第3段階 3秒から10秒 「衝撃波の広がり」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/10 02:29 UTC 版)
「原爆投下・10秒の衝撃」の記事における「第3段階 3秒から10秒 「衝撃波の広がり」」の解説
熱線の影響は3秒程度で消えるが、衝撃波は地上を伝わり建物等を破壊していった。3秒後には1.5km、7.2秒後には3km、10.1秒後には4km先に到達したと推定された。また建物内に侵入した衝撃波が、砕けたガラス片もろとも人々を巻き込み、打撲や裂傷を負わせ、命を奪っていったと推定された。さらに、地上が高温状態であったため、地上に近い高さを進む衝撃波には細かな渦が生じて破壊力を増したと推定された。 爆心地から1.6km離れた広島貯金支局のビルは4階建ての鉄筋コンクリート造りだったため無傷で残ったものの、中にいた84人が死亡した。番組では衝撃波のシミュレーション実験を行ない、3.4秒後に支局を襲った衝撃波が建物内部に爆風の渦を巻き起こしたと推定した。また、広島地方気象台は爆心地の南3.7kmにあり、衝撃波は9.1秒後に到達したと推定した。そこでは椀型風速計が風速200mを観測したという。なお、爆風が複数回襲ってきたという証言が得られている。その原因の1つとして、キノコ雲の上昇に伴い暴風が生じて雲に吸い上げる力が発生したことが考えられた。爆心地方向からの衝撃波でなぎ倒された物が吹き戻しの猛烈な風で爆心地方向へ引き倒されたとみられる事例もあるが、竜巻や突風が生じていたことから、企画に参加した科学者たちは事例のすべてが吹き戻しとは断言できないとした。
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