陥入吻
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/19 05:25 UTC 版)
星口動物の吻は先端に口があり、裏返るようにして体内に完全に引っ込めることができる。普通はこれを完全に伸ばしたその先に口が開いて、餌を取る。このようなものを陥入吻と呼んでいる。このような吻を持つのには鰓曳動物、動吻動物、胴甲動物がある。環形動物多毛類にも類似の吻を持つ例がある。またハリガネムシ類の幼生にも似た構造がある。これらの構造のいくつかは相同なものであるとの考えがある。なお、動吻動物ではこの部分を頭部と呼んでいる。 これらの吻のうち、ホシムシのそれは他の外皮とほとんど変わらないが、先端に触手がある。動吻動物、鰓曳動物では放射相称的にその表面に鉤が並び、移動の手段及び捕食のために使われている。つまり、伸ばしたものを陥入することでその外表に触れるものを手繰ることができるから、それによって基盤表面を引き寄せることで移動し、あるいは餌を体内に引きずり込む。多毛類の場合、吻の表面に細かい歯がある例もあるが、先端には左右一対の大顎があり、この部分は専ら摂食に使われる。
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