芽の休眠
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/21 23:12 UTC 版)
植物が形成する芽は、生育に適さないような環境条件の悪化を前に、休眠状態に入ることがある。このような芽の休眠は、多年生植物によく見られる現象である。特に温帯の大部分の木本植物は、秋に日が短くなる(短日)と芽の休眠を誘導されることが知られている。休眠が誘導されると、植物の成長は著しく抑制され、頂端に休眠芽が形成される(冬芽)。このとき、落葉樹は葉を落とし(落葉)、常緑樹も新たな葉の生長を制限する。乾期がある地域の植物では、夏に休眠し(夏芽)、秋に成長するような場合もある。 芽の休眠が打破されるには、長日になり気温が上がることだけでなく、多くの植物ではその前に、0℃から10℃の低温に芽が直接さらされていなければならない。十分な低温にさらされず休眠が打破されなかった植物は、ほとんどが枯死するといわれている。一方で、長日条件で容易に休眠が打破される植物もあり、カバノキやカエデが知られている。 また、一年生植物においても、頂芽優勢のため側芽の成長が抑制される現象がみられ、これも芽の休眠の一種であるとされる。
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