間違いの一例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/19 14:55 UTC 版)
本書では、光太夫らの記憶違いなどが明確な場合でも、まずは語ったままを記し、注釈の形で桂川甫周が正しいことを記している。たとえば年号の項目では「ロシアでは元号などがなく、ただ開国よりの年暦で年を記す。今年はロシアの暦では1793年にあたる。」という意味のことが書かれているが、注釈で「欧州諸国で用いている年暦はみな同じで、ロシアの開国を元年としているのではなく、みな耶蘇(キリスト)の降誕を元年としている。」という意味のことを書いている。もちろん甫周も気づかなかった誤りもあり、特にロシア皇室の家系の説明にそれが多く見られる。これらのことについても甫周は予測しており、巻頭の「凡例」で「外国のことはわかりにくいことが多いので、漂流民の述べたことは誤りも多いであろう。でも正誤にかかわらず今は聞いたままのことを記録する。内容の訂正は後の研究を待ちたい」という意味のことを書いている。
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