脱分極と過分極
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/27 17:05 UTC 版)
詳細は「活動電位」を参照 細胞膜は静止膜電位で定常状態を保っている。この状態を、膜が分極(polarization)しているという。ここからプラス方向に膜電位が変化することを脱分極(depolarization)、さらにマイナス方向に変化することを過分極(hyperpolarization)と表現する。脱分極は必ずしも、膜電位が正に変化することを伴わず、-70mVから-30mVへの変化でも、十分脱分極である。また、一旦プラスに転じた膜電位が再度静止膜電位に戻ることを、再分極(repolarization)という。 神経細胞はシナプスと呼ばれる構造を通じて情報の伝達をしているが、伝達を受けた神経細胞が脱分極するか過分極するかは重要なポイントである。それは、脱分極を引き起こす伝達は「興奮性伝達」と呼ばれ、活動電位を引き起こす助けとなるのに対し、過分極を引き起こす伝達は「抑制性伝達」と呼ばれ、活動電位の発生を抑える働きをする。活動電位の発生は、入力された興奮性/抑制性伝達の総和がある一定の値(閾値という)に達するかどうかによって決定されるので、個々のシナプスが興奮性であるか、抑制性であるかは神経回路を理解するうえで大変重要なのである。
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