系統不明な白血病
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/19 02:02 UTC 版)
白血病は細胞の性質によって骨髄性とリンパ性に分けられるが、まれに白血病細胞の細胞系列のはっきりしない白血病(混合性白血病、あるいは急性未分化型白血病などの系統不明な白血病)がある。系統不明な白血病には、骨髄系白血病細胞とリンパ系白血病細胞それぞれの2系統の細胞集団が同時に現れるものと、1つの細胞に骨髄系リンパ系の両方の特徴が現れるもの、白血病細胞に一切の分化傾向が見られない急性未分化型白血病などがある。AML で最も未分化な最未分化型急性骨髄性白血病 (AML-M0) でさえ骨髄系細胞の証である MPO は光学顕微鏡では認められないが電子顕微鏡レベルでは認められ他の手段でも骨髄系と判明するが、急性未分化型白血病の芽球では骨髄系の抗原の証である MPO が電子顕微鏡レベルでも陰性であり、他の手段でも骨髄系への分化傾向は認められず、なおかつリンパ系の抗原も一切発現していない。白血病細胞の分化が幹細胞に極めて近いところで止まってしまっている細胞であると考えられる。急性未分化白血病は幹細胞白血病とも呼ばれ、その白血病細胞の性質はほとんど幹細胞と同等の性質を持っている。逆に言えば急性未分化白血病以外の白血病(ほとんどすべてになる)の細胞はわずかではあり異常でもあるがいくらかは分化したところで分化が止まった細胞であり、またその分化の方向で細胞の性質もある程度違ってくる。これら系統不明な白血病は極めて稀であり、分かっていないことが多いが一般に予後不良といわれている。
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