稲城市役所放火事件とは? わかりやすく解説

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稲城市役所放火事件

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2015/12/03 11:15 UTC 版)

稲城市役所放火事件
場所 東京都稲城市東長沼2111番地
稲城市役所
日付 2015年11月30日月曜日
午後1時55分(JST)
標的 民間人
攻撃手段 放火
武器 灯油サバイバルナイフ
死亡者 0名
負傷者 1名
損害 市役所1階の焼損
パトカーの強盗・破損
犯人

稲城市役所放火事件(いなぎしやくしょほうかじけん)は、東京都稲城市の稲城市役所で2015年11月に発生した放火事件である。

概要

2015年11月30日の午後2時ごろ[1]、稲城市役所1階に稲城市在住の男が原付バイクのまま侵入した。大声で職員の名前を呼び、持参したポリタンクから油を撒き散らしたため市職員が警察に通報した。当時庁舎内には市職員や来庁者が多数おり、一斉に正面玄関へ避難した。男は火を付けた後サバイバルナイフを振り回して避難者が殺到する正面玄関から逃走し、駆けつけた警視庁多摩中央警察署パトカーを強奪し、さらに逃走を続けた。すぐに駆けつけた別のパトカーに猛スピードで正面衝突し、引きずり出されて取り押さえられた。多摩中央署は現住建造物等放火や建造物侵入、銃刀法違反などの容疑で現行犯逮捕した[2]。また、職員1人が煙を吸うなどして負傷した。

男は5年前からおよそ100万円の税金を滞納していたため、たびたび市から督促の電話を受けていた。2015年9月中旬に収納課に電話をかけ「殺すぞ。今度行くから」と言ったことから、市は多摩中央署に連絡し、市役所周辺のパトロールを強化していたところであった[3]。火事はすぐに消火されたが、庁舎の地下には電気室があり、消火時の放水による漏電の危険があるため、一時停電した。事件当日と翌日12月1日の1階での業務は停止したが、12月2日には正常通り業務を再開した。稲城市の高橋勝浩市長は「大変卑劣な犯罪。正当な業務を行っているのに、許されざる行為だ」と厳しい口調で語った[4]。また、放火から逮捕までの一部始終が撮影されており、その映像がメディア各局で報道された。

類似事件

市役所が放火され、業務不能になる事例は2013年兵庫県尼崎市役所でも発生しており、男が火炎瓶を投げ込み、約2,200平方メートルを焼損した。市役所復旧には約5カ月かかり、被害額は約2億3,000万円となった。放火した男は殺人未遂罪現住建造物等放火罪などで懲役18年が確定している[5]

脚注

  1. ^ 高橋勝浩市長 (2015年11月30日). “稲城市役所放火事件について”. 稲城市役所. 2015年12月2日閲覧。
  2. ^ 市役所の保険年金課に放火 ナイフ男を逮捕 パトカー奪って一時逃走 東京・稲城市”. 産経新聞社 (2015年11月30日). 2015年12月2日閲覧。
  3. ^ 稲城市役所に放火容疑者、税を滞納 「殺すぞ」と電話も”. 朝日新聞社 (2015年12月1日). 2015年12月2日閲覧。
  4. ^ 怒号と叫び声、職員ら一斉に避難…稲城庁舎放火”. 読売新聞社 (2015年12月1日). 2015年12月2日閲覧。
  5. ^ 放火被害の宝塚市役所、復旧費用は”. 神戸新聞社 (2015年1月27日). 2015年12月2日閲覧。

関連項目




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