長松院 (茨城県東海村)
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長松院 | |
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![]() 長松院の本堂 | |
所在地 | 茨城県那珂郡東海村石神内宿1173 |
位置 | 北緯36度28分46秒 東経140度34分37秒 / 北緯36.47944度 東経140.57694度座標: 北緯36度28分46秒 東経140度34分37秒 / 北緯36.47944度 東経140.57694度 |
山号 | 住吉山 |
宗派 | 曹洞宗 |
本尊 | 虚空蔵菩薩 |
創建年 | 長享元年(1487年) |
開山 | 雪渓道瑞 |
開基 | 石神小野崎通綱 |

長松院(ちょうしょういん)は、茨城県那珂郡東海村にある曹洞宗の仏教寺院。山号を住吉山(すみよしざん)、寺号を吉祥寺(きちじょうじ)と称する。開山は雪渓道瑞であり、本尊は虚空蔵菩薩である。
歴史
石神小野崎氏との関係
長松院は長享元年(1487年)に、雪渓道瑞によって開かれた。雪渓道瑞は茨城県小美玉市の曹洞宗寺院、鳳林院の二世信中永篤の弟子である[1]。開基は小野崎越前守(通綱)であり、通綱は石神城を居城としていたため、長松院は石神城の歴代城主の菩提寺となった。
延徳元年(1489年)に佐竹義治率いる佐竹軍は、伊達・葦名・結城の連合軍との戦いになる。道綱はこの戦いで佐竹義治の身代わりとなり自害した。その後佐竹軍は戦いに勝利し、通綱の功績から子である通老に石神350貫、河合350貫の領地が与えられ、通老は石神城主として石神氏を名乗るようになる。現在、長松院には石神城主初代通老、二代通長、三代通実の位牌を祀っている。
水戸徳川家との関係
伽藍
伽藍とは仏教寺院の主要建物群を意味する。長松院には、本堂を中心として北西方面にのびた伽藍が聳える。
- 本堂:本尊虚空蔵菩薩を祀る長松院の中心的な建物。広さは130畳を超える。
- 正門(北門):境内の北西側にある長松院の正門。本堂からのびる参道の端に位置する。
- 客殿:受付を兼ねる来客用の建物。
- 会館:法要等の待合室や大規模な会議などに使用される長松院の会館。
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正門(北門)
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客殿
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庫院
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参道
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来迎五祖之庭
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帰送三世之庭
歴代住職
歴代住職の一覧(長松院伝)
- 第1世 雪渓道瑞(せっけいどうずい)
- 第2世 陽室長淳(ようしつちょうじゅん)
- 第3世 繁廣元茂(はんこうげんぼう)
- 第4世 貴翁黁悦(きおうこうえつ)
- 第5世 南渓傳夜(なんけいでんや)
- 第6世 在庵長存(ざいあんちょうそん)
- 第7世 久山全良(きゅうざんぜんりょう)
- 第8世 益室鱗鯨(えきしつりんけい)
- 第9世 松室長祝(しょうしつちょうしゅう)
- 第10世 雪岩呑積(せきがんどんせき)
- 第11世 仲室存洞(ちゅうしつそんどう)
- 第12世 壽残洞察(じゅざんどうさつ)
- 第13世 報徳澤洞(ほうとくたんどう)
- 第14世 彊外國道(せいがいこくどう)
- 第15世 禪海慈門(ぜんかいじもん)
- 第16世 天瑞陽尊(てんがいようそん)
- 第17世 宝山海村(ほうざんかいそん)[2]
- 第18世 巨獄丹山(きょがくたんざん)[3]
- 第19世 梅澤潭臨(ばいたくたんりん)
- 第20世 淵龍岭山(しんりゅうれいざん)
- 第21世 義山髙圓(ぎざんこうえん)[4]
- 第22世 智門寂慧(ちもんじゃくえ)
- 第23世 玄中全體(げんちゅうぜんてい)
- 第24世 大靠虎山(だいこうこざん)
- 第25世 通山一芳(つうざんいっぽう)
- 第26世 泰岩碩翁(たいげんせきおう)[5]
- 第27世 滄海遊?(そうかいゆうはん)[6]
- 第28世 泰温悛良(たいおんしゅんりょう)
- 第29世 快堂禅達(かいどうぜんたつ)
- 第30世 佛心繼宗(ぶっしんけいしゅう)
- 第31世 月山梅照(がっさんばいしょう)
- 第32世 一法泰元(いっぽうたいげん)
- 第33世 規外寶全(きがいほうぜん)
- 第34世 大光自照(だいこうじしょう)
- 第35世 興天車隆(こうてんしゃりゅう)
- 第36世 玉翁谷宗(ぎょくおうこくそう)
- 第37世 大毎観光(だいまいかんこう)
- 第38世 道壽天齢(どうじゅてんれい)
- 第39世 禅戒祖童(ぜんかいそどう)
- 第40世 忍城義融(にんじょうぎゆう)
- 第41世 大忍玉淳(だいにんぎょくじゅん)
- 第42世 潮音禪海(ちょうおんぜんかい)
- 第43世 寶徳泰禪(ほうとくたいぜん)
- 第44世 晧月禅栄(こうげつぜんえい)
年中行事


- 4月1日〜8日 釈尊降誕会(花まつり)
- 6月15日〜7月15日 あじさいまつり
- 6月15日〜8月15日 風鈴まつり
- 7月中旬 盆精霊棚かざり方講習会
- 8月中旬 山門大施餓鬼会法要
- 9月中旬 秋彼岸会法要
- 12月28日 開基石神城々主忌
- 1月2日 大般若祈祷会法要
- 2月1日〜15日 釈尊涅槃会
- 3月中旬 春彼岸会法要
アクセス
参考文献
- 高橋裕文編集『常陸国石神小野崎氏と長松院』
- 地球の歩き方編集室編『御朱印でめぐる茨城のお寺』、2021年11月30日
脚注
- 長松院 (茨城県東海村)のページへのリンク