谷脇古墳とは? わかりやすく解説

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谷脇古墳

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/12 15:17 UTC 版)

谷脇古墳

石室開口部
所在地 奈良県宇陀市大宇陀守道字黒石モト下[1]
位置 北緯34度28分15.30秒 東経135度56分58.25秒 / 北緯34.4709167度 東経135.9495139度 / 34.4709167; 135.9495139座標: 北緯34度28分15.30秒 東経135度56分58.25秒 / 北緯34.4709167度 東経135.9495139度 / 34.4709167; 135.9495139
形状 円墳
規模 東西18m・南北15m
高さ2.5m
埋葬施設 両袖式横穴式石室
(内部に組合式石棺1基)
出土品 金環・鉄製品・須恵器
築造時期 6世紀中葉
史跡 奈良県指定史跡「谷脇古墳」
有形文化財 出土遺物(宇陀市指定文化財)
特記事項 T字形石室
地図
谷脇古墳
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谷脇古墳(たにわきこふん)は、奈良県宇陀市大宇陀守道(おおうだもち)にある古墳。形状は円墳。奈良県指定史跡に指定され、出土遺物は宇陀市指定有形文化財に指定されている。

概要

奈良県東部、宇陀盆地南部の尾根上に築造された古墳である。1944年昭和19年)に石室発掘調査が、1996年平成8年)に墳丘測量・石室実測調査が実施されている[1]

墳形は円形で、東西18メートル・南北15メートル・高さ2.5メートルを測る[1]。埋葬施設は両袖式の横穴式石室で、南方向に開口する[1]。玄室の長辺に羨道が接続してT字形の平面形をなすという、珍しい形状の石室になる。玄室内部には組合式石棺を据える[1]。石室内からは副葬品として金環・鉄製品・須恵器が検出されている[1]。築造時期は古墳時代後期の6世紀中葉(TK10型式期)頃と推定される[1]

古墳域は1978年(昭和53年)に奈良県指定史跡に指定され[2]、出土遺物は1998年(平成10年)に宇陀市指定有形文化財に指定されている[3]

遺跡歴

  • 1944年昭和19年)、石室発掘調査(奈良県教育委員会)[1]
  • 1978年(昭和53年)3月28日、奈良県指定史跡に指定[2]
  • 1996年平成8年)、墳丘測量・石室実測調査(花園大学考古学研究室、1998年に報告)[1]
  • 1998年(平成10年)9月30日、出土遺物が宇陀市指定有形文化財に指定[3]

埋葬施設

石室俯瞰図
石室展開図

埋葬施設としては両袖式横穴式石室が構築されており、南方向に開口する。玄室の長辺中央部に羨道が接続し、平面形としてはT字形をなす。石室の規模は次の通り[1]

  • 石室全長:6.5メートル
  • 玄室:長さ2.48-2.92メートル、幅3.45メートル、高さ2.8メートル以上
  • 羨道:長さ4.37メートル、幅1.06-1.65メートル

羨道は玄室の片側(東側)に寄っており、片袖式に近い両袖式である[4]。石室の石材は大型の川原石で、四方から持ち送り天井石1枚を架構する[4]。床には全面に小礫を敷く[4]

玄室内部では、石室主軸の直交方向(玄室長辺の平行方向)に流紋岩溶結凝灰岩(榛原石)製(文献によっては花崗岩[4])の組合式石棺を据える[1]

石室内では、人骨の出土状況から、東西を各頭位とする2体の安置が想定される[4]。また1944年(昭和19年)調査では金環4個(2対)・須恵器(平瓶・壺・坏身・坏蓋各1個)等が[4]、1996年(平成8年)調査では鉄製品(鏃・刀子)が検出されている[1]

文化財

奈良県指定文化財

  • 史跡
    • 谷脇古墳 - 1978年(昭和53年)3月28日指定[2]

宇陀市指定文化財

  • 有形文化財
    • 谷脇古墳出土遺物 一括(考古資料) - 1998年(平成10年)9月30日指定[3]

脚注

  1. ^ a b c d e f g h i j k l 続日本古墳大辞典 2002.
  2. ^ a b c 奈良県指定文化財一覧 (PDF) (奈良県ホームページ)。
  3. ^ a b c 資料編 (PDF) (宇陀市ホームページ)。
  4. ^ a b c d e f 奈良県の地名 1981.

参考文献

(記事執筆に使用した文献)

関連文献

(記事執筆に使用していない関連文献)

  • 『古墳測量調査集成I』花園大学考古学研究室〈花大考研報告13〉、1998年。 

関連項目

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