老人の肖像 (フィリッピーノ・リッピ)とは? わかりやすく解説

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老人の肖像 (フィリッピーノ・リッピ)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/15 23:35 UTC 版)

『老人の肖像』
イタリア語: Ritratto di vecchio
英語: Portrait of an Old Man
作者 フィリッピーノ・リッピに帰属
製作年 1485年ごろ
種類 上にフレスコ画法
寸法 47 cm × 38 cm (19 in × 15 in)
所蔵 ウフィツィ美術館フィレンツェ

老人の肖像』(ろうじんのしょうぞう、: Ritratto di vecchio, : Portrait of an Old Man)は、イタリアルネサンス期の巨匠フィリッピーノ・リッピに帰属される肖像画で、1485年ごろに上にフレスコ画法で描かれた。かつて、芸術の庇護者で収集家・学者でもあったレオポルド・デ・メディチ枢機卿のコレクションにあった作品で[1]、1773年からフィレンツェウフィツィ美術館に所蔵されている[1][2]。1784年と1825年の目録ではマサッチオに帰属されていた[2]

作品

この絵画で興味深いのは、瓦の表面にフレスコ画法で描かれていることである。瓦はローマ風と呼ばれる屋根の覆いに用いられる煉瓦の1つで、両縁が少し傾斜して反りあがった台形の板状である[1]

本作の謎めいたモデルの人物が誰であるかについて長い間、議論が交わされてきた[1]。彼は、フィリッピーノの父親でやはり芸術家であったフィリッポ・リッピが所属するカルメル会の修道服を身に着けている。多くの研究者はモデルの人物がフィリッポ・リッピであろうと考えているが、疑念の余地がなく、信頼性の高い答えは見つかっていない[1]

老人は、控え目に笑みを浮かべた明るい表情をしている[1]。穏やかな容貌には、修道服の襞と調和した深い皴が刻まれている。鮮やかな桃色のその皴は、戸外の太陽の下で長い時間を過ごした人物に典型的なものである。修道服と同色の被り物は薄明かりにより輝きつつ、老人の耳に被さり、それを押さえつけている。彼の大きな鼻は、4分3正面向きであることを強調している[1]

脚注

  1. ^ a b c d e f g 『ウフィツィ美術館展』p.76。
  2. ^ a b ritratto de vecchio”. ウフィツィ美術館公式サイト (イタリア語). 2024年6月3日閲覧。

参考文献

  • 『ウフィツィ美術館展 黄金のルネサンス ボッティチェリからブロンヅィーノまで』小佐野重利編、TBSテレビ(2014年)

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