立命館大学ゲーム研究センター
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/10/30 17:28 UTC 版)
立命館大学ゲーム研究センター(りつめいかんだいがくゲームけんきゅうセンター)は、立命館大学衣笠キャンパスに置かれている組織で、日本で唯一、ゲーム分野を取り扱う学術機関である[1]。
概要
2011年4月に設置された。総合大学であることと、ゲームの発展とかかわりの深い京都という立地とを活かし、伝統的な遊具や玩具から、最新のテクノロジーを用いたゲームまで、幅広く取り扱う。他のゲーム研究拠点とのネットワークを構築することも、国内外問わず目指している[2]。
立命館大学の映像学部や法学部や情報理工学部などの教授らが集まって、包括的なゲームの研究を行っている。ゲームという娯楽の分野を文化や産業として研究対象とする取り組みが進められている。衣笠キャンパス内の立命館大学ゲーム研究センターには2023年の時点で、約150台のハードと、約1万本のソフトが所蔵されている[3]。
初代センター長は上村雅之であり、上村は発起人の一人でもある[4]。
歴史
2011年10月14日にはキックオフカンファレンスを開催する。「ゲーム研究はこれまで何をやり、これから何をやり、大学で何ができるのが、グローバルな現状は」などのテーマでの議論も行われた[5]。
2013年には立命館大学ゲーム研究センターはゲームソフトのアーカイブを作るというプロジェクトを行い、複数の新聞や雑誌で紹介された。だが読者からいらなくなったゲームが無断かつ着払いで送りつけられてくるという事態が起きた。対策として、関係者によるゲーム資料の現物の寄付を募ることとなった[6]。
2017年4月には立命館大学ゲーム研究センターは、同センターの所蔵品の検索が可能なデータベースを公開したと発表した[7]。
2018年には文化庁によるメディア芸術連携促進事業の一環として「ゲーム展TEN」を開催した。21世紀以降、国内外の博物館や美術館で定期的にゲームをテーマとした企画展が行われるようになっており、この「ゲーム展TEN」も同様に過去のゲームを作品として展示し、その意義と展望を思索することを意図している[8]。
2021年には、立命館大学ゲーム研究センターで構築や公開されているRCGS Collectionが、日本においてのデジタルアーカイブ産業振興に貢献したとして、デジタルアーカイブ推進コンソーシアムによる2020デジタル アーカイブ産業賞技術賞を受賞した、と立命館大学は発表した[9]。
2023年6月には期間限定で、所蔵するゲーム機やソフトを無料で貸し出しするというオープンデーを行った。ファミコンが発売する以前の1970年代に発売された作品も含めて自由に遊べるようにした試みである[1]。
脚注
- ^ a b “コレクションしたゲームを無料で貸し出し 「立命館大学ゲーム研究センター」の新たな取り組み(鴫原盛之) - エキスパート”. Yahoo!ニュース. 2025年10月30日閲覧。
- ^ “立命館大学ゲーム研究センター発足10年……改めて振り返るこれまでとこれから | RADIANT | 立命館大学”. 立命館大学研究活動報 RADIANT. 2025年10月30日閲覧。
- ^ Inc, Nikkei (2023年5月24日). “立命館大学 ゲーム研究に拠点、文化も産業も”. 日本経済新聞. 2025年10月30日閲覧。
- ^ 【訃報】 上村雅之先生逝去のお知らせ2021年12月9日 2025年10月31日閲覧
- ^ “立命館大学ゲーム研究センター(RCGS)がキックオフカンファレンスを開催”. メディア芸術カレントコンテンツ. 2025年10月30日閲覧。
- ^ “立命館大学「ゲーム資料現物寄付」のページは、なぜ炎上してしまったか(井上明人) - エキスパート”. Yahoo!ニュース. 2025年10月30日閲覧。
- ^ “立命館大学ゲーム研究センター、所蔵品オンライン閲覧目録を公開”. カレントアウェアネス・ポータル (2017年4月10日). 2025年10月30日閲覧。
- ^ 大日本印刷, DNP. “立命館大学ゲーム研究センターが「ゲーム展TEN」を開催 | ニュース | DNP 大日本印刷”. DNP 大日本印刷株式会社. 2025年10月30日閲覧。
- ^ “ゲーム研究センターが「2020デジタルアーカイブ産業賞」を受賞 |立命館大学”. 立命館大学. 2025年10月30日閲覧。
外部リンク
- 立命館大学ゲーム研究センターのページへのリンク