貞丸古墳群とは? わかりやすく解説

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貞丸古墳群

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/18 23:05 UTC 版)

貞丸古墳群
貞丸古墳群の位置
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貞丸古墳群(さだまるこふんぐん)は、広島県三原市本郷町南方(みなみがた)にある古墳群。2基が広島県指定史跡に指定されている。

概要

広島県東部、沼田川支流の尾原川の北岸丘陵斜面に築造された古墳群である[1]。古墳2基(いずれも円墳[1])から構成される。

古くは南方村の「国郡志下調書出帳」に油塚(1号墳)として記載が見える[1]。2基は約20メートル離れて所在し、いずれも埋葬施設を横穴式石室とする。石室はいずれも南方向に開口し、石室構造・規模や内部に家形石棺を据えるなど多くの類似点が認められる[2]

1号墳・2号墳の古墳域は19491950年昭和24・25年)に広島県指定史跡に指定されている。

一覧

1号墳

貞丸1号墳

墳丘・石室開口部
別名 貞丸古墳
所在地 広島県三原市本郷町南方
位置 北緯34度23分43.05秒 東経132度56分38.75秒 / 北緯34.3952917度 東経132.9440972度 / 34.3952917; 132.9440972 (貞丸1号墳)
形状 不明
埋葬施設 横穴式石室
(内部に刳抜式家形石棺1基)
築造時期 7世紀前半
史跡 広島県指定史跡「貞丸古墳」
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貞丸1号墳は、三原市本郷町南方の大日堂の西側にある古墳。

埋葬施設は横穴式石室で、南方に開口する。玄室・羨道からなるが羨道部は破壊され失われており、玄室部のみ残る[3][4]。玄室は現存で長さ4.37-4.97メートル、幅2.09メートル、高さ2.15メートルを測り[3][5]、開口部には板石の立石による柱状間仕切りを設ける[1]。そのため、玄室前を羨道でなく前室とした複室構造とみる説もある[2][5]

玄室内部には兵庫県加古川流域の竜山石製[6]の刳抜式家形石棺の身部(長さ2.15メートル、幅1.15メートル、高さ0.6メートル)を据える[3][4]。蓋石の所在は明らかでない[3][4][5]。また副葬品も詳らかではない[1]

築造時期は古墳時代終末期7世紀前半頃と推定される[3][5]

2号墳

貞丸2号墳

墳丘・石室開口部
別名 貞丸第二号古墳
所在地 広島県三原市本郷町南方
位置 北緯34度23分43.68秒 東経132度56分38.25秒 / 北緯34.3954667度 東経132.9439583度 / 34.3954667; 132.9439583 (貞丸2号墳)
形状 不明
埋葬施設 横穴式石室
(内部に組合式家形石棺1基か)
築造時期 7世紀前半
史跡 広島県指定史跡「貞丸第二号古墳」
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貞丸2号墳は、1号墳の北約20メートルにある古墳。

埋葬施設は横穴式石室で、南方に開口する。玄室・羨道からなるが羨道部は破壊され失われており、玄室部のみ残る[3][4]。玄室は現存で長さ5.1メートル、幅2.12メートル、高さ1.97メートルを測る[3][7]

玄室内部には組合式家形石棺があったと伝わる。現在その所在は明らかでないが、一説には大日堂境内の石碑台石として使用されている、縄掛突起を付す凝灰岩製家形石棺蓋石が使用棺として推測される[3][7][4]。また同石のそばには小口石と推定される石片があり[7][4]、その他にも南方神社境内で組合式家形石棺の破片が遺存する[1][7]

築造時期は古墳時代終末期の7世紀前半頃と推定される[3]

文化財

広島県指定文化財

  • 史跡
    • 貞丸古墳 - 1949年(昭和24年)10月28日指定[5]
    • 貞丸第二号古墳 - 1950年(昭和25年)9月16日指定[7]

脚注

  1. ^ a b c d e f 広島県の地名 1982.
  2. ^ a b 日本古墳大辞典 1989.
  3. ^ a b c d e f g h i 三原市の文化財 2016.
  4. ^ a b c d e f 史跡説明板。
  5. ^ a b c d e 貞丸古墳(広島県教育委員会「ホットライン教育ひろしま」)。
  6. ^ 竜山石は、かつて流紋岩質溶結凝灰岩とされてきたが、近年の調査によって流紋岩質成層ハイアロクラスタイト(水冷破砕岩)と判明している(宝殿石(竜山石)(兵庫県ホームページ)参照)。
  7. ^ a b c d e 貞丸第二号古墳(広島県教育委員会「ホットライン教育ひろしま」)。

参考文献

関連項目

外部リンク




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