品の成立事情により、雑誌連載時(10編)、モノクロ単行本(13編)、カラー単行本(7編)において収録作品数が異なる。

雑誌掲載時の掲載作品数は以下の10編である。

  1. 『星船(スター・シップ)』発進!
  2. 炎魔(エンマ)ゴルゴン登場!
  3. 氷の指輪を捜せ!
  4. 禁断の実はどんな味!?
  5. イワン七世
  6. チェックメイトシティ
  7. ファイヤードラゴン
  8. 権力のメガネ
  9. 怒りの雲
  10. 王位を脅かす者

最初の単行本である1986年の集英社版では、雑誌連載時の作品に加えて雑誌未掲載の5編が追加されている。

  1. 黒騎士バット(「 『星船』発進!」「炎魔ゴルゴン登場!」「氷の指輪を捜せ!」を合わせたもの)
  2. 時のなる木(「禁断の実はどんな味!?」改題)
  3. チェックメイトシティ
  4. 電話開通(雑誌未掲載)
  5. 美の収集家(雑誌未掲載)
  6. 権力のメガネ
  7. ファイヤードラゴン
  8. イワン七世
  9. 聖者が町にやってくる(雑誌未掲載)
  10. 怒りの雲
  11. 魔女マリア・デュラン(前編)(「王位を脅かす者」改題)
  12. 魔女マリア・デュラン(後編)(雑誌未掲載)
  13. バットの裁判(雑誌未掲載)

最初のフルカラー版である1997年のソフトバンク版は、着色されてインターネットで連載された以下の7編を収録する。

  1. 黒騎士登場
  2. チェックメイトシティ
  3. 時のなる木
  4. 電話開通
  5. 怒りの雲
  6. イワン七世
  7. 権力のメガネ

書誌情報

書名については奥付の表記を採用

モノクロ版

フルカラー版

書籍以外

  • 音楽シングルCD『BLACK KNIGHT BAT』(日本コロムビア、1997年)[8]
    • CD-ROM版の主題歌「ブラック ナイト バット」および「A(エース)『切り札』」を収録。歌:臼井香世子、演奏:六三四
  • CD-ROM『BLACK KNIGHT BAT』(ソフトバンク、1997年)[9]

脚注

注釈

  1. ^ 寺沢武一はTwitterで、NECの98系で描いていました。ソフトもなく、スキャナーもありませんでした。色数は3色、色の補色使って6色の時代です。ソフトは絵画という実験段階のもの、…(2018年5月11日)と説明[4]
  2. ^ のちに配信先はZDNet Japanに移動した。参考:「インターネット上のコンピュータ専門誌「ZDNet Japan」を9月1日創刊[リンク切れ]」(1997年6月)

出典

  1. ^ 「コミック新世紀!!マンガにもCG時代がやってきたっ!!」(『週刊少年ジャンプ』1985年7月15日号記事、pp.9-11)
  2. ^ 寺沢武一 履歴”. Manga Magic Museum. 2025年7月25日閲覧。
  3. ^ ブイチギルド【寺沢武一作品公式】 [@BuichiGuild]「下絵は手で描いて、初代のPC-9801を使って、コマごとにスキャン。それから8色でほとんどドットごとに色を着けていき、最終的にはディスプレイを写真に撮って入稿…」2023年10月2日。X(旧Twitter)より2024年6月6日閲覧。
  4. ^ 寺沢武一 (2018年5月11日). “NECの98系で描いていました。”. 寺沢武一 (@buichi_terasawa) | Twitter. 2018年6月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年7月14日閲覧。
  5. ^ 寺沢武一プロフィール”. Manga Magic Museum. 2025年7月25日閲覧。
  6. ^ タニグチリウイチ (2023年9月12日). “追悼・寺沢武一『コブラ』は漫画表現の新時代を切り拓いたーースタイリッシュな画風×SF的なアイデアで一世を風靡”. Real Sound. 2025年7月25日閲覧。
  7. ^ BLACK KNIGHT BAT”. 寺沢武一公式サイト ブイチコム. 2025年7月25日閲覧。
  8. ^ ブラック・ナイト・バット | 臼井香世子”. ORICON NEWS. 2025年7月25日閲覧。
  9. ^ マンガROM『BLACK KNIGHT BAT』”. Manga Magic Museum. 2025年7月25日閲覧。

外部リンク




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