責任制限債権、範囲、限度額
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/16 06:31 UTC 版)
「船舶の所有者等の責任の制限に関する法律」の記事における「責任制限債権、範囲、限度額」の解説
船舶所有者等の責任を制限することができる債権(制限債権)の種類は本法3条に規定されており、船舶上・船舶の運航に直接関連して生ずる損害、運送の遅延による損害、損害防止措置により生ずる損害などが列挙されている。ただし、自己の無謀な行為によって生じた損害など、一定のものについては責任制限をすることはできない。 責任の制限は、救助者等が債務者になる場合を除いて各船舶について一事故ごとに行われ、債務者ごとには行われない。例えば、事故が複数ある場合はその事故ごとに後述の責任制限手続が行われる。また、同一船舶の同一事故については複数の者(例えば船舶の所有者と船長)が損害賠償責任を負い、両者の債務は不真正連帯債務になるところ、その内の一人について後述の責任制限手続がされた場合は、他方の債務者も責任制限の利益を受けることになる。 責任の限度額は、旅客の死傷による損害とそれ以外との損害について分けて規定されている。基本的には、旅客の死傷による損害の場合は船舶検査証書に記載された旅客の数に応じて、それ以外の損害の場合は船舶のトン数に応じて、それぞれ計算される額による。ただし、旅客の死傷による損害については、「千九百七十六年の海事債権についての責任の制限に関する条約を改正する千九百九十六年の議定書」が日本国について効力を生じた時点で責任制限が撤廃される(2005年の法改正)。
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